#208 グリーグ 抒情小品集「春に寄す」(4)

今日は3pページ目の下の段から曲の最後まで見てみましょう。 fのアクセントからdecしてpへ、そのあとcrescと細かい強弱を意識します。 左手の裏拍のアクセントとcresc、decなど強弱やタイミングなど3小節の中の細かい豊かな指示を曲の気分を感じながら、こだわりをもって表現しましょう。 無意識に弾くのではなく左の伴奏も和声を感じながら旋律的にレガートで。 ffとcrescの後盛り上がるかと思えば急にpになり曲は幻想的に終わります。 2段目2小節から和声はh→G→E D→fisと3度の関係で変化しています。 リストなどロマン派に見られる3度変化の和声進行は幻想的な味わいです。 ハリーポッターの不思議な感じの音楽でも同じような進行が聴こえます。 エンディングのジャズ風な面白い和音を経由して最後の和音に着きます。 少し戻り4拍目フェルマータは休むように時間を取って急がず、ffでは大きくcrescした後たっぷり待って期待させ→意外な展開の和音は絶妙なタイミングで。 雰囲気を感じること、クライマックスを作る事が大切です。 最後近くの左アルペジオは5321指で時間かけて登りペダルはゆっくり離して。 次の和音はラレを25に変えレだけ残しドに繋ぎやすいポジションへ移って。 レ♯レドをレガートにするためペダル踏み替えるタイミングにも注意します。 少し戻って長いアルペジオはワンペダルでdimとritしながら消えて行きます。 次のffの和音はトッカータのように急に荒々しく→とても優しくなります。 曲の最後の部分はグリーグがテンポ感がない世界を描いています。 色々な演奏を聴いてこだわって自分の曲のイメージを磨いていきましょう。

続きを見る »

#207 グリーグ 抒情小品集「春に寄す」(3)

前回からの続きで2ページ目の下の段から見てみましょう。 fffの部分から始めのテーマに戻る所はたっぷり待って落ち着いてから。 大きな音量からpへの切り替わりはに心身脱力できる時間を取ります。 寒いノルウェーに春がやってきた喜びを感じましょう。 オクターブはインパクトを和らげるために軽く手首を回してバラします。 右手伴奏の重音連打は控えめな音量で鍵盤を上まで離さず半分の位置から。 左手アルペジオはゆっくり→速く→ゆっくりのルバートで膨らまします。 強弱よりルバートを優先すれば弾き易く、音楽も柔らかく流れ出します。 オクターブで遅くなったらそのあと少し速くしてテンポを戻しましょう。 音楽が重くならないようルバートは遅く→速くを組合せて波を作ります。 手の向きは時計に見立てて上の音を出すには2時、下の音は10時の方向に向かえば 気持ちよく脱力できて立体的な音のバランスが得られます。ワンフレーズ繰り返し止まらないで弾く「ループ練習」でタッチ、テンポ、強弱、タイミング、脱力、まず一つに集中し、次の段階で2つ以上の要素を組み合わせていきます。 繰り返しながら情景や香り、ストーリーなど曲のイメージにも触れましょう。 溜めて弾くタイミング、音色の変化も意識してグリーグの世界を描きましょう。

続きを見る »

#206 グリーグ 抒情小品集「春に寄す」(2)

前回からの続きで1ページの下の段から2ページ目を見てみましょう。 明るくなった音楽が一気に影って段々クライマックスに近づいて行きます。 右の連打は明るい響きから→上半身の体重をかけるように重さを乗せて。 左右とも旋律は指を独立させずにスライドできる指使いでレガートに。 poco a poco strettoは少しづつ速く、更にテンポを上げて行きましょう。 フレーズをレガートで弾くことに慣れていればテンポアップも容易にできます。 ラファソミは右5453 左1213がスムーズです。和音連打の伴奏は最低限の音で鍵盤を上まで離さずにハーフキーで音楽が盛り上がっても旋律とのバランスを保ちます。 3拍子から4拍子に変わる=ヘミオラの緊張感も意識しましょう。 力強いオクターブのメロディーの箇所も伴奏は独立した連打でなく震える様に。 動きを持って拍を感じて、ffだけは伴奏も重いタッチで拍感の違いを意識。 音のバランスは三段三様の強弱で。旋律は鳴らし和音の連打は膨らみを作って。 タイミングは連打を4グループに分け、最初と最後は遅く、その間の音は速く。 強弱、タイミング、タッチ、動きを1つずつ別々に取り上げて練習します。 長調に戻る前のc#は音量が減って行くのを聴き違和感なくテーマに繋いで。 頭で弾くより耳を使って響きを聴きながら音楽を感じて楽しみましょう。

続きを見る »