火曜日, 2023/05/30 4:44

#149 ブラームス 幻想曲集 第6番「間奏曲」op.116

ブラームスのピアノ曲を代表する後期作品です。2回目は中間部、出だしからの重く暗い雰囲気がガラッと変わって天国、夢の世界、浮かんでいるような幻想的なトーンになります。思い出、懐かしさといった手の届かない悲しみが心に響きます。 8分音符と4部音符の音型は明るいスタッカートではなくため息のように。 fは「激しさ」より「悔しさ」など複雑な感情を深味のある音で表現します。 ソプラノとテノールの旋律はまずよく聴いて会話をイメージして。両声部が同じメロディー(=言葉)を語っている所、音が変わる所は話す内容も変化して…具体的な言葉で考えても良いでしょう。 ペダルは幻想的な雰囲気を作る為に濁らないポイントまで長く使って踏替えます。 元のテーマが戻る時にはテンポもゆっくりに動機を少し強調して美しい夢が終わって重い現実が戻ったことを感じさせます。最後のsfは辛さを表して、pp→ソステヌートは一見終わりかと思いますが最後の力を使って美しいEdurの和音に導きます。終わりのfは実際の音量より感じることを強く、深くというイメージで。 深みのあるバスライン、太い内声と消えていくソプラノで立体感を作ります。 ブラームスが深い人生を回顧するような心の声が音で綴られた素晴らしい後期作品を是非弾いてみて下さい。

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Q & A 2023-05-20

ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 作品72-1、ヘンデル:ラルゴ、シューマン:森の情景、バッハ:シンフォニア第12番

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#148 ブラームス 幻想曲集 第6番「間奏曲」op.116

ブラームス作曲 7つの幻想曲 作品116 より 6番 ① ブラームスらしい深く神秘的な響きと和声感、宗教的なコラールのスタイルが現れる後期作品です。ダークな色調の和音は力ではなく重さを使って中に沈み込むように。音楽は歌わずに縦(和音)の動きに集中して真面目な雰囲気で。フレーズ感は時々現れる内声のレガートで表します。対照的な明るい響きは下から上の指のタッチに変えて。左手の動きのある部分は安定感を保てるよう動きの少ない指使いで。 ffはいい響きを作るため肩や背中、腰から出して打鍵後はすぐに脱力します。 大きな和音は堂々とゆっくりバラして大丈夫です。ペダルで濁らないよう指を残して踏み替えてレガートで。他のロマン派の作曲家とは異なるブラームスの音(=言葉)を意識しましょう。

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#147 ヘンデル 「ラルゴ」

1ページ目の後半から2ページを見て行きましょう。 オペラのアリアの編曲版なので原曲を聴いてから少し音を加えてみます。 前回に続きペダルをよく踏み替えて、柔らかく歌い、更に自然に歌が流れるように アレンジを加えています。和声も同様に味わい深くなるよう義終止にしたりと 和音に変化を与えましょう。 ソプラノは旋律的に歌って、暗いバス、掛け合いのアルト等それぞれの方向とバランスを良く聴きましょう。意識しましょう。強弱は巾広く。 起伏や緊張感を作るためフェルマータのように長く伸ばしたり、オーケストラの伴奏のように急にボリュームを上げたり、オペラのようにドラマチックに弾きます。 曲の最後は気品を保って少しdim気味に終わります。

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#146 ヘンデル 「ラルゴ」

原曲はオペラのアリア「オンブラ・マイ・フ」です。 別の作曲家によるメロディーを用いてヘンデルが作り直しました。 カウンターテナーによって歌われる美しい旋律を持つ名曲です。 ピアノでもオーケストラと歌の部分を区別して弾きましょう。 長い音は歌うように次の音に繋げます。音が伸びるのをイメージして 少し圧を掛けても良いでしょう。音に合った身体の動きと奏法タッチを探します。 歌の入口の手前、オーケストラはritで。ソリストが入りオケは伴奏=ppになります。 歌手のようにアポジャトゥーラを使ったり三連符も固まらず曲線的な表現で。 実際に歌ったりと楽しみながら弾いてみましょう。

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#145 シューマン=リスト 「献呈」

今回は献呈の4回目、コーダを見てみましょう。 安定した三連符の伴奏の合間を縫ってメロディーが入る部分です。 右手は盛り上がっても旋律的に。音楽的な意図による音の増減など 即興的な要素を入れてもよいでしょう。自由なタイミングで波を作ります。 和音の伴奏部も一部右手で弾くなどボリュームをキープしてヴィルトゥオーゾで。 アルペジオは大きくブレーキを掛けます。最後のシューベルトの「アヴェマリア」のテーマはシューマンにとってのマリア様=クララに捧げるように祈りを込めて。

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