マスネ作の美しい名曲を4回に分けて学ぶ3回目です。 3段目は段々情熱的に→一旦穏やかになり→4段目は更に情熱的に表現。 →興奮して速くなり→強い和音→また静かになり→テーマが戻ります。 ドルチェはタイトルやオペラの瞑想のシーンをイメージしながら。 強い和音の後で音楽が段々消え行き、美しいテーマが戻ってきます。 テヌート初めの音は長く少し重めに感じ左は右のタイミングに合わせて。 pでもメロディーは歌うのをやめず、音が細くなっても主張する音色で。 2段目は1-2小節の情熱的なテヌート、3小節はpで歌い、4小節は幻想的。 3つの異なる表現を意識しましょう。その後の強弱は+ →++→急にp。 dolceはppで。ペダルを踏み替えダークな響き→薄い色の変化を表して。 テンポはゆったり。大事な音をどの位の強弱で弾くか考えながら。 左伴奏はバスを強調して右のメロディーをイメージしながら併せましょう。 アジタートで波のように動き、安定したテンポにならないように注意。 美しい和音は音色を変えて瞑想する中で突然晴れ間が見えたのを表して。 宗教的なテーマのオペラの一番大切なシーンでもあります。 テーマ戻る前の右手ソロのブリッジはpで時間をたっぷりとりましょう。 バイオリン曲として有名ですがピアノ版も素晴らしい作品です。 音楽に浸って気持ちよく弾いてみましょう。
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#237 マスネ タイスの瞑想曲 (2)
マスネ作の美しい名曲を4回に分けて学んで行きます。今回は2回目。 前回に引き続きバイオリンと同じくらい豊かに歌う練習をして行きます。 3段目で戻ってくるテーマはpppです。冒頭のppより一層小さな音量で。 初めに比べてクレッシェンドなどの表現は抑え気味にフラットな感じで。 4段目の頂上で盛り上がるためにセーブしておきます。 タイミングも使ってまず急いで→ためてを繰り返しテンポを変化させます。 2pの3小節目の長いフレーズの終わりはたっぷりritで。 中間部の始まりはテンポを戻し、ルバートで揺らしましょう。 calmatoは穏やかに。dolceを経てまたテンポが速く強弱も激しくなります。 3連符は均等に弾くよりルバート気味にロマンティックに感じて表します。 右手のタッチは引張ってタイミングを意識。指は1235-2等スムーズに。 5-5421、5-5321なども一つの動きでレガートに。2声が歌える指使いで。 ピアノアレンジの曲は音楽が自然に流れるように指使いを工夫します。 左手は右の旋律を頭でイメージしながら自然なタイミングを練習します。 左右併せて音楽を自由に大きく表現できる様に腕も柔軟な動きを意識。 旋律が伴奏部と近い位置にある所は少しソプラノを強め際立たせて。 曲を通して右の旋律と左の伴奏の形があまり変化しないシンプルな形です。 曲の抑揚は細かい強弱とタイミングで表現します。強弱はレベルで考えて。 伴奏もアルペジオ形は下から上に一つにまとめる動きと指使いで弾きます。 強弱や響きのバランスを決めて曲を完成に近づけて行きましょう。
続きを見る »#236 マスネ タイスの瞑想曲 (1)
マスネ作のオペラ「タイス」からお馴染みの名曲のピアノ編曲版です。 オリジナル版のバイオリンのようにピアノを旋律的に歌わせて弾きましょう。 テンポ速めの昔とゆっくりの現代のバイオリンの演奏を参考に学びましょう。 まずは2段を学びます。タイミングと引っ張るタッチ、伴奏とのバランスに注意。 強弱の付け方を意識してラレファシと上へ向かってクレッシェンドします。 自然な強弱で上向きのフレーズはcresc、下降やフレーズの終わりはdimで。 メロディーは強弱よりタイミングを意識。バイオリンのルバート感を参考に。 タイミングは強弱と同等以上に大切に考えます。正確さより自由なリズムで。 旋律は硬くならずにバイオリンに負けずに自由に豊かに美しく歌いましょう。 伴奏を弾きながら実際にメロディーを歌ってタイミングを確認するのも可。 注意すべきことは長い音を前の音と比較して強弱を確認しましょう。 長い音をビブラートできる弦楽器の特徴をうまく表現できると良いです。 左手がフラットにならないよう強弱を大切に。 実際にバイオリンの音色や弾き方をイメージして真似てみましょう。 弦楽器のようなスムーズなレガートを心がけて弾いてみましょう。
