レッスンビデオ

#222 C.P.E.バッハ 「ロンド」(2)

CPEバッハ作曲h-mollソナタ最終楽章のビューロー編曲版です。 バロックの響きの中に多くの装飾音など古典風の要素が聴こえます。 b moll→Gフォルテ→e少し音量を減らして和声の変化を表します。 短い動機を音を変えて進行するセクエンツ(反復進行)が聞こえます。 左手の和音も5度進行でポップスなどにもよく使われる手法です。 emollのp(-)でテンポが落ちているので次のフレーズでテンポup。 トリルは2-3指が簡単。ritして→a tempoでテーマに戻ります。 左手のフレーズは<>が大切。右メロディーはきれいに歌って。 左手の不協和音の悲しい気分を味わって、次のstringendoに向かって。 accelerandoはテンポupですがここは音楽の緊張感に集中します。 クライマックスのフォルテは手に重さを乗せて弾きましょう。

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#221 C.P.E.バッハ 「ロンド」(1)

バッハ息子のひとり、CPEバッハ作曲h-mollソナタ最終楽章を19Cに入り ドイツのビューローが編曲した「ロンド」を見ていきます。 シンプルな原曲の素敵なピアノ用アレンジです。 アンダンテは遅くなりすぎずに程よく 流れるテンポをキープしましょう。 カンタービレでよく歌って、フレーズ最後の音に向かって表情豊かに。 左の和音は半音階のバスの上に成り立った美しい和音を聴きましょう。 下降半音階の悲しい雰囲気を味わって。長いフレーズを4つに分けます。 左手テノールのメロディーは強調して。トリルは長めに段々ゆっくり。 3段目は各フレーズの終わりはゆっくり。左手も旋律的に表情豊かに。 3つ目のフレーズは可愛らしさが厳しさに変わります。 4段目はmfからcrescで歌って、最後のトリルはritして終わります。 歌うトーンは引張るタッチでシンプルな表現を愉しみながら弾きましょう。

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#220 ショパン ポロネーズ第1番(4)

中間部の後半をみて行きます。 この部分は珍しく左手を歌って出し右手は小さいバランスで弾きます。 練習では左手は単純にに大きく右手は弱く、強弱のみに集中しましょう。 左のタッチはノンレガートで重たく下へ。フレーズの終わりだけdec.して。 次はタイミングです。フレーズをゆっくり→速く→ゆっくり等意識します。 慣れたら強弱、タッチ、タイミングの3つを組み合わせ、仕上げはペダルで。 左手のメロディーはいつもより強弱など拡大してコントロールを練習。 左が段々旋律的に弾けるようになったら右ソプラノは嘆き、ため息の様に。 左にメロディーがある時は色々なバランスを作れることを楽しんで。 波を作りながらクライマックスに向かって行きます。 中間部の構成は1p目変ニ長調→2p目は左の短調の旋律→3p目は1pと同じ。 左手による旋律はチェロの様なダークな感情の弦楽器の音をイメージして。 あえてピアノでは表せないビブラートやmezza di voce <>のイメージを持って音の繋がりを意識しましょう。 こうしなければ…より、柔軟にショパン作品を表現する楽しさを感じて。 ショパンの直筆譜にはda capoは無かったので自分の解釈で弾きましょう。 強弱やタイミング、フレーズ感や舞曲のリズム、歌い方、個性などたくさんのことが勉強できるポロネーズです。是非弾いてみて下さい。

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#219 ショパン ポロネーズ第1番(3)

今回は中間部の前半にあたる4ページ目を見て行きましょう。 cis-mollから旋律的なDes-durに転調するのは雨だれの前奏曲と同じです。 Des-dur又はCis-durショパンの得意な幻想的な雰囲気の調です。 ソプラノ、バスと伴奏はそれぞれ音量に差をつけてバランスを作ります。 伴奏は膨らみを感じながらも基本的にpで、ソプラノはよく歌います。 タイミングはテンポをゆっくり→速く押し引きしながら進みましょう。 比べてアルトはpで弾いてバランス良く。片手でももう片方を想像しながら。 テンポはルバートでタイミングを大切に、自由に押し引きできると良いです。 時にはバスや内声を引き立たせて音楽を立体的に表現しましょう。 細かい音もタイミングにこだわりセンス溢れるショパン独特の和声を大切に。 和音をよく聴けば音色の変化の必要性が分かります。 フェルマータ付きの休符は長めに取って繊細な瞬間をわかりやすく表現して。 3拍子を2拍子で考えるヘミオラの3回のフレーズは頭にアクセントを感じて。 音楽の色々な可能性、アイディアを遠慮なく思い切って表して曲の雰囲気を伝えてみましょう。

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#218 ショパン ポロネーズ第1番(2)

