抒情小曲集「昔々」の続き、テンポの速い民族舞踊の部分を学びます。 生き生きと、付点2分音符が前の部の4分音符の速さになる2倍速テンポです。 「飛び跳ねる舞踊」のイメージで表記のとおりに。左は5度で鳴る民族楽器。 アルトは打楽器のようにリズムを取って。緑の印は少しテンポを緩めて。 右手の連打のリズムはアクセントとテヌートで足音を踏み鳴らすように。 ppとありますが強弱変化とタイミングでリズムを柔軟に感じましょう。 ペダルは伴奏に合わせて踏み替え、濁らないよう離すタイミングに注意。 タイミング、アクセント、強弱、ペダルを好みに合わせて組み合わせて。 H-durへの転調は少し大きな強弱と勢いで表して後の表現は同じように。 調性はe-mollで始まりE-dur→5度上のH-dur→5度+半音下のes-moll→ 5度上のb -moll →5度上のf-moll→5度上のc -mollへ。 和音はI-IV-I-V と進み、Vを短調にした和音がIになる短調へ転調しています。 全て5度の関係で転調している事を知れば曲の理解に役立ちます。 調によって優しく、明るく、鋭くなど響きを変化させ最後は必ず小さく。 クレッシェンドして山場に近づき、ヘミオラのリズムで更に盛り上がります。 123-123のリズムが12-12-12と下から上の活発なタッチでritしながら。 この先はdownで重いタッチで、左手2拍目にアクセントで民族調に。 この転調部はゆっくりテンポを落として強弱も一緒に練習しましょう。 歌に戻って行く部分は段々テンポと勢いを落として。 曲を通して民謡と舞踊のコントラストを表現しましょう。
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#234 グリーグ 抒情小曲集「昔々」(1)
抒情小曲集の60番目の曲「昔々」を学びます。 ゆっくり民謡の部分と中間のテンポの速い民族舞踊の部分で成り立っています。 今回は民謡の部分です。8分と16分音符の付点のリズムをよく感じて弾きます。 ゆるい3連音符にならないように緊張感を保ち鋭い付点のリズムを取ります。 パパパパと口ずさみながら、又16分と8分音符の部分を滑らかに繋ぐ練習も可。 16分音符をショートs、8分音符をロングLと考えsLsLとスイングを感じながら。 弾きながらどのようなリズムの性質かー真面目風かスイングかー意識しましょう。 脱力も大切です。ペダルを踏んで教会の中の賛美歌、コラールの響きのように。 この民謡の部分は2小節を1フレーズで。民謡には完全5度が多く登場します。 バロック時代はご法度だった平行5度ですがその前、中世では多く使われました。 古く素朴な響きの5度はマズルカや農民の舞踊ミュゼット、ブーレにも多いです。 最初の音をsfでインパクトを与え→pで。その後crescとdecでフレーズを纏めて。 2番目のフレーズは少し違った香り。3小節目で昔々を思い出すように。 2段目の左手の旋律は豊かに歌って。右手を軽くして左に集中しましょう。 f♯-g-f♯-fと右手のアルトも出して歌うソプラノとのバランスを工夫します。 animatoは勇ましくfでテンポを上げて。短前打音f♯はバラして強調し民族的に。 作曲家が装飾音を使ってどのような効果を狙っていたか探します。 右手のアルトや左のテノールなど声部をバランスよく。dimとritして。 大きな和音はアルペジオでとります。左手の音程の広い部分も同じように。 繰り返し2回目は大きくritしながらも付点は緩くならずに意識して3:1をキープ。 来週はダンスの部分を学びます。
続きを見る »#233 グリーグ 抒情小曲集「アリエッタ」(2)
