水曜日, 2024/04/24 3:58

レッスンビデオ

#151 モンポウ 内なる印象「5.悲しい鳥」

美しくスペイン風でモダンな響きをもつモンポウ作品を弾く2回目です。 鳥の鳴声を表すモチーフはクラシック作品でよく扱われ、スピリチュアルで 宗教的な意味合いを持つ「鳥」が曲のテーマになることも多いです。 拍子を掴むよりも音をよく聴くために止まったり柔軟なテンポで。他にも 和音をバラしたりaccel.でテンポに勢いがついた後大きくrit.して自由に弾きます。 呼びかけやエコーのように遠くで聴こえる鳥の声は音色やタイミングを変化させて 表しましょう。音で世界を描く空想力が大切です。次の音を焦って弾くのではなくたっぷり時間を掛けて和音の色を味わって、最後は消えて行くように。

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#150 モンポウ 内なる印象「1.悲歌」

美しいスペインらしい要素に溢れ、即興的なモダンな響きをもつ作品です。 クラシック音楽とは違ってテンポも自由に即興的に弾けると良いです。 和音はモンポウ自身もアルペジオでバラして弾いています。poco rit.が多く現れますが柔軟なリズムで拍子を感じさせないように。強弱の大きなコントラストや、タッチを変えて音色を変化させます。力のある最初の2つのフレーズと違って3つ目はテンポや強弱を落として切なさを表します。最後のフレーズは手が届かない場合は左右の指の使い方を工夫しましょう。最後はレガートにする為のペダルも使って大きくritして重さを載せて深い音色で悲しさを表現してみましょう。

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#149 ブラームス 幻想曲集 第6番「間奏曲」op.116

ブラームスのピアノ曲を代表する後期作品です。2回目は中間部、出だしからの重く暗い雰囲気がガラッと変わって天国、夢の世界、浮かんでいるような幻想的なトーンになります。思い出、懐かしさといった手の届かない悲しみが心に響きます。 8分音符と4部音符の音型は明るいスタッカートではなくため息のように。 fは「激しさ」より「悔しさ」など複雑な感情を深味のある音で表現します。 ソプラノとテノールの旋律はまずよく聴いて会話をイメージして。両声部が同じメロディー(=言葉)を語っている所、音が変わる所は話す内容も変化して…具体的な言葉で考えても良いでしょう。 ペダルは幻想的な雰囲気を作る為に濁らないポイントまで長く使って踏替えます。 元のテーマが戻る時にはテンポもゆっくりに動機を少し強調して美しい夢が終わって重い現実が戻ったことを感じさせます。最後のsfは辛さを表して、pp→ソステヌートは一見終わりかと思いますが最後の力を使って美しいEdurの和音に導きます。終わりのfは実際の音量より感じることを強く、深くというイメージで。 深みのあるバスライン、太い内声と消えていくソプラノで立体感を作ります。 ブラームスが深い人生を回顧するような心の声が音で綴られた素晴らしい後期作品を是非弾いてみて下さい。

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#148 ブラームス 幻想曲集 第6番「間奏曲」op.116

ブラームス作曲 7つの幻想曲 作品116 より 6番 ① ブラームスらしい深く神秘的な響きと和声感、宗教的なコラールのスタイルが現れる後期作品です。ダークな色調の和音は力ではなく重さを使って中に沈み込むように。音楽は歌わずに縦(和音)の動きに集中して真面目な雰囲気で。フレーズ感は時々現れる内声のレガートで表します。対照的な明るい響きは下から上の指のタッチに変えて。左手の動きのある部分は安定感を保てるよう動きの少ない指使いで。 ffはいい響きを作るため肩や背中、腰から出して打鍵後はすぐに脱力します。 大きな和音は堂々とゆっくりバラして大丈夫です。ペダルで濁らないよう指を残して踏み替えてレガートで。他のロマン派の作曲家とは異なるブラームスの音(=言葉)を意識しましょう。

