土曜日, 2024/07/27 1:54

レッスンビデオ

#114 ラヴェル「ボロディン風に」①

ラヴェルがロシア作曲家ボロディンのスタイルで描いた作品。 オペラ「イーゴリ公」から有名な「韃靼人の踊り」に似たフレーズが出てきます。 2回に分けて今回は前半2ページをレッスンします。 リズム、揺れの感じ方、長いレガートやタッチまで学べる要素の豊富な曲です。 まず2小節の小さいフレーズ中で強弱<>を作りループ練習すると良いでしょう。 ループ練習の中でテンポや強弱、タイミングや音色など変化させてみて しっくり来る所を探します。 和音は鍵盤にぶつけないで、揉む・こねるように弾きましょう。 2ページ目も基本的に同様に、和音の違いを音色で表します。 中間部手前の変化は左手が決め手。良く聴いてスライドさせるようにレガートで。 中間部のメロディーのリズムは正確さよりもフィーリングで伸縮させます。 指先はしっかりと、でも音楽が硬くならないように手の動きは柔軟に保ちます。

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#113 モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

モーツァルトが亡くなる前に書いた賛美歌のリストによるピアノ編曲版です。 祈りや慈悲といった温かい感情に溢れスピリチュアルな雰囲気の曲。 教会の響きの様なクリアなソプラノは指先の鋭いタッチで 「十字架」の歌詞部分は溜めてドラマティックに表しましょう。 中間部は始まりに比べて深みのあるトーンでイエスの死を悲しみ悼んで 同情が祈りに変わって行く様子は幻想的な音色で表しましょう。 最後の2段は伴奏部と捉え少し厚みを持たせ、アルペジオは美しく膨らませて ゆっくり終わります。

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#112 シューマン「アラベスク」③

今日はA-B-A-C-A 型 のCの部分とコーダのレッスンです。 C部はB部同様、Aに比べて少しテンポは緩めます。 「フロレスタン」の活発で激しい性格が付点のリズム表れています。 付点を長めに、短い音は更に短く、鋭いリズムを引っ張るタッチで弾きます。 繰り返されるリズムは、レガート/スタッカートや強弱などの変化を 指だけでなく身体全体で掴めると良いでしょう。 コーダの内面的な「オイゼビウス」の性格は「子供の情景」最後の「詩人の話」に似ています。テノールを強調したり、残す音も考えながら段々ゆっくりと静かに語るように終わります。

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#111 シューマン「アラベスク」②

2回目はA-B-A-C-A 型 のBの部を前半後半に分けて見ていきます。 Aの終わりから一息ついて切り替えるようにB部はテンポを落として弾き始めます。 レガートの為の指使いを工夫してアルペジオの強弱とタイミングやペダルを踏む/離す箇所も よく聴きながら、止まらない「ループ練習」でよい音楽を探しましょう。 盛り上がりも力を入れすぎず、スタッカートも空気が入ったように常に旋律的に。 繰り返されるフレーズは別の声部を強調して響きを変化させると良いです。 長いクレッシェンドは一度音量を下げてffまで効果的に盛り上げます。 後半は内省的(オイゼビウス的)なフレーズです。対照的なもうひとつの性格(フロレスタン) とのコントラストでゆっくりと静かな世界を表現します。ペダルもできる限り長く使いましょう

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#109 シャンボニエール 「シャコンヌ」

フランスのバロック作品、シャコンヌの様式や表現法を学びます。 シャンボニエールはフランスのバロック学派を創った ルイ14世の時代のベルサイユ宮廷音楽家で、リュリがライバルでした。 シャコンヌは反復する「オスティナートバス」の上でメロディーが変化する 3拍子の舞曲。ルフラン(テーマ)→クプレ→ルフランに戻るロンド形式です。 フランスのバロック演奏スタイルはベルサイユ宮殿のようにたくさんの装飾で 豊かな響きで表現すると良いでしょう。アルペジオのように弾くクーレ (シュライファー)やスティル・ブリセなどの装飾音を用いながら 付点のリズムを取り入れた「イネガル奏法」で更にフランス風に。 スタイルに慣れて来たら自分流に装飾音をつけてみましょう。

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#108 ショパン ノクターン第15番 ③

曲の後半~コーダまで見て行きます。 民族調な音階から成る3連音符のパッセージは3拍目を大事に=中心と感じ 少し長めに取ると分かりやすく、弾きやすくなります。 手首は高く、柔軟に回すように。大切な音は残しながら指レガートで弾きます。 リズムはいい「ノリ」を探すと楽になります。 最後のページは左の旋律をしっかり、対して右手は小さく軽くかつレガートで。 ここでも3拍目をテヌートの要領で大切に、ブレーキを掛けます。 終わりはエンディングらしくrit.で。f-mollの特別な雰囲気を味わいましょう。

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#107 ショパン ノクターン第15番 ②

激しい性質の中間部を見て行きます。 実際は4拍子ですが2拍で感じられると弾きやすいです。 実際の3拍目にあたる2拍目はアクセントではなく「聴く」イメージです。 ユニゾンの部分は今までのバランスを逆転させて左手70%-右手30%で 縦の動きで、一方、和音部分は優しくコントラストを作りましょう。 次のフレーズでは右手は横の動きを意識して、アルトをよく聴くと同時に 上昇するバスを旋律的に弾きます。 強弱はfやffになることを予測して分量を加減しながら。 16分音符はナポリの6度を聴きましょう。 strettoで4拍に戻って。異名同音を使っての転調は和声変化を聴いて。

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#106 ショパン ノクターン第15番 ①

最初のドの音はペダルを用いて印象的に鳴らし長さを保ちます。 左手は辛そうに人が歩いている様子を、右手は気持ちを表すように。 左手20-30%、右手80-70%の音量バランスで立体感を作りましょう。 ペダルは1,3拍目に踏み替えますが、状況により2拍目も判断して。 トリルは強弱やアーティキュレーション、始め方、左右の合わせ方など 入れ方をいつも意識して。自由に変化させられると更に良いでしょう。 3拍目を大切に「中心」として捉えられると自然にルバートも感じられます。 人間の「諦め」や「疲れ」を表すヘ短調の中の変イ長調は優しい「いい思い出」。 でも曲はまた辛い所へ戻って行きます。バスの旋律もよく聴いて下さい。

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#105 グリーグ「民謡」

強い付点リズムと 5度の音程に「民謡」らしさを感じる楽しげな曲です。 5度音程の要素は伴奏部、バスの旋律など形を変えて現れます。 丁寧にバランスを聴くクラシック的な洗練されたアプローチではなく 庶民的、民族調をキーワードに、細かいことは気にせず楽しく演奏しましょう。 付点やスタッカートのリズムは実際に人がジャンプしてドスンと着地する重さで。 3拍目や二分音符でペダルを踏み、濁りに気をつけて踏み替えます。

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