#263 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (4)

今回はラフマニノフの前奏曲作品23の4の最後の部分です。 4つの層を良く聞きます。右手のテーマは歌いましょう。 上の伴奏は軽く鳴らします。左手伴奏はバスとテノールの2声です。 激しいクライマックスのあと優しい雰囲気が戻ってくるところです。 練習方法の1つはソプラノの伴奏なしでテーマに集中すること。 2拍づつ、1→2拍目と3→1拍目を練習するとスムーズに繋がります。 声部のバランスをよく考えながら。最後はアルペジオの順番です。 最後の音を左に合わせて左、右、右、左右といった具合です。 2段目の大きなアルペジオは左-左-右-右-右-右-左右の順番で。 同じように1段目の1小節目は左-右-右-右-左右と合わせます。 右手だけテーマとソプラノの伴奏をバランスを聴く練習も大事。 左もバスとテノールの伴奏を聴き分けペダルのタイミングを確認。 練習は旋律を美しく弾くことは考えずに脱力と声部に集中します。 慣れたらペダルを入れてテーマと他の声部を客観的に聴きながら。 左手は難しいので指遣いを工夫しましょう。 テノールが入る前に待つか又は最初の音を長めにとって弾き易く。 大きなクライマックスの後、最後のクレッシェンドが出てきます。 その前から強弱を調整し綺麗な音を引き立たせ終わりに向かって。 低音が多いのでペダルはよく踏み替えて濁らないよう注意。 エンディングは長すぎないよう流れを作りritしたらテンポ戻して。 最後は少し加速してcrescで階段を登り→ppで優しく終わります。 声部の層とルバートを感じながらラフマニノフを弾いてみて下さい。

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#262 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (3)

ラフマニノフのプレリュードは2p目下の段から3p目を見てみます。 音楽はフレーズを波と感じフレーズの合間はリラックスしながら進んで。 ペダルなしできれいに弾くよりも脱力を意識して左の三連符を練習。 左右の3:2を硬く感じないでフレーズの終わりはゆっくりします。 アルペジオは最後の(4つ目)の音を左に合わせて弾きましょう。 mfでテヌートを出し強弱は+−で。船のイメージで揺れを感じ取って。 左ミーシの大きなアルペジオはまず左ミ→右ソシミ→左右同時にミシ。 アルペジオはゆっくり考え、突っ込んで行ったり速く弾こうとしないで。 クライマックスは一気に盛り上がらずにff向かってpーmfから徐々に。 バスのラインを耳で追うことで音楽を理解し記憶を安定させます。 右のテヌートでクレッシェンドを重ねて行く所も作曲家の意図を見て。 和音もフレーズも急がず脱力を心がけることが大切です。 クライマックスは2つの音をdownーupで力の抜きやすい奏法を意識します。 重さを感じて鍵盤の中に沈み込んで休む、と考えると脱力を意識できます。 力を入れようとするのではなく重さを使ったボリュームを柔らかい音で。 上から落とすと大きなインパクトのある音を出すことができます。 右手は和音の形を手で覚えて間違っても縮こまらず上から落とし脱力で。 練習はまず和音の形を作った手を鍵盤に置いて上から落として。 波型の左手をスムーズに弾くことも右手の旋律が乗れるのに大切です。 左のミミ♭レは濁らないようにペダル外して右手は指で押さえて音を繋げて。 音楽的には前の2ページ目が一番難しく最も盛り上がるのが3ページです。 来週はこのページ下の段から最後のページを見て行きます。

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#261 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (2)

ラフマニノフのプレリュードの2p目は音楽を3つの層で考えます。 下の層は左手のp伴奏、右手は2つの層=伴奏と旋律をうけもちます。 まず左手と右の伴奏部が2(チョーフ):3(ミタカ)になるのを確認します。 ロシアの音楽は伴奏の響きを豊かに。右手は旋律を伴奏から独立させて。 止まらずに繰り返す「ループ練習」でバランスを掴みましょう。 旋律のテーマをレガートで歌えるように伴奏は軽くpで。4:3:2意識。 ペダルなしで3声の入るタイミングをよく聞き確かめながら弾きます。 旋律が伴奏に埋もれないようにまずは声に出して歌いながら弾いて。 fでテンポをupした後はバランスを取って思い切りゆっくりpで。 テンポはルバートで自由に速い→遅いを繰り返し伸び縮みさせます。 上の伴奏はあまり遠慮しすぎずにcresc.したり溜めたり自由に。 2っ段目はリズミカルに感じ盛り上がる部分は伴奏も厚い響きで。 3段目の最後のpは重く深い響きを求めてから一気にクライマックスへ。 dimで段々軽くなりritして→次の動きのあるパートへつながります。

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#260 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (1)

美しく少し難しいラフマニノフの作品を1pずつ見て行きましょう。 伴奏は左手だけで弾いても、両手を使ってもいいでしょう。 一小節目から右手で伴奏を取り、旋律が出て来ても右手内側の指は伴奏。 高めの音域伴奏音を基本的に右手で取ることに徐々に慣れましょう。 この曲に関してはこのように始めから指を決める方向です。 響きを作ることが大事です。脱力しながら身体の動きを考えて。 リラックスしながら響きをよく聴いてルバートを意識します。 右手を独立させる=旋律部と伴奏部の音のバランスだけではありません。 メロディーのラインを繋げる為に伴奏は短く軽く違った弾き方で練習。 旋律は音を一つずつ歌うトーンで繋げて伴奏と完全に分離させます。 メロディーの繋がりがよく聴こえてくるとタイミングを自由に選べます。 伴奏に押されずに旋律の前の音が次の音のタイミングを決める感覚です。 慣れたらペダルを入れて、伴奏より旋律に集中が行くように。 ロシアの音楽は伴奏を小さく弾くより響きをうまくブレンドさせて。 ラフマニノフは強弱の指示が多いですが自分からもコントラスト作って。 4:3のタイミングは工夫しますがピッタリ入る事が目標ではありません。 美しく和音の変わるソーファ♯の付点のリズムは大きくdimで強調。 大きなクレッシェンドはritが長過ぎて重くならないように注意します。 たっぷり溜めたあとは先へ動いてバランスを保ちましょう。 旋律の独立と強弱、表現のほか雰囲気を掴んで即興的に感じる事が大切。 響きを作って奏でてみましょう。

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