土曜日, 2024/07/27 8:24

レッスンビデオ

#184 シューベルト 即興曲 op.90-3(1)

8曲の即興曲の中でも最も有名な作品を4回に分けて学びます。 美しい旋律と和声のバランスが難しく一回目は技術を見て行きましょう。 右手は歌うメロディーと小さな伴奏部、異なる2つの役割を分けて考えます。 伴奏部は引っ張って切りながら→慣れたら手首を回す2つの弾き方で練習します。 拍子はアラブレーヴェ、2拍子ですが最初はテンポを上げた時にリズムが流れないようにしっかり4拍子でリズムを指先で細かく感じながら。練習テンポは54で。 小さく弾いても音が抜けないように鍵盤と指のコンタクトを意識し耳も使います。 伴奏部は第3関節から軽くノンレガートで引張って弾き、音が鳴っているか聞いて。 上から叩くのではなく脱力して落とします。慣れたらテンポを上げたり自由に。 次はレガートで幾つかの音をグループと考え重りを載せて手首の回転で弾きます。 いつも手首の動きに意識を向けましょう。連打の入ったリズム練習も効果的です。 機械的な練習にならないよう手だけでなく身体の動きを意識したり様々な方向で。 演奏テンポの66をキープする為にメトロノームを使っても良いでしょう。

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#183 グラナドス アンダルーサ(3)

モレンドで消えて行ったフレーズに変わってアウフタクトで始まる明るいアンダンテは4つのフレーズから成ります。フレーズ間は小さなブレスを感じ文章のように。 1つ目と3つ目は前向きで加速気味に、2つ目と4つ目は静かにゆっくりフレーズを閉じて変化させます。右手の和音は重くならないよう下2音は軽いバランスでソプラノを歌わせます。歌わせる指に重さを載せ他の指は鍵盤を離れる練習が効果的です。 重音のフレーズはレガートしやすい指使いを選びペダル踏み替えに注意します。 楽譜に自分の音楽のアイディアを自由に書き込んで試してみることも大切です。 3回繰り返すフレーズは強弱とタイミングを変化させて。全て耳と身体で覚えます。 同じテーマの2回目は自由に表現することを楽しんで即興的に弾いてみましょう。 強弱やタイミング、声部バランスや小さなニュアンス等音楽の可能性を試します。 和音にこだわったアルペジオをかけたり、他も装飾音をつけたり、自分の気に入った演奏からアイディアをもらうことも勉強になります。積極的に音楽にアプローチしましょう。

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#182 グラナドス アンダルーサ(2)

グラナド作曲アンダルーサの2回目は2ページ目をみて行きます。 e-mollの和音から成るフレーズが3段目でG-durに転調してemollに戻ります。 最後G♯一音で長調に変わる瞬間は光るようにブレーキをかけて強調します。 新しい勇ましいffのフレーズは手首をUPーDOWN(アクセント)させて。 1,2-3とカウントしながらリズムも強弱と共に手首の上げ下げで感覚的に掴みます。 鍵盤を見なくても和音がつかめるように場所を把握しましょう。 ペダル(足)は指と一緒にUPーDOWNの動きでアクセントを強調します。スペインのフラメンコ、カスタネットやギターなどをイメージして肩から大きな動きで。 H音のバスは響かせレガートでも良いでしょう。2拍子→3拍子に変化するヘミオラも意識しましょう。 スペインの音階は短2度で始まるのが特徴です。 スペイン風な和声進行のパターンを覚えなくても雰囲気をよく味わって。 大幅な強弱ととても自由なタイミングで表すとわかりやすく味わい易いです。 繊細な部分はritで消えるように。アチャカトゥーラもおとなしめに。

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#181 グラナドス アンダルーサ(1)