抒情小曲集の第1集の1曲目、アリエッタを学ぶ2回目です。 まずは強弱を考えずに音を抜いて主要な音で輪郭を取ります。 フレーズの終わりはデクレッシェンドとrit、伴奏も旋律と同じ様に膨らまして。 1回目より2回目は強弱を減らしましょう。2段目も同様に2回目はエコーの様に。 スタッカートは鋭くなりすぎずに軽く。ミ・ミーレレードのように2音繋ぎます。 ミーレなど指は5-4でもいいですが5-5と同じ指でスライドさせても。回す動きで。 2音は重くならず大ー小。2回目は左手の伴奏からテノールのラシドシの旋律を強調。 3段目はペダルに注意。ファの上で踏んでいたペダルを後半離して響きを変えます。 雰囲気が変わって魔法のような瞬間です。次のレも同じ瞬間を聴いて。 クレッシェンドとデクレッシェンド、強弱も組み合わせましょう。 手首は柔らかく回す動き。レファーミも和音も手首を回して柔らかい音色で。 和音の左手は長い音を保持できるよう5-3指でレガートで。右は415がスムーズです。 down-upと回す動きで音を繋ぎます。先の伴奏は4つの和音にして変化を聴いて。 次はアルペジオに戻してテンポをキープしながら繰り返し弾きましょう。 下の段は3段目と同じペダル使い。最後は小さなcresc→dimとritで消えていきます。 3段目1小節、最後から3つ目ののペダルは一回踏み替えを増やして。 耳をよく使ってペダルに集中して弾いてみましょう。
続きを見る »#232 グリーグ 抒情小曲集「アリエッタ」(1)
抒情小曲集の第1集の1曲目、アリエッタを学びます。 メロディーを歌って連打を旋律的に弾きながら豊かな表現を目指します。 シンプルな曲を美しく仕上げるのはなかなか難しい事です。 ①メロディーと和声を合わせて練習②バスの旋律と伴奏の16分音符を合わせて ③メロディーをレガートしながら伴奏はスタッカートという練習ポイントを意識。 タッチは「押す」と「回す」の組み合わせ。手首を回しながら鍵盤を奥に押す様に。 鍵盤を下へ重く感じるのでなく、柔らかい回す動きの中で。 まず左の和音を掴むことが大切。和音と旋律の関係を聴く為に音を抜いても可。 始めは細部に拘らずに曲の輪郭や構成を理解する方向で。旋律の方向も確認。 フレーズの終りは自然に。森の中で色々な木に気付く様に和声の変化を観察して。 緊張感のある和音はびっくり表して。ファ♯がソに解決する瞬間を聴きましょう。 練習の最初の段階から曲の美しさに気づくことが大切です。 バスと16分音符の伴奏は動きを掴みながら音を聴いて。次はバスと伴奏です。 全て合わせて弾く時はテンポ落として。止まりながら立体感をよく聴いて。 右を歌う練習はメロディー以外をスタッカートで差をつけて練習しましょう。 メンデルスゾーン甘い思い出、ショパン別れの曲、月光ソナタと同じ要領で。 次回は表現やペダリングなどを見て行きましょう。
続きを見る »#231 バッハ 前奏曲 no.13 (2)
バッハ平均律13番のプレリュードの2ページ目を見てみましょう。 17小節は神秘的、23小節はドラマチックと曲の後半は表現が豊かです。 続けて24小節は明るく、26小節で暗く、28小節は希望、最後は明るく。 様々な表情を見せます。gis−durは神秘的な雰囲気を持つ調です。 曲は明るく始まり中間のaisは幻想的なp-ppで表し、先はクレッシェンド。 一気にfに持っていき、デクレッシェンドとクレッシェンドを繰り返して。 最後はpからfの少し手前、明るいmfまで盛り上げて終わります。 2段目のクレッシェンドはテンポを少し落として。 前回同様、左は4つの音を一つのグループでフレーズを感じ取って。 右は透明感のある音色を意識してペダルを使う時は踏み替えに注意。 和音の響きの変わり目をよく聴くためタイミングは急がずに待ちます。 25小節からは特に3つ目の音を大切に上腕から圧をかけるように。 この奏法で28小節は踏み替えなくワンペダルでバスは明るい音を作って。 最後は明るく終わりたいのでスタッカートと音色を工夫しましょう。 新しい始まりのイメージと3つ目の音が大切なリズムの面白さを味わいましょう。