前回の続きから3ページ目を見て行きましょう。 なるべくリズミカルに3回の上昇アルペジオのフレーズを技術的に捉えます。 各フレーズ=グループで和音が2つ、3つと考えてポジションの移動を意識。 和音を分散させて→段々ポジション移行の時間を減らして行きます。 指くぐりは手が傾くので避けて鍵盤に垂直に保てるポジション移動の奏法で。 軽く回すアクションを入れて、移動の抵抗を減らすため手は丸く小さく。 左の低いバス音は右のどの音符と合わせるかしっかり確認しましょう。 左右の合わせたい音でストップする練習が指の記憶のために効果的です。 技術的な練習はストレスにならないよう明るい気分を意識して。 ポジション移動のコントロールは鍵盤上のグループを落ち着いてよく見て。 アルペジオは流れてしまわないようリズム感を忘れずに拍を感じながら。 3回目の長いアルペジオは時間を取って。ペダルは踏み替えタイミング注意。 疲れた時には親指にアクセントをつけて弾きやすさを意識しましょう。 アルペジオは勢いで速く弾かずにゆっくり落着いて捉えると掴みやすいです。 3ページ目はポロネーズのリズムの後ペダルでH durのショパンの世界に移行。 始めは+から段々と−へ、装飾音は引っ張る奏法で美しく弾きましょう。 交差の部分の表現はfで力強くまたは優しく、異なる可能性を試し選びます。 トリルを<>でテーマに戻るときは自由にルバートを意識して。 中間部の前はritでゆっくり、たっぷり時間をかけて次への準備をします。

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#217 ショパン ポロネーズ第1番(1)

今4回に分けてショパンのポロネーズ第1番を見ていく1回目は1ページ目を学びます。 力強さと優しさのコントラスト、舞曲の要素などショパンらしさに溢れています。 個性のある表現を目指して技術的なことから見ていきましょう。 冒頭付点リズムの2音はfーpで、長いフレーズを6拍子で感じfからffに向かいます。 自然なタイミングで方向を感じることを大切に。3小節目の頭の減七和音はf fで強調。 冒頭テンションをつくった後→リラックス→アルペジオで再びテンションを作って。 ペダルも踏む/離す瞬間と長さを意識します。テーマは強弱とタイミングを分けます。 テーマの強弱は色々な解釈がありますがここではf→dec→cresc2つの山を作って。 まず強弱を掴む練習します。バスのオクターブはバラして響きを作りましょう。 タタタンタンのポロネーズのリズムはdec気味に左片手で練習、バスを強調して。 右はdecとcrescで伸び縮みさせたり、強弱は自由に感じて色々試しましょう。 次はタイミングです。ritとacclをバランスよく、徐々に強弱と組み合わせます。 スタッカートとレガートを左右それぞれ自由自在なアーティキュレーションで。 強弱は上下、タイミングは前後の動きと捉えて飛行機を操縦するように立体的に。 連打は同じ指、付点の3つの音は234を繰り返し最後は345で次フレーズに繋げて。 左の音程の広い和音はアルペジオです。右手の強弱は音量より+と−で考えます。 タイミングはルバートを経てテンポに戻るショパンらしさを意識しましょう。 ppの2:3は右のトリルを緩やかに自由に感じてritして幻想的な美しさを表します。 強弱、タイミング、ペダルとアーティキュレーション、まずは一つずつ集中してから→始めは強弱とタイミングの2つから組み合わせ→次はペダルを加えて練習します。 ペダルは特に離すタイミングを大切に。完璧を目指さずフィーリングで弾いてみましょう。

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#216 マスカーニ 「間奏曲」(3)

今日はマスカーニ間奏曲の最終回、3ページ目のレッスンです。 コーダで出てくる連打を弾くコツなども見てみましょう。 たっぷり溜めたクライマックスはうるさくならないように丸みのある音色で。 左右のタイミングは合わせずに、アルペジオやオクターブもバラして自由に。 特に1回目盛り上がりのインパクトは一番大切なのでタイミングに凝ります。 アルペジオで弾く左の和音の最後の音は右手で取っても良いでしょう。 そのまま同時に弾く所とアルペジオで弾く場所を耳でよく聴いて分けて。 右のオクターブの連打のメロディーは柔軟なタイミングでクレッシェンド。 左の跳躍に集中するが故に右のメロディーの表現が硬くならないよう注意。 3段目のffと4段目のppの差を大きく感じて最後の感動に結びつけます。 マスカーニ自身が「祈り」と題名をつけていた間奏曲の最後は祈るように。 曲の始まりも教会の中の讃美歌のようなイメージで。原曲は弦楽器、ハープ、オーボエ、オルガンの豊かな響きです。オペラ中では命を掛けた戦いの前の祈りを意味。 最後は天に昇って行くように…と曲の中にも物語があるのを意識しましょう。 オクターブの連打は1、2回目はcresc→dec、3回目は大きなクレッシェンドで。 左のジャンプは難しいのでバスと和音の進行で頭で理解することも大切です。 バスのF-E-D-C-B-A-Gのラインから特にFDBを意識すると余裕に繋がります。 タイミングもバスから和音に飛び込むよりも少し待ってコントロールします。 左手に集中して練習します。最後はritとdecですが弱々しくなりすぎずに。 pの中で最後の3つの節も少し膨らまし、下から立ち上がる光のある音色で。 F -durの平和な世界で幸せに終わります。弦楽器やオーボエ、オーケストラの響きから学びながらピアノで祈りを表してみましょう。

