前回の続きで3段目から見て行きます。明るいF durから神秘的なAs -durへ。 現実からロマンチックで夢のような雰囲気に変わるのを聴きましょう。 2ページ目ではやはり3度の関係で少しダークな香りのDes-durが出てきます。 Asの大きな和音はタイミングこだわり急なppが楽器の特性が出て美しいです。 Fに戻る時はボリュームをアップして。ルバートで音を長く又はアルペジオ等。 右は真面目に捉えず雰囲気重視。左旋律レミファは2-1-1 、レミレド1-123で。 123456と6拍子で数えて2回目のみrit。mfからペダルは細かく踏替え注意。 下の段強弱は+ → − → + →− → +で。最後ritの時はデクレッシェンドします。 最後の小節の6拍目はフェルマータで少し待ってから次へ進みましょう。 次ページはmeno mosso表示のある楽譜もあり、ゆっくり弾くのも可能。 実際にテンポを落とした方が自然です。小フレーズもルバートで緩急つけて。 始めは左が旋律を弾きましたが中間部は右手が主役。単旋律を良く歌わせて。 左右で良い音量バランスを作りましょう。
続きを見る »レッスンビデオ
#248 アルベニス 「グラナダ」(1)
今月はスペインの香りたっぷりのアルベニスの作品を見て行きます。 響きの作り方、歌い方、ルバートのリズムをスペインらしく表現します。 「スペイン組曲」はそれぞれの地方の独特の舞踊やリズムが描かれています。 1曲目のグラナダはセレナーデ。窓辺でギターを鳴らし愛を告白する情景です。 冒頭のギターのイメージのアルペジオは手首を柔らかく自由に。 左手のメロディーもルバートで民族的な特徴のリズムを理解します。 レミレドはバスのファと同時に弾くよりも少しずらして。 第一音目は左手ファドラファを脱力して楽に。合わせるより感覚的に。 繰り返し弾いて音楽を掴むのが大切せす。リピートは2回目p-ppで。 強調する音を探しながらセレナーデ風を味わいます。 ペダルも細かく踏み替えて濁らない様に。まずゆっくり→流れを意識。 頭で理解するより身体で自由なリズムを感じながら2段を繰り返します。 スペインの香りを表す事、ルバートを感じる事と歌う事に集中しましょう。
続きを見る »#247 シューマン 森の情景「寂しい花」(4)
今回は2ページ目の3段目から最後の部分を見ていきます。 思い切りテンポを落として幻想的なエンディングへ向かいます。 まるで魔法のような瞬間を休符のテンションを使って表しましょう。 フェルマータで予測不可能な緊張感を作り出します。 1回目2-3段目のフレーズはテンポをキープしてシンプルに。 比べて、2回目3-4段目は更に美しくテンポ落として違いを味わって。 左手ミ-ミ♭、高いソプラノとテノールのレシドミを絶妙なバランスで。 耳を使い理想の声部のバランスを、押す/重み等奏法を使って探します。 一度テンポ上げて軽快さを取り戻し、ソプラノは目立ち過ぎずに。 単に旋律を出すよりアルト/テノールとの絡みやバランスを繊細に聴いて。 タイミングやペダルの使い方もこだわりましょう。 エンディングはアルペジオのファとソのタイミングに小さなアクセント。 不協和音シミ♭ラは少し際立たせて寂しさを表してから解決に導きます。 ペダルもよく考えて2度音程が濁らないようなタイミングで離します。 最後は下のバスからワンペダルで。簡単に聴こえて奥の深い曲です。 時にはこうして時間を掛けて小品を細かく学んでみましょう。
続きを見る »#246 シューマン 森の情景「寂しい花」(3)
今日は2ページ目の前半見ていきます。 前回の最後、感動する場所でテンポを落としました。 今回はそこからcrescしながら元のテンポに戻していきます。 声部バランスを考えながらペダルも使いテンポは少し押し引き。 ペダルは濁らないように音符ごとによく踏み替えましょう。 高いラ音は少し溜めてルバート。タイミングで大切さを表して。 2段目は新しい部分です。テンポを上げてmfでよく歌います。 アルトがソプラノの形を真似る間、ソプラノは独立した旋律です。 ソ-ドと大きな音程を持つテノールの旋律にも注目しましょう。 右手はソプラノを出すためにアルペジオで弾きます。 3段目はシンプルな曲想。右手は声部を分けず一つの和音として。 Cresc は小さくフレーズを膨らますイメージです。 crescと共に落ちてきたテンポを少し戻し、美しさをppで表して。 自然なエンディングに向かうようなテンポと強弱で。 ゆっくり時間を掛けてこだわっていい演奏を目指しましょう。
続きを見る »#245 シューマン 森の情景「寂しい花」(2)