続きを見る »#230 バッハ 前奏曲 no.13 (1)
バッハ平均律のプレリュードを学ぶ2曲目は13番です。 平均律クラヴィーア曲集の後半の始めの曲になります。 前半の最後、12番が暗いfーmollから少し光が差した所で終わりました。 13番は新しい始まり、春、新しい命を感じられる生き生きと明るい曲です。 奏法のビデオのD -durプレリュードと同じ部分、また違いもあります。 123、123 と16分音符を一拍目に強拍を感じてベースを作りましょう。 次の段階では3拍を一拍で取って、1-2-3-4と1小節を4拍子で感じて。 拍の強さは強-弱-中-次(アウフタクト)と、奏法ビデオでも学びました。 でも表現の段階では必ずしも当てはまるわけでなく弱拍が強拍になる事も。 2-3、7-8小節など場所により3拍目が強拍になり面白い感じになります。 始めは3拍目にアクセントをつけて、次は強調した3拍目同士をレガートで。 シラソファミレドの下降音階を繋いで行く要領で。次はラシドレミと上昇。 このように3拍目を繋ぎながら滑らかに長いフレーズを作って行きます。 ペダルは3つ目の音の上で踏み替え、少し勢いを感じ命、明るさを表して。 野原で子羊が遊んでいるようなイメージで表現しましょう。 トリルは上から3つ目又は4つ目の音のあたりまで。 左も旋律的に4音、4音、4音、6音をワンフレーズで感じましょう。 fis-durはバロックにはない調性で更に黒鍵のgis ais cis disに転調します。 5音あわせるとペンタトニックスケールです。12小節のトリルは短めに。 生き生きと明るいイメージのトーンで演奏してみましょう。
続きを見る »#229 バッハ 前奏曲 no.9 (2)
今月はバッハ平均律のプレリュードを2曲学びます。今回は9番の後半です。 レガートを中心に見ていきましょう。厳密に言えば音を重ねて弾く事です。 一つの音を次の音を出した後も伸ばします。ミーソーシと3つ重ねても可。 指でレガートを繋げます。1指だけ残して和声的に弾くのも良いです。 レガート感とは実際に音が繋がっていなくてもレガートに感じる事です。 離れている2音の間は音程を大切に弾くイメージで。 始めからレガートで練習しましょう。指スライドでもレガートを作れます。 +と-で表した所は-をレガートで。バラして弾くとレガートを作り易いです。 場所によりスタッカートで軽くあっさりさせてバランスを保ちましょう。 2p目もレガートに集中します。アルトの声部を良く聴いて。 左バスは進む→待つを繰返して波を作って。16分音符の右より左がリード。 16分音符は手首を小幅で上下させて。技術的に聴こえない様左レガートで。 a-durのは明るく軽い調子で。スタッカートも用いれば生き生きとした印象。 V→IでなくVIに行くのが偽終止。最後はアルトからテノールへ繋いで。 最後の和音はアルペジオでゆっくりと。e-durの優しさとa-durの華やかさ、途中に現れるfis-moll の性質の違いも味わいながら弾いてみましょう。
続きを見る »#228 バッハ 前奏曲 no.9 (1)
今月はバッハ平均律のプレリュードを2曲学びます。今回は9番前半です。 3度で上がる主題はクレッシェンド感じ、バスも同じように従って。 クレッシェンド、デクレッシェンドはプラスとマイナスで感じます。 この曲の明るい音は下から上に立ち上がるタッチで表しましょう。 逆に手首を下げて弾くと落ち着いた真面目なトーンになります。 フレーズがクレッシェンドに向かう時は手首を上げるように。 旋律が下がる時のレガートは下にスライド、手前にひっぱって。 右手のため息のモチーフも同じように2音を一度引っ張る動きの中で。 指で歌う事も大切です。右は歌に慣れていますが左手のバスも旋律的に。 片手で練習して音と音の間を歌う気持ちで伸ばします。 左にテノールの声部が出る部分はバスとのポリフォニーを聴いて。 