金曜日, 2024/04/26 6:59

レッスンビデオ

#172 ラヴェル ソナチネ 第2楽章 (1)

ラヴェルのソナチネ2楽章を3回に分けて細かくレッスンします。 貴族的な香りの洒落た作品はバロック時代の舞曲「メヌエット」風なテンポで。 モダンな和声の感じ方やリズムも時代を意識して繊細で上品に仕上げましょう。 アクセントを2拍目や3拍目に、拍を微妙にずらしたりフランス風を意識します。 レガートやアクセントなどフレージングの細かい指示を良く見ながら「離す・回転する・載せる」等の手や手首の動きを考えて行きましょう。 右手はソプラノのメロディーを歌って、同時に1-2-3指のハーモニーは軽く。 3段目装飾音は速めに脱力で入れますがそれぞれの音は分離して聴こえる丁寧さで。 和音が変化する所はルバートを感じながら。左オクターブは響かせると良いです。新しい和音で始まるフレーズの入口は自然に時間を取って、撫でるタッチを使って冒頭の舞曲風とは異なる幻想的な雰囲気を作りましょう。

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#171 ベートーヴェン ソナタ「悲愴」 第1楽章 (4)

「悲愴ソナタ」のレッスン最終回は第1楽章の展開部をみて行きましょう。 第一テーマは前の部分から続く左手のトレモロの上に右手の和音は重さをのせて。 左右とも脱力しフレーズ頭はゆっくり入って加速する自然なタイミングを大切に。 手の角度は手首がいつも鍵盤と平行になるように注意しましょう。fのあとのpのオクターブはとても軽く。右のトレモロは鍵盤から指を離さずにp~ppで左は重さをキープして力は使わずに。自然なブレーキを掛けながら面白味あるタイミングで。 トレモロのような縦の動きも旋律的に弾くことが大切です。ペダルも使って。 拍頭が旋律になっているフレーズは逆にノーペダルで指レガートします。トリルは均等ではなく最初の音を長く伸ばすようなイメージのリズムで入れましょう。 左右がずれないように手の動きも合わせます。再現部の前の右手のソロは提示部の第2テーマを思い出し力や指の独立に頼らずに一定の重さを載せた手を回しながら。 手の動きに沿って拍毎に自然なアクセントつけると弾き易くなります。

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#170 ベートーヴェン ソナタ「悲愴」 第1楽章 (3)

「悲愴ソナタ」第1楽章のレッスン3回目は提示部の第2テーマからです。 前回メトロノーム=92で練習しました。今回引続き練習ポイントを見てみます。 技術的に難易度の高い左右の手の交差の部分は楽にする為に先に身体を傾けます。 動きを先取りすることで手の移動をサポートします。身体を直立したままだと手首のよい角度が取りにくいので注意しましょう。タッチはなるべくレガートを意識。 交差や戻る動きにかかる時間は無理に急かさないで逆に柔軟なタイミングで。 装飾音は拍に合わせて呼吸感を大切に、落とすように弾いても良いでしょう。 トレモロ型の八分音符の連続は軽く弾いてメロディーやバスとの差をつけて。 メロディーとバスは重さを載せ、それ以外は引っ張って異なるタッチを意識。 練習の最初から全ての音をしっかり弾くのではなくでなく力の配分を考えながら。 メロディーとバスが離れて行く場所は手を回す動きで。古典らしい伴奏の上の最後の細かい旋律は一音ずつ分離させずに手首を回しながらレガートで。段々伴奏とずれて行かないよう拍を合わせ重さと回転の動きを組み合わせて弾きましょう。

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#169 ベートーヴェン ソナタ「悲愴」 第1楽章 (2)

今回は提示部の第1テーマのレッスンです。 左のトレモロなど技術的に難易度の高い部分を脱力の観点から見てみましょう。 表面だけでなく手に重さを掛けて鍵盤の深くに入るようにゆっくり練習します。 機械的にならないようテンポを少し伸縮させ自然なタイミングで固まらない様に。 ペダルも繋ぐ程度に最小限に使います。テンポはM=92~慣れたら120~140で。 リズムは右手でリードし、左は頑固にならず右手に沿って行きます。 下降するパッセージは右と左を交互に使うとテンポを上げた時も弾きやすいです。 ドライになり過ぎないようペダルも少し入れましょう。主題の後半は特に全音符のタイミングに拘って。cresc.は左も盛り上げ最後に向かってdim.とrit.して第2テーマへの心地よい入口を作りましょう。

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#168 ベートーヴェン ソナタ「悲愴」 第1楽章 (1)

4回に分けて「悲愴ソナタ」第1楽章を見ていく一回目は1ページ目のレッスンです。 さすがベートーヴェン、ドラマティックな前奏部もインパクトのある入口です。 Graveは濃く重たく、確かな存在感で始まります。 リズムを失わないよう16分音符でカウントしてタイミングに気をつけて。 3拍目に向うクレッシェンドは背中から前屈して圧力を鍵盤に伝えます。 フォルテの和音の減衰するのをよく聴いて、同音量で次のフレーズを始めます。 sfは強めに。sfも1回目から3回目に掛けてクレッシェンドさせ曲を盛り上げます。 4小節目の下降音階は4拍に分けますが、4拍目に入る音符が多いので美しくritで。 ペダルは基本細かく踏み替え音を繋ぐ為に使い前の響き持ち越さないように。 現代の楽器は当時の物に比べて響きが長く残るので特にペダルには注意します。 休符やスタッカートはノーペダルで強調させましょう。 3段目は悲しみを語るようにため息の音型も意識して。ffは強さより、弾むように。これを繰り返しながらクレッシェンドして行きます。5段目もカウントに注意して。 最後の長い下降音階は指使いに工夫し、数えながら小さなグループに区切ります。 仕上げはペダルを入れて、最終的には拍を数えることから自由になりますが、流れてしまわないようにまずはリズムを意識して練習しましょう。