続きを見る »#235 グリーグ 抒情小曲集「昔々」(2)
抒情小曲集「昔々」の続き、テンポの速い民族舞踊の部分を学びます。 生き生きと、付点2分音符が前の部の4分音符の速さになる2倍速テンポです。 「飛び跳ねる舞踊」のイメージで表記のとおりに。左は5度で鳴る民族楽器。 アルトは打楽器のようにリズムを取って。緑の印は少しテンポを緩めて。 右手の連打のリズムはアクセントとテヌートで足音を踏み鳴らすように。 ppとありますが強弱変化とタイミングでリズムを柔軟に感じましょう。 ペダルは伴奏に合わせて踏み替え、濁らないよう離すタイミングに注意。 タイミング、アクセント、強弱、ペダルを好みに合わせて組み合わせて。 H-durへの転調は少し大きな強弱と勢いで表して後の表現は同じように。 調性はe-mollで始まりE-dur→5度上のH-dur→5度+半音下のes-moll→ 5度上のb -moll →5度上のf-moll→5度上のc -mollへ。 和音はI-IV-I-V と進み、Vを短調にした和音がIになる短調へ転調しています。 全て5度の関係で転調している事を知れば曲の理解に役立ちます。 調によって優しく、明るく、鋭くなど響きを変化させ最後は必ず小さく。 クレッシェンドして山場に近づき、ヘミオラのリズムで更に盛り上がります。 123-123のリズムが12-12-12と下から上の活発なタッチでritしながら。 この先はdownで重いタッチで、左手2拍目にアクセントで民族調に。 この転調部はゆっくりテンポを落として強弱も一緒に練習しましょう。 歌に戻って行く部分は段々テンポと勢いを落として。 曲を通して民謡と舞踊のコントラストを表現しましょう。
続きを見る »#234 グリーグ 抒情小曲集「昔々」(1)
抒情小曲集の60番目の曲「昔々」を学びます。 ゆっくり民謡の部分と中間のテンポの速い民族舞踊の部分で成り立っています。 今回は民謡の部分です。8分と16分音符の付点のリズムをよく感じて弾きます。 ゆるい3連音符にならないように緊張感を保ち鋭い付点のリズムを取ります。 パパパパと口ずさみながら、又16分と8分音符の部分を滑らかに繋ぐ練習も可。 16分音符をショートs、8分音符をロングLと考えsLsLとスイングを感じながら。 弾きながらどのようなリズムの性質かー真面目風かスイングかー意識しましょう。 脱力も大切です。ペダルを踏んで教会の中の賛美歌、コラールの響きのように。 この民謡の部分は2小節を1フレーズで。民謡には完全5度が多く登場します。 バロック時代はご法度だった平行5度ですがその前、中世では多く使われました。 古く素朴な響きの5度はマズルカや農民の舞踊ミュゼット、ブーレにも多いです。 最初の音をsfでインパクトを与え→pで。その後crescとdecでフレーズを纏めて。 2番目のフレーズは少し違った香り。3小節目で昔々を思い出すように。 2段目の左手の旋律は豊かに歌って。右手を軽くして左に集中しましょう。 f♯-g-f♯-fと右手のアルトも出して歌うソプラノとのバランスを工夫します。 animatoは勇ましくfでテンポを上げて。短前打音f♯はバラして強調し民族的に。 作曲家が装飾音を使ってどのような効果を狙っていたか探します。 右手のアルトや左のテノールなど声部をバランスよく。dimとritして。 大きな和音はアルペジオでとります。左手の音程の広い部分も同じように。 繰り返し2回目は大きくritしながらも付点は緩くならずに意識して3:1をキープ。 来週はダンスの部分を学びます。