前回までスカルラッティのソナタの中にはスペインの影響が聴こえました。 今週はスペイン人作曲家グラナドスのスペイン舞曲からアンダルーサを学びます。19世紀末、ロマン派の後の時代の作品です。ヨーロッパからみたスペインはアフリカに近くイスラム文化の影響を受けた異国情緒の豊かな南の国です。 左伴奏部のアチャカトゥーラ(噛む)=短前打音は2音をほとんど同時に鋭い音で。 カスタネットなど打楽器を意識します。力強さと柔らかい歌が交互に現れます。 リズムをゆっくり丁寧にペダルなしで練習して拍感を掴みましょう。短前打音は指を独立させて弾くより手首をひねって勢いを使います。メロディはよく歌って。 弱拍に鋭いアクセントがつくと民族的な風合いに。右手の重音はリズムを取って。 ペダルは使わずに左手のバスを指で長めに残して。ループ練習を繰り返し全体をバランスよく改善して行きましょう。スペイン調の和声進行は分析して確かめます。 転調はルバートをかけて、フォルテ/クレッシェンド/アクセントを意識して。 リズムは左手は1指の裏拍を大切に、旋律は1拍目と4拍目にアクセントを感じて。 次は左右が逆転します。アクセントをコントロールしながらゆっくりと練習して、少しづつテンポアップして行き、仕上げにペダルを加えます。余裕があれば更に速いテンポでスペインらしさの溢れるアンダルーサを楽しく弾いてみましょう。

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#180 スカルラッティ ソナタ ホ長調 K.380(3)

前回に引き続きスカルラッティのソナタを3-4ページを学びましょう。 ここでまた雰囲気が変わって曲が盛り上がって行きます。馬の足音と素敵な和音始まったオープニング→軍隊風の行進リズムの後、面白く展開して行きます。 その一つとして2段目に♯g-a-♯h-♯c-♯d-eとスペイン風な音階を取り入れています。 異国風で民族調な香りの後は興味深い和声進行が展開し→クラシカルに戻ります。 今回ポロネーズは品のある3拍目のアクセントよりsfで強めに強調します。トリルはバロック期なので上のd音から始めると不協和音で拍が強調され劇的な味わいです。 フラメンコのような和音はアルペジオで火の情熱のスペイン舞踊を表して。他国と比較するとスペインの文化はアフリカの影響で荒々しさも持っています。ナポリ生まれでスペインやポルトガル拠点に活動したスカルラッティならではのイタリアの洗練とスペイン風の情熱を感じましょう。和声的な部分は歌える指使いで。 必要ならスライドさせて旋律的に歌わせることに集中して。5-4-5など不自然な指使いは柔らかい身体の動きでカバーします。柔軟な動きでリズムも良くなります。 ソプラノを際立たせるためにアルトは押さえるバランスで。長いトリルは朗々と。次のトリルは短めに。同じフレーズは強弱を変化させましょう。ホルンのテーマは大切なメッセージを意味します。エンディングは最後の音の長さ、余韻も丁寧に。 ホロヴィッツも弾いていた音楽的に盛り沢山な名作です。弾いて録音したものを是非聴かせて下さい。

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#179 スカルラッティ ソナタ ホ長調 K.380(2)

前回に引き続きスカルラッティのソナタを2ページ目から学びましょう。 雰囲気が変わって馬も軍隊風の行進、ポロネーズのようなリズムになります。 スタッカートは引っ張りレガートは押して弾きます。3拍目にアクセントを感じて。 ここでペダルを踏み替えに注意してその先の歌うメロディーでたっぷり使います。 チェンバロ奏法でよくある細かいアーティキュレーションは2音を一つの動きで。 速く弾けばほとんどレガートに聴こえます。欧州で伝統的に馬車やホルンの音や軍隊を表す五度音程が多い曲です。そこからイメージを得て作品に向いましょう。 力強い五度に対して四度や六度音程の上のメロディーはスムーズで優しく歌って。 16分音符は急がずに逆にゆったりと。トリルは余裕を持って拍の前からタイの音の長さまで。長いトリルは手を柔軟に鍵盤上を上に向かって移動しながら弾きます。 強弱と合わせることも可能です。その後のトリルは短く拍の前に後打音と繋げて。 締めのホルンはアクセントをつけて勇ましく。同じフレーズの2回目は強弱も変化させます。古典の曲は指のアーティキュレーションと同時にイメージも膨らませて音楽的なアプローチ持って表現しましょう。

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#178 スカルラッティ ソナタ ホ長調 K.380(1)