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#215 マスカーニ 「間奏曲」(2)

今日はゆったりときれいなテーマで始まる2ページ目からのレッスンです。 オーケストラのように壮大に美しく歌うことをピアノでも再現しましょう。 アルペジオはハープのイメージを持ち左右の手で工夫して分担して弾きます。 アルペジオは音の分離を耳で確かめながらゆっくりペダルなしで練習します。 和音を耳で覚えて指で掴む為に同時に和音だけで弾いて指に記憶させます。 音を残しながら和音を繋げてレガート練習すると手が和音の位置を覚えます。 アルペジオは指より柔らかく手首をしならせるように使って弾きましょう。 クレッシェンドとデクレッシェンドを+と-で表し前の部分との関係を考えて。 メロディー=大、伴奏=小というバランスもとても大切です。 上向きの大きなクレッシェンドはたっぷり溜めて頂点のフォルテからピアノへ。 イタリアのオペラらしく表現は強くドラマチックに強弱を幅広く表しましょう。 旋律とともに伴奏も大きくなるとかなりのボリュームになるバランスを聞いて。 特に歌うように弾きたい時はタイミング=ルバートを意識しましょう。 ある所でたっぷり待ったらその後でその分を取り戻す様に音楽を先へ動かして。 きっかり拍子に合わせずに、毎回一拍目の前は少し待って=ルバート気味に。 アルペジオ強弱そしてルバートとはじめはそれぞれポイントを分けて練習も可。 最後に強弱、タイミング、バランス、アルペジオ全て組み合わせてペダルを使ってオーケストラのイメージを持って、少しハードルの高い豊かな音楽を気持ちよく弾きましょう。

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#214 マスカーニ 「間奏曲」(1)

イタリア人作曲家マスカーニのオペラ「カバレリア・ルスティカーナ」からお馴染みのメロディー「間奏曲(インテルメッツォ)」をピアノ編曲版で学びます。 オーケストラ曲のピアノ版ゆえ弾きにくく難しい箇所もゆっくり見て行きます。 ピアノには真似できない美しい弦楽合奏やオーボエ、オルガンが特徴的です。 カバレリア・ルスティカーナ=「田園風な騎士道」という意味を持ち、テーマが貴族社会から庶民へと移った頃の文芸作品に基づいて書かれました。 イタリア歌劇によくある恋のもつれの物語ですが音楽は素晴らしいです。 弦楽器らしい始まりのフレーズは止まらないよう16分音符で刻んで流れを意識。 音と音の間の繋がりを感じ、リズムをコントロールして良いタイミングで。 16分音符でリズムを刻む事で進んだり溜めたりも自然なタイミングを掴みます。 溜めて弾く2小節の1拍目は指のアタックだと美しくないので柔らかく押します。 手の動きの為には指使いを変えて。音の繋がりをよくしましょう。 左手の大きな和音はバスを前打音風に、あとの音はハーモニーの扱いに分けて。 5連符は一拍の中入るように練習してから→ルバート気味にゆっくり弾きます。 タイミングは意外に複雑です。溜めたらテンポを戻して、を繰り返します。 最後はテンポを緩めて丁寧に。和音は右で取れば左手の移動がスムーズです。 a-mollの13小節目フレーズは楽譜のアレンジではなく原曲のオーボエの旋律で。 曲を通して3拍目が美しく大切な拍になることが多いことを意識しましょう。 C-durに戻る瞬間からcresc.で歌って和音を割って弾く時は焦らずゆったり。 バランス、タイミング、強弱等余裕を持って自由に音楽を表現してみましょう。

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#213 スクリャービン 前奏曲 op.11-4(2)

前回クレッシェンドからpに戻って又クレッシェンドする所を学びました。 2段目の最後の小節はアッチェレランドで速く→ゆっくりに戻ります。 1、2回目の短いスラーは波のように、3回目の長いフレーズは加速→遅く。 西欧では1拍目にアクセントが来るのに対しロシアは終わりの拍に向かいます。 スクリャービンもフレーズの最後、4拍目/6拍目に行き先を感じて弾きます。 4段目の途中、2段目と違うのは特徴的な突然の2拍分の休符です。 少しフェルマータ気味に長めに取ります。最後は裏にあった伴奏を表に出して。 クラシック音楽では連打は終わりが近い、死や運命など恐ろしさを表します。 よく聴くと連打は死神がドアをノックして最期を告げるような怖い音です。 左手の下降フレーズは嘆き。暗さの中に一瞬光が見えるがまたすぐ戻ります。 長い音が短くなって終わりに向けて段々落ち着きが無くならないように数えて。 左の最後のミは小さくても聴こえるように。最後はペダルをゆっくり上げます。 たくさんの事を学べるスクリャービンの名曲です。

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