前回からの続き、1ページ目の下の2段を見て行きます。 ゆっくりのペースで自分が好きな演奏を探して行きましょう。 前回はソプラノとアルトの旋律、バランスに着目しました。 ここからは左手の2つの声部を聴くのが大切になります。 テノールのレ-ミ-レ、バスのソ-ファ-ミ-ド-レ等意識します。 縦の和音を取るより、横に2声の旋律を辿って行きましょう。 次は右を合わせて3声を色々なバランスで試してみましょう。 場所によってどの声部を出すか、懐中電灯でどこを照らすか考えます。 次は上の2声部もよく聴いて美しさに感動しながらに味わいましょう。 バスとテノールの掛け合いも聴きながら。バスのシ♭は深く強調して。 4声のパートをそれぞれ分かってバランスよく歌い上げましょう。 タイミングは矢印の通り→先へ動いて、又は←溜めてrit気味に。 このテーマの終わりはアダージョのように大きくritしましょう。 次の4小節は曲中最も美しい場所です。上2声の掛け合い味わって。 バランス的にはソプラノを歌ってアルトは軽く影のように薄く。 ここは寂しい花=幻想的なイメージを持って弾くことが大切です。 出だしのテーマのシンプルさに比べ陰影がついて深みがあります。 演奏することを恐れたり抑え込まずに冒険のように試したり楽しんで弾きましょう。
続きを見る »#244 シューマン 森の情景「寂しい花」(1)
シンプルに見えて複雑な声部、和音を表現するのが難しい曲です。 短く技術的には易しいですが4回に分けてゆっくり丁寧に学んで行きます。 右手は2声:まずテーマがアルトに登場し2小節目でソプラノが加わります。 同時に2声を聴きましょう。3-4小節は逆転してソプラノがテーマです。 そのテーマの終わりの4小節にまたアルトでテーマが入ってきます。 縦に取ると不協和音が目立つのでなるべく声部=横のライン考えましょう。 音楽を理解することが大切です。アルトとソプラノ掛け合いをよく聴いて。 例えばアルト60%,ソプラノ40%など音量バランスをコントロールします。 ソプラノを強調したい時は手を右に傾け、アルトを出したい時は左に回して。 音量コントロールは少し大袈裟に練習します。まず50%づつからずらして。 縦で考えるのは不協和音が強すぎて音楽が分かりにくくなるので注意します。 左手の伴奏は始めはシンプルですが4段目に動きが出て複雑になります。 強弱は、よく歌うところ(S)、デクレッシェンド、クレッシェンドを 3段目はソプラノのファ-ミ-レ-ラ-ド-シを出して。主張したいなら少し溜めて。 表現するにはタイミングと強弱によるコントラストが大切です。 自分の好みで声部のコントロールを楽しみながら弾けると良いでしょう。
続きを見る »#243 ショパン ノクターン第8番 (4)
今月はショパンのノクターン8番を学ぶ最終回です。 クライマックスの後から最後までを見て行きます。 f→ppへコントラストを作り長い装飾的なパッセージは自由に。 練習ではまずはゆっくり左右を合わせて慣れたら自由に動かします。 左右の合わせやすい音を楽譜上に線で繋いでいます。 合わせ方は均等に4づつで合わせるより3-4-4-4-4-5だと弾き易いです。 付点の練習はLsss(長短短短)、sssL(短短短長)など変化させましょう。 手を脱力して手首から柔らかく回して弾きます。 旋律はソプラノですが3度下のアルトの声部の変化をよく聞きます。 con forzaの3:2は情熱的に。速くならないようテンポはコントロール。 始めにも出てきた嘆きの音型の後、また感情が盛り上がります。 ppのコーダのショパンらしい溜息はマジカルな美しさです。 幻想的な半音階は左1指のテノールを強調させて。強弱は<>で。 「雨だれ」や涙がこぼれる情景を思って。 ソプラノとアルトの絡みは2人の会話のように。最後は2声仲良く。 6度の上昇のタイミングはまず2-3-2 2-3-2で取り、その内自由に。 消えていくように。6度のフレーズ後ペダルは一度切って休符を意識。 バッハの影響でもある多声的な濃さを味わって弾いてみましょう。
続きを見る »#242 ショパン ノクターン第8番 (3)
今月はショパンのノクターンの3ページ目のクライマックス部を見ます。 同じ長調でも暗いdesから明るいAへの変化を意識しましょう。 音楽が盛り上がる前にまず明るく晴れたムードに変わります。 クライマックスは急に盛り上げずに少しづつ頂上へ向かうように。 fになったら少しブレーキをかけて冷静さを保ちコントロールして。 技術的に難しい箇所ですが音楽と一緒に盛り上がらず聴く事に集中します。 装飾音付きの6度の重音はまず下からバラすように弾くと簡単かつ素敵です。 マズルカ風の民族舞曲の香りを感じましょう。6度の1指は右回しで脱力。 手首は常に柔らかくして優しい音色。バスの響きで長いcrescを描いて。 左は1pで学んだ重み+回す奏法と同じ様に。左手だけ弾く事も大切です。 