水曜日, 2024/04/24 2:00

#184 シューベルト 即興曲 op.90-3(1)

8曲の即興曲の中でも最も有名な作品を4回に分けて学びます。 美しい旋律と和声のバランスが難しく一回目は技術を見て行きましょう。 右手は歌うメロディーと小さな伴奏部、異なる2つの役割を分けて考えます。 伴奏部は引っ張って切りながら→慣れたら手首を回す2つの弾き方で練習します。 拍子はアラブレーヴェ、2拍子ですが最初はテンポを上げた時にリズムが流れないようにしっかり4拍子でリズムを指先で細かく感じながら。練習テンポは54で。 小さく弾いても音が抜けないように鍵盤と指のコンタクトを意識し耳も使います。 伴奏部は第3関節から軽くノンレガートで引張って弾き、音が鳴っているか聞いて。 上から叩くのではなく脱力して落とします。慣れたらテンポを上げたり自由に。 次はレガートで幾つかの音をグループと考え重りを載せて手首の回転で弾きます。 いつも手首の動きに意識を向けましょう。連打の入ったリズム練習も効果的です。 機械的な練習にならないよう手だけでなく身体の動きを意識したり様々な方向で。 演奏テンポの66をキープする為にメトロノームを使っても良いでしょう。

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#183 グラナドス アンダルーサ(3)

モレンドで消えて行ったフレーズに変わってアウフタクトで始まる明るいアンダンテは4つのフレーズから成ります。フレーズ間は小さなブレスを感じ文章のように。 1つ目と3つ目は前向きで加速気味に、2つ目と4つ目は静かにゆっくりフレーズを閉じて変化させます。右手の和音は重くならないよう下2音は軽いバランスでソプラノを歌わせます。歌わせる指に重さを載せ他の指は鍵盤を離れる練習が効果的です。 重音のフレーズはレガートしやすい指使いを選びペダル踏み替えに注意します。 楽譜に自分の音楽のアイディアを自由に書き込んで試してみることも大切です。 3回繰り返すフレーズは強弱とタイミングを変化させて。全て耳と身体で覚えます。 同じテーマの2回目は自由に表現することを楽しんで即興的に弾いてみましょう。 強弱やタイミング、声部バランスや小さなニュアンス等音楽の可能性を試します。 和音にこだわったアルペジオをかけたり、他も装飾音をつけたり、自分の気に入った演奏からアイディアをもらうことも勉強になります。積極的に音楽にアプローチしましょう。

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#182 グラナドス アンダルーサ(2)

グラナド作曲アンダルーサの2回目は2ページ目をみて行きます。 e-mollの和音から成るフレーズが3段目でG-durに転調してemollに戻ります。 最後G♯一音で長調に変わる瞬間は光るようにブレーキをかけて強調します。 新しい勇ましいffのフレーズは手首をUPーDOWN(アクセント)させて。 1,2-3とカウントしながらリズムも強弱と共に手首の上げ下げで感覚的に掴みます。 鍵盤を見なくても和音がつかめるように場所を把握しましょう。 ペダル(足)は指と一緒にUPーDOWNの動きでアクセントを強調します。スペインのフラメンコ、カスタネットやギターなどをイメージして肩から大きな動きで。 H音のバスは響かせレガートでも良いでしょう。2拍子→3拍子に変化するヘミオラも意識しましょう。 スペインの音階は短2度で始まるのが特徴です。 スペイン風な和声進行のパターンを覚えなくても雰囲気をよく味わって。 大幅な強弱ととても自由なタイミングで表すとわかりやすく味わい易いです。 繊細な部分はritで消えるように。アチャカトゥーラもおとなしめに。

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#181 グラナドス アンダルーサ(1)

前回までスカルラッティのソナタの中にはスペインの影響が聴こえました。 今週はスペイン人作曲家グラナドスのスペイン舞曲からアンダルーサを学びます。19世紀末、ロマン派の後の時代の作品です。ヨーロッパからみたスペインはアフリカに近くイスラム文化の影響を受けた異国情緒の豊かな南の国です。 左伴奏部のアチャカトゥーラ(噛む)=短前打音は2音をほとんど同時に鋭い音で。 カスタネットなど打楽器を意識します。力強さと柔らかい歌が交互に現れます。 リズムをゆっくり丁寧にペダルなしで練習して拍感を掴みましょう。短前打音は指を独立させて弾くより手首をひねって勢いを使います。メロディはよく歌って。 弱拍に鋭いアクセントがつくと民族的な風合いに。右手の重音はリズムを取って。 ペダルは使わずに左手のバスを指で長めに残して。ループ練習を繰り返し全体をバランスよく改善して行きましょう。スペイン調の和声進行は分析して確かめます。 転調はルバートをかけて、フォルテ/クレッシェンド/アクセントを意識して。 リズムは左手は1指の裏拍を大切に、旋律は1拍目と4拍目にアクセントを感じて。 次は左右が逆転します。アクセントをコントロールしながらゆっくりと練習して、少しづつテンポアップして行き、仕上げにペダルを加えます。余裕があれば更に速いテンポでスペインらしさの溢れるアンダルーサを楽しく弾いてみましょう。

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#180 スカルラッティ ソナタ ホ長調 K.380(3)

前回に引き続きスカルラッティのソナタを3-4ページを学びましょう。 ここでまた雰囲気が変わって曲が盛り上がって行きます。馬の足音と素敵な和音始まったオープニング→軍隊風の行進リズムの後、面白く展開して行きます。 その一つとして2段目に♯g-a-♯h-♯c-♯d-eとスペイン風な音階を取り入れています。 異国風で民族調な香りの後は興味深い和声進行が展開し→クラシカルに戻ります。 今回ポロネーズは品のある3拍目のアクセントよりsfで強めに強調します。トリルはバロック期なので上のd音から始めると不協和音で拍が強調され劇的な味わいです。 フラメンコのような和音はアルペジオで火の情熱のスペイン舞踊を表して。他国と比較するとスペインの文化はアフリカの影響で荒々しさも持っています。ナポリ生まれでスペインやポルトガル拠点に活動したスカルラッティならではのイタリアの洗練とスペイン風の情熱を感じましょう。和声的な部分は歌える指使いで。 必要ならスライドさせて旋律的に歌わせることに集中して。5-4-5など不自然な指使いは柔らかい身体の動きでカバーします。柔軟な動きでリズムも良くなります。 ソプラノを際立たせるためにアルトは押さえるバランスで。長いトリルは朗々と。次のトリルは短めに。同じフレーズは強弱を変化させましょう。ホルンのテーマは大切なメッセージを意味します。エンディングは最後の音の長さ、余韻も丁寧に。 ホロヴィッツも弾いていた音楽的に盛り沢山な名作です。弾いて録音したものを是非聴かせて下さい。

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