まずテーマを見てみます。andante「comodo」は気楽にという意味。 冒頭の二つの声部:シラ♯ソをソプラノと考えレガート、下の音はスタッカートで。 右手の中で、上は少し重さを載せ/下は引っ張り、それぞれタッチを分離させます。 付点のリズムは鋭く感じましょう。トリルは拍の上、または拍の前でも弾けますが 今回は弾きやすく拍の前にソファソを出して。その際に前の音(シ)から32分音符で繋げる感覚でシソファソと弾くと「お団子」にならずスムーズです。手の角度は鍵盤に平行を保って、関節は柔らかく指は馬の脚のような勢い「ミタカパン」で。 トリルは技術に集中してパニックするよりもコントロールする事、指の動きよりリズムで感じることが大切です。脱力も忘れずに。指使いや左手を使う等工夫して。 ペダルを入れたりトリルを増やすのも可能です。強弱は2回目はエコーの様にpで。 次のフレーズの入口はゆっくりとスムーズに大小のcresc-decのラインを描きます。 左手の和音の一拍目はギターのようにアルペジオで弾いてスカルラッティ風に。 ページの最後のトリルはdec.とritの中、ゆったり余裕を持って優雅に、冒頭の雰囲気とのコントラスト味わって楽しみながら弾きましょう。

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#177 ブラームス 間奏曲 Op.119-1 (3)

今回は中間部の終わりから最後まで見て行きます。 ブラームスが幻想の世界からゆっくり覚醒して暗い現実に戻る所です。 3段目はカウントが難しい箇所です。指を残して音を繋げるフィンガーレガートでペダルは減らします。遅いテンポで更にritしながらテーマに戻ったら3拍子を数えて。 タッチと音色の確認の為にスタッカートで弾いて→レガートで仕上げましょう。 三連符の部分は複雑な音色を聴きながら主要な音を指だけで残せる指使いで。 最後の暗い和音は深い響きでブラームスが人生を受け入れた穏やかさを表現して。 和音は左右でサポートし合って響きを聴いて内声から音を拾ってみましょう。 ペダルと指レガートを上手く組み合わせて。休符を感じることも大切に。 響きや表現など多くを学ぶことのできる深みのあるブラームスの晩年の作品です。

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#176 ブラームス 間奏曲 Op.119-1 (2)

2回目は転調して音楽的に盛り上がる中間部をみて行きましょう。(B) 中間部は情熱、優しさ、悲しみと様々な感情が現れ一つの物語になっています。 前回(A)の辛い現実がBでは好きな人への想い出から思わず情熱と悲しみが溢れ出し次の展開では悲しみを受け入れているという深い感情です。音で表現するには同じフォルテでも深みのある音色で音楽を「語り」ましょう。 裏拍にメロディーが来たり、ヘミオラ(2拍子だった6拍が3拍子になる、又は逆)も現れるので常に拍を感じていることが大切です。左手は音をグループで意識したポジションで移動すれば無駄な動きがなく技術が安定します。右手は2つの音を使った動機で希望が表されます。真ん中の三度の重音を残して良いバランスで。 左手のクレッシェンドは全ての音をfで弾かずテヌートのバス以外は加減します。 不況和音はいいバランスで強調して「痛み」を表現します。 同じフレーズの2回目はアルトを出しますがソプラノも後ろで滑らかに歌わせます。 大きなcresc.はソプラノは高い音と同時にバスを音量とタイミングで強調しますがいつも客観的な耳でバランスをよく聴いて。徐々にリズムが落ちつくと共に音楽もdecとritで自然に落ち着いて中間部が終わります。

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#175 ブラームス 間奏曲 Op.119-1 (1)

タッチ、響きの作り方、バランス、細かい表現やタイミング等を3回で学びます。 今回はドイツロマン派らしい重苦しく暗い色調のA部(3段目まで)を見てみます。 ソプラノのテーマは重さを載せて回し2つの音を繋ぎます。2音目の後すぐ脱力。 内声の部分は鍵盤を撫でる/。引っ張る奏法で。スタッカートで練習→レガートで。タッチの違いを意識しましょう。レガートのソプラノをよく聴いて16分音符は軽い重さを乗せます。常に美しい響きを耳で確かめながら。繊細な内声のデュエットはレガートでソプラノとのバランスも意識して左手を使ったり、ペダルの踏み替えを工夫しましょう。 ロマン派の音楽はルバートを感じて趣味よいタイミングでテンポを伸縮させて。 クレッシェンドは時間をかけて広げましょう。 動機の付点リズムは「希望」を表します。左右で掛け合う所は気持ちの高まりを感じて表現しましょう。

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