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#167 チャイコフスキー ノクターン (3)

3ページ目は技術的に難しくなります。 左手は歌う様にテーマを奏で、その上で右手の16部音符が美しく自由に動きます。 練習は右の3連符のリズムを感じながら左だけ弾いて同時にペダルを考えてみます。 右手は押しながら手首を柔軟にどこで回転すれば自然に流れるか確認しましょう。 技術的な箇所ほど長めに弾く音などリズム、タイミングや強弱を意識して。 3段目は大きなrit.を作るには一音ごとに手首を上下させてブレーキを掛けます。 片手に2声がある時は両手で弾いて音の方向を確認しながら耳でも慣れましょう。 コーダの音は少し変わっています。音程の低い伴奏が半音階で上昇、高いソプラノは下降してきてお互い段々近づいて行きます。最後の左右の2:3のリズムは段々勢いがついて速くならないようテンポをキープしながら終りのritに近づいて行きます。 曲は静かな切ないトーンで始まり→中間は激しく→後半はヴィルトゥオーゾ的な動きを経て→最後はダークで美しく、オリジナルなエンディングに導きましょう。

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#166 チャイコフスキー ノクターン (2)

2ページ目は拍子、テンポが変わりドラマティックな雰囲気になります。 3拍子が6拍子のカウントになるヘミオラのリズムと3連符が音楽が揺れながら盛り上がって行くのを伝えるのでこのテンポ感を大切に弾きましょう。 cresc.とdecr.を組み合わせて小波を作りながら大きく盛り上がります。 左手に旋律のある箇所は回すタッチでペダルは細かく、右手はルバート気味に。 ロマン派の作品は個性的な表現が許されているので強弱やタイミングは自由に。 cis-durの部分、1回目は明るく、2回目は遠くからエコーのように。 この部の最後のアクセントのついたフェルマータはペダルを途中で離して劇的に。

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#165 チャイコフスキー ノクターン (1)

切なさとメランコリーが感じられ、内声に旋律を持つロシアらしい美しい曲です。 3回に分けて曲を学びます。悲しいメロディーは手首を柔らかく鍵盤を撫でて。 左の和音は鍵盤に深く沈み混むように、バスの旋律とのバランスを気をつけます。右手は腕を上下させてきつい音にならないように回してテンションを逃がします。 長いフレーズを作る為に幾つかの小さな波が段々大きくなって行くように感じて。 悲しみを表すため息のような音型は音の関係(強弱)を意識して表します。 声部同士の会話やたっぷり溜めたりロシア音楽によくある表現を理解しましょう。 ロシアらしい深い響きはゆったりと重さを載せて、メロディーは押しながら弾けば柔らかさを保ちつつ主張のある音になります。左の旋律も同様によく歌って。 低音のメロディーはペダルは濁らないように耳でコントロールしましょう。 何回も弾くうちに新しい発見があるはずです。

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#164 フォーレ ロマンス 第3番 (3)

フォーレの作品「ロマンス」のレッスン最終回、3ページ目を見てみます。 右手と左手でアルトを半分づつ受け持つ技術的に難しい部分に入ってきます。 練習はソプラノとアルトを別々弾いて旋律を把握します。2声を左右の手で取っては まずは響きに慣れ、それぞれの旋律を理解しましょう。 付点は急ぐと2声が重なって段々リズムが崩れるのでしっかりカウントします。 よく耳で音を聴きながら、左右にとって負担の軽い指使いを工夫します。練習は まずスタッカートで→レガート→慣れたらペダルをいれます。脱力を忘れずに。 クライマックスの付点はブレーキを掛けながらリズムが前倒しにならないように。 最後のppのソプラノは遠くでフルートが鳴っている様に、テーマと弾き分けて。 装飾音は上の音だけ残してペダルを使って自由に手首が動かせるようにします。 コーダの反復するフレーズは3回目ritで終わりに導きます。 最後まで付点のリズムを意識して美しくフォーレを弾きましょう。

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#163 フォーレ ロマンス 第3番 (2)

「ロマンス」名前で知られるフォーレの作品を見る2回目です。 明るい雰囲気で始まった変イ→変ホ長調が、中間部で短調の要素で少し曇ってきて そこからまた音楽はドラマチックな方向に変化し行きます。 中間部で和音が短調→長調と反復するのは古典的ではない和声進行です。 音に慣れるように数回繰り返します。左手はbmollの和音、同時に右手はfmollの音階というように2つの調が混ざったような変わった響きを味わってみましょう。 右手は歌いながら、またはイメージしながら左の伴奏を弾くと良いです。 ペダルは上まできちんと離して踏み直し、音が濁るの避けましょう。 右手の旋律はしなる腕と手首で美しいレガートを歌い、上から叩かないように。 ポルタートも手は離してもペダルで繋ぎ、涙が一粒づつ落ちるイメージで悲しく。 crescとdimを組み合わせたりdolceとpiu (更に)dolceの差も丁寧に表現します。 その後のイ長調に戻る過程はテンポを緩やかに、アルペジオもゆったり弾きます。 明るいテーマがカノンで戻って来ますが、まず左右両手で2声を弾いて聴きます。 音の数が多いこの箇所はペダルを2拍目でハーフペダルで踏み替えて、リズムはゆったりと、押したり焦ったりせずマイペースで落ち着いて弾きましょう

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