続きを見る »#233 グリーグ 抒情小曲集「アリエッタ」(2)
抒情小曲集の第1集の1曲目、アリエッタを学ぶ2回目です。 まずは強弱を考えずに音を抜いて主要な音で輪郭を取ります。 フレーズの終わりはデクレッシェンドとrit、伴奏も旋律と同じ様に膨らまして。 1回目より2回目は強弱を減らしましょう。2段目も同様に2回目はエコーの様に。 スタッカートは鋭くなりすぎずに軽く。ミ・ミーレレードのように2音繋ぎます。 ミーレなど指は5-4でもいいですが5-5と同じ指でスライドさせても。回す動きで。 2音は重くならず大ー小。2回目は左手の伴奏からテノールのラシドシの旋律を強調。 3段目はペダルに注意。ファの上で踏んでいたペダルを後半離して響きを変えます。 雰囲気が変わって魔法のような瞬間です。次のレも同じ瞬間を聴いて。 クレッシェンドとデクレッシェンド、強弱も組み合わせましょう。 手首は柔らかく回す動き。レファーミも和音も手首を回して柔らかい音色で。 和音の左手は長い音を保持できるよう5-3指でレガートで。右は415がスムーズです。 down-upと回す動きで音を繋ぎます。先の伴奏は4つの和音にして変化を聴いて。 次はアルペジオに戻してテンポをキープしながら繰り返し弾きましょう。 下の段は3段目と同じペダル使い。最後は小さなcresc→dimとritで消えていきます。 3段目1小節、最後から3つ目ののペダルは一回踏み替えを増やして。 耳をよく使ってペダルに集中して弾いてみましょう。
続きを見る »#232 グリーグ 抒情小曲集「アリエッタ」(1)
抒情小曲集の第1集の1曲目、アリエッタを学びます。 メロディーを歌って連打を旋律的に弾きながら豊かな表現を目指します。 シンプルな曲を美しく仕上げるのはなかなか難しい事です。 ①メロディーと和声を合わせて練習②バスの旋律と伴奏の16分音符を合わせて ③メロディーをレガートしながら伴奏はスタッカートという練習ポイントを意識。 タッチは「押す」と「回す」の組み合わせ。手首を回しながら鍵盤を奥に押す様に。 鍵盤を下へ重く感じるのでなく、柔らかい回す動きの中で。 まず左の和音を掴むことが大切。和音と旋律の関係を聴く為に音を抜いても可。 始めは細部に拘らずに曲の輪郭や構成を理解する方向で。旋律の方向も確認。 フレーズの終りは自然に。森の中で色々な木に気付く様に和声の変化を観察して。 緊張感のある和音はびっくり表して。ファ♯がソに解決する瞬間を聴きましょう。 練習の最初の段階から曲の美しさに気づくことが大切です。 バスと16分音符の伴奏は動きを掴みながら音を聴いて。次はバスと伴奏です。 全て合わせて弾く時はテンポ落として。止まりながら立体感をよく聴いて。 右を歌う練習はメロディー以外をスタッカートで差をつけて練習しましょう。 メンデルスゾーン甘い思い出、ショパン別れの曲、月光ソナタと同じ要領で。 次回は表現やペダリングなどを見て行きましょう。
続きを見る »#231 バッハ 前奏曲 no.13 (2)