長い音は特に歌って豊かな響きをキープしながら2声の行方を追って。 両声部を別々に弾いたり、実際声に出して歌ってみたりと旋律的に。 和音は時にはフランス語で壊す、ばらすという意味のスティルブリゼで。 バロックではスタッカートなどアーティキュレーションは弾き手次第。 1p目後半で短調が聴こえて音楽が濃くなりがちな場所はスタッカートで。 スタッカートを使うと明るい印象に。2p目の主題の表現の変化にも。 クレッシェンドの表示は音楽の減衰防止のために表示しています。 調は今どの調にいるか意識する為に念のため書き込みます。 トリルはドレドが弾きやすいですがバロックは普通レドレドと上から。 静止して上から弾くと硬いので左手から出る身体の動きの流れで。 4小節の装飾はドレミレミレミレミレ〜と下から引っ掛けて長めに。 左手クレッシェンドで入り長い音はよく歌って存在感を意識します。 強弱はプラスマイナスで急なアクセントがつかないように注意して。 フレーズ最後でゆっくりになったら次はテンポを戻して。 ドラマティックな音は感情を表すよりよく和声の緊張感を聴いて。 ペダルは浅く踏み、離す方に意識を持って。ペダルなしの練習も良いです。
続きを見る »#227 チャイコフスキー「四季」より1月 (4)
チャイコフスキーの四季「1月」の最終回は最後まで見て行きます。 5ページは第1-2回の復習で、6ページ2段目〜の新しい部分を見ます。 2段目から波を作り3小節目が山。右のフレーズを左が追いかけます。 右ラのフォルテのオクターブと左のカノンは絶妙なバランスで。 和音がどの音が加わることによりどの瞬間で変化するか良く聞きます。 チャイコフスキーのマジックを感じてファソラーミは毎回音量減らして。 曲のコーダ部分の仕上げこだわりましょう。 弦楽器やホルン、オーケストラの楽器の音色を意識して表情豊かに。 ある声部や特定の音を出したりしながら色々なバランスを試します。 テンポも自由に感じブレーキかけたりritにすると同時に拍感も大切に。 アルペジオ部分はルバートする前に一度8分音符のリズムで感じてから。 ペダルも後から加えますが、3拍目で上げてラだけ残るペダリングで。 最後の3つの音は「月の光」の様な光る音色を下から上の奏法で出して。 ritで3つ目は長めに自然に。ペダルをゆっくりupして最後の一音が消えるまで雰囲気をキープして音楽を作ることを意識しましょう。
続きを見る »#226 チャイコフスキー「四季」より1月 (3)
チャイコフスキーの四季「1月」の中間部を見て行きましょう。 曲が幻想的な雰囲気に変化し、音楽が感情的に展開する部分です。 3p目、中間部の始めのモチーフはよく歌い指は554543でレガートで。 拍感を感じながら。16分音符は流れないように指先しっかり優雅な動き。 水など動きのあるものをイメージしましょう。 ヘミオラを感じるより3拍子で取って、音楽は3拍目に向かいます。 西欧の音楽は1拍目が強く、ロシア音楽ではフレーズ終りの拍が強いです。 メロディーと伴奏のバランスをよく聞いて軽く重さを感じないように。 左手から右手に送るように回し、左右の繋がり、流れを感じて軽く。 手首は柔らかく、独立した指ではなく腕の動きで16分音符を捉えて。 技術的に音楽を理解すれば楽に弾くことができます。 4p目〜もロシア人演奏家のアイディアを借りてアルペジオをつけて柔軟に。 音楽は先に行ったり止めたり自由なリズムで。 メロディー(f)とハーモニー(p)のバランス大切に。 16分音符の伴奏はルバートを波のように感じて弾きましょう。 休符を感じながら弾くタイミングをつかめると良いです。呼吸も意識。 2段目の最後は3拍目を意識。ヘミオラのリズムを改めて確認します。 テーマに戻る前は思い切ってritしてみましょう。
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