ソプラノを大事に→途中からアルトに意識を向けバランスいいデュエット。 次のページはブレーキを掛けて急がず時間をたっぷり取れるdownを意識。 ペダルなしの練習も重要。3:4やタイで繋がった複雑なリズムを確認して。 ピッタリ弾く事を目指す訳ではありませんが左右のリズムを分かるのが大切。 5連符は2と3、または3と2に分けて。左手の入るのは3と4の間です。 1段目の最後からテンポを落として、先へを何度も繰り返します。 大袈裟に溜めて練習すると本番で速くなっても音楽が丁度良くおさまります。 強弱も盛り上がり過ぎて天井にぶつからないよう毎回mfに戻って又cresc。 この箇所は左はバスとテノールもの旋律も良く聞いて。 3連符は3つでなく2つの音を1つの動きで回して取りましょう。 半音階の下降はレガートで手をスライドさせて。 テーマに戻る所の強弱表示は出版社によってもfff、p等様々です。 盛り上がりからffへ移行するのがスムーズですがpならdimします。 44はヘミオラで3拍子から2拍子また3拍子とリズムが変わります。 このリズムを利用して意識してブレーキをかけましょう。 曲中で最も難しい箇所ですが冷静に良く聴きながらアプローチしましょう。
続きを見る »#241 ショパン ノクターン第8番 (2)
今月はショパンのノクターン2p3段目から次のページを見て行きます。 前回はタッチや指先に集中しリズムを取る事を学びました。 今回は強弱とその変化が重要なポイント。手首を回す奏法学びます。 con forzaで強く→一気にpへ、を繰り返して、フレーズ末はsfで。 またpからアクセントを繰り返し、テーマはppに戻ります。 勇気を持って強弱を少し大袈裟に表し客観的に自分の音楽を聴きます。 響きを聴くために繰り返し何度も弾いて耳で確かめましょう。 身体はfでは前に圧をかけ、逆にp-ppは椅子に寄りかかるように後へ。 この時身体の動きも少しオーバーに。強弱は頭より身体の動きに任せて。 右オクターブは短め軽くタッチすれば余計な力が入らず脱力できます。 脱力のために手を外側へ回しラソラソ…のところはたっぷり時間とって。 ほとんど1pと同じですが、テーマの中の内声の旋律を強調しましょう。 6連符は542121で左手との3:2のリズムを感じながら弾きます。 次の部分は3つの音を1つの動きで最初の低い音を大切に柔軟な動き。 下から上へまた下へ戻り螺旋を描く要領で。難しい25は脱力で軽く。 1指だけ聴こえる感覚です。左手は2指に合わせますがルバートで。 4段目の前打音は拍に合わせましょう。この後音楽は明るく展開します。
続きを見る »#240 ショパン ノクターン第8番 (1)
今月はショパンの美しいけれど難しいノクターンを学んで行きます。 1pの前半でバランスと呼吸、後半で指先でリズムを取る事を学びます。 まずバランスは左バス=重く、他は柔らかく、右は引張ってよく歌って。 右手の引っ張るタッチは自分の方向へ掴む、握るような感覚です。 歌う旋律は連打でリラックスタイミングと音量をコントロールします。 連打は音の長さを意識するのに効果的です。指より響きに集中します。 それぞれ違ったタッチによるバランスを聴いて最高の響きを作ります。 左手バスは↓で重く、ハーモニーの部分は柔らかく回しましょう。 第一音目のレ♭は右手で弾いて、2段目のバスも場所により右手交差で。 これにより身体が自由になり楽になり見た目も曲に合うイメージです。 右の1音目ファは3指だと響きを作りやすく、あとで5に変えても可。 緑の矢印は手の動きを表します。ファは拍子通りより呼吸を感じてから。 4小節目のシ♭や5小節目のラも同じように溜めて。タイミングが命です。 少し大袈裟位に勇気を持ってルバートを弾いてみて後から調整します。 タイミングの練習はペダルを使わずに打鍵の瞬間を細かくチェック。 ペダルを使うと音の響きに集中が行ってしまうのであえて外します。 ペダルを入れる際は踏み替えに注意して濁らないように耳を使って。 moll部分はまず指先をリズムに集中させタッチが甘くならないように。 細かく鋭くリズムを刻む感覚です。指使いは自由。3:2のリズムも鋭く。 ミタカとチョウフを組合わせたミータフカでリズムを取ると簡単です。 斜線の入った「短前打音」は拍の前又は拍の上と変化させましょう。 ペダルを踏み替える場所で響きが変わるので離す回数は多めに。 ここもタイミング練習はペダルを外してリズムに集中します。 4:5のポイントは簡単にするために細かく分解しましょう。 慣れたらペダルを入れて、落ち着いたテンポの中でリズムに集中。 mollの後半はすぐ盛り上がらずpから段々時間をかけて山へ向います。 前半の穏やかなトーンが後半で嘆きに変わるのを表現してみましょう。
続きを見る »