バッハ平均律13番のプレリュードの2ページ目を見てみましょう。 17小節は神秘的、23小節はドラマチックと曲の後半は表現が豊かです。 続けて24小節は明るく、26小節で暗く、28小節は希望、最後は明るく。 様々な表情を見せます。gis−durは神秘的な雰囲気を持つ調です。 曲は明るく始まり中間のaisは幻想的なp-ppで表し、先はクレッシェンド。 一気にfに持っていき、デクレッシェンドとクレッシェンドを繰り返して。 最後はpからfの少し手前、明るいmfまで盛り上げて終わります。 2段目のクレッシェンドはテンポを少し落として。 前回同様、左は4つの音を一つのグループでフレーズを感じ取って。 右は透明感のある音色を意識してペダルを使う時は踏み替えに注意。 和音の響きの変わり目をよく聴くためタイミングは急がずに待ちます。 25小節からは特に3つ目の音を大切に上腕から圧をかけるように。 この奏法で28小節は踏み替えなくワンペダルでバスは明るい音を作って。 最後は明るく終わりたいのでスタッカートと音色を工夫しましょう。 新しい始まりのイメージと3つ目の音が大切なリズムの面白さを味わいましょう。
続きを見る »#230 バッハ 前奏曲 no.13 (1)
バッハ平均律のプレリュードを学ぶ2曲目は13番です。 平均律クラヴィーア曲集の後半の始めの曲になります。 前半の最後、12番が暗いfーmollから少し光が差した所で終わりました。 13番は新しい始まり、春、新しい命を感じられる生き生きと明るい曲です。 奏法のビデオのD -durプレリュードと同じ部分、また違いもあります。 123、123 と16分音符を一拍目に強拍を感じてベースを作りましょう。 次の段階では3拍を一拍で取って、1-2-3-4と1小節を4拍子で感じて。 拍の強さは強-弱-中-次(アウフタクト)と、奏法ビデオでも学びました。 でも表現の段階では必ずしも当てはまるわけでなく弱拍が強拍になる事も。 2-3、7-8小節など場所により3拍目が強拍になり面白い感じになります。 始めは3拍目にアクセントをつけて、次は強調した3拍目同士をレガートで。 シラソファミレドの下降音階を繋いで行く要領で。次はラシドレミと上昇。 このように3拍目を繋ぎながら滑らかに長いフレーズを作って行きます。 ペダルは3つ目の音の上で踏み替え、少し勢いを感じ命、明るさを表して。 野原で子羊が遊んでいるようなイメージで表現しましょう。 トリルは上から3つ目又は4つ目の音のあたりまで。 左も旋律的に4音、4音、4音、6音をワンフレーズで感じましょう。 fis-durはバロックにはない調性で更に黒鍵のgis ais cis disに転調します。 5音あわせるとペンタトニックスケールです。12小節のトリルは短めに。 生き生きと明るいイメージのトーンで演奏してみましょう。
続きを見る »#229 バッハ 前奏曲 no.9 (2)
今月はバッハ平均律のプレリュードを2曲学びます。今回は9番の後半です。 レガートを中心に見ていきましょう。厳密に言えば音を重ねて弾く事です。 一つの音を次の音を出した後も伸ばします。ミーソーシと3つ重ねても可。 指でレガートを繋げます。1指だけ残して和声的に弾くのも良いです。 レガート感とは実際に音が繋がっていなくてもレガートに感じる事です。 離れている2音の間は音程を大切に弾くイメージで。 始めからレガートで練習しましょう。指スライドでもレガートを作れます。 +と-で表した所は-をレガートで。バラして弾くとレガートを作り易いです。 場所によりスタッカートで軽くあっさりさせてバランスを保ちましょう。 2p目もレガートに集中します。アルトの声部を良く聴いて。 左バスは進む→待つを繰返して波を作って。16分音符の右より左がリード。 16分音符は手首を小幅で上下させて。技術的に聴こえない様左レガートで。 a-durのは明るく軽い調子で。スタッカートも用いれば生き生きとした印象。 V→IでなくVIに行くのが偽終止。最後はアルトからテノールへ繋いで。 最後の和音はアルペジオでゆっくりと。e-durの優しさとa-durの華やかさ、途中に現れるfis-moll の性質の違いも味わいながら弾いてみましょう。
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