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#147 ヘンデル 「ラルゴ」

1ページ目の後半から2ページを見て行きましょう。 オペラのアリアの編曲版なので原曲を聴いてから少し音を加えてみます。 前回に続きペダルをよく踏み替えて、柔らかく歌い、更に自然に歌が流れるように アレンジを加えています。和声も同様に味わい深くなるよう義終止にしたりと 和音に変化を与えましょう。 ソプラノは旋律的に歌って、暗いバス、掛け合いのアルト等それぞれの方向とバランスを良く聴きましょう。意識しましょう。強弱は巾広く。 起伏や緊張感を作るためフェルマータのように長く伸ばしたり、オーケストラの伴奏のように急にボリュームを上げたり、オペラのようにドラマチックに弾きます。 曲の最後は気品を保って少しdim気味に終わります。

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#146 ヘンデル 「ラルゴ」

原曲はオペラのアリア「オンブラ・マイ・フ」です。 別の作曲家によるメロディーを用いてヘンデルが作り直しました。 カウンターテナーによって歌われる美しい旋律を持つ名曲です。 ピアノでもオーケストラと歌の部分を区別して弾きましょう。 長い音は歌うように次の音に繋げます。音が伸びるのをイメージして 少し圧を掛けても良いでしょう。音に合った身体の動きと奏法タッチを探します。 歌の入口の手前、オーケストラはritで。ソリストが入りオケは伴奏=ppになります。 歌手のようにアポジャトゥーラを使ったり三連符も固まらず曲線的な表現で。 実際に歌ったりと楽しみながら弾いてみましょう。

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#145 シューマン=リスト 「献呈」

今回は献呈の4回目、コーダを見てみましょう。 安定した三連符の伴奏の合間を縫ってメロディーが入る部分です。 右手は盛り上がっても旋律的に。音楽的な意図による音の増減など 即興的な要素を入れてもよいでしょう。自由なタイミングで波を作ります。 和音の伴奏部も一部右手で弾くなどボリュームをキープしてヴィルトゥオーゾで。 アルペジオは大きくブレーキを掛けます。最後のシューベルトの「アヴェマリア」のテーマはシューマンにとってのマリア様=クララに捧げるように祈りを込めて。

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#144 シューマン=リスト 「献呈」

今回は献呈の3回目、中間部の後からレッスンです。 右手の高音部のメロディー、交差する左手のアルペジオと伴奏の3つの要素から成る複雑な部分。音量のバランスとリズムを考えながら3つそれぞれ違うタッチで。 分散和音、アルペジオ型の間奏は指を柔軟に上げて軽く、アクセントで安定させながら自分のタイミングと強弱で弾きます。 次のテーマが左右の手に分かれて出て来る部分はよく聴こえるか耳で確認します。 最後のページも左右に表れるテーマを強調するように。 あとはタイミングを8分音符、4分音符の違いを意識的に練習しましょう。 脱力したフォルテのバスで音楽のクライマックスを盛り立てて。

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#143 シューマン=リスト 「献呈」

今回は献呈の2回目、2-3ページ目のレッスンです。 まず2p目は変奏:テーマが左手に現れ右手が伴奏を受け持ちボリューム感が増します 左右バランスを保つ練習の為に、右手の伴奏はスタッカートで付点をリズム良く。 また左右それぞれ異なるタッチを意識します。 左メロディーはタイミングを大切に良く歌って。 連打は同じ指使いが音のコントロールが効きやすくお勧めです。 保持したい音はハーフペダルで。間奏leggieroは軽くaccel.気味にdim.に導きます。 美しく落ち着いたE-durの中間部の入口は歌詞の「安らぎ」の通りテンポを下げて それまでのlebhaftー生き生きとしたイメージを変化させます。 伴奏の連打は抑えてメロディーに合わせて自由に動きましょう。 左手の対旋律も美しいバランスで歌わせて。

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#142 シューマン=リスト 「献呈」

今回はリクエストいただいた曲のレッスンです。 原曲はシューマンが妻となるクララに捧げた歌曲集「ミルテの花」の第一曲です。 言葉がそのまま音で表現される技法を「ワードペインティング」と呼びます。 リュッケルト作のロマンティックな詩(歌詞)を意識して演奏しましょう。 例えば「あなた」「浮かぶ」「永遠」等の言葉は強弱やアクセントを用いて細かく表現します。 最初の3小節のイントロはバランス良い立体感で。メロディーは入口から優しく。 歌曲のようにメロディーと伴奏部の差をつけて、強弱は豊かに。 余裕を感じられるようテンポはゆっくり自分のペースをつかむ練習します。

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