今回は「帆」の最終回、4ページ目を見て行きます。 このページは船の音→グリッサンドのような動きで始まります。 船は重く、グリッサンドは手を回し始めの音長め。その上に全音階の風。 風の元のテーマ、カモメ、水(波)が同時に出てきます。グリッサンドの上で ドミだけ残しペダルを一度離し、再度踏んで響きを残します。 神秘的かつリズミカルを意識して。アジアンな五音階は異国の香りです。 リズムに集中し1234と8分音符で数えながらペダルなしの練習も効果的。 曲の冒頭と同様、硬いリズムにならないで横の動きを滑らかに意識。 余裕があればリズムに動きや抑揚を感じられると更に良いでしょう。 4ページ目グリッサンド風以降は中華風からフランスの雰囲気に戻ります。 波の動きのように左から右→左から右とスムーズなバトンタッチの要領で。 波の始めと最後の音を少し強調しましょう。 左手はバスの船は重い腕でdown、交差した上部の風はupと弾きわけて。 頭でタッチを考えずに空の音を出したい時に自然にupなるのが理想です。 ペダルが濁らないような工夫された難解な指使いの表示は従わなくても可。 上のメロディーは左右の手でやさしく丁寧に出しましょう。 和音はキラキラとした響きを下から上のタッチを使ってはじくように。 最後はテーマを少し思い出すように柔らかく強すぎずに主張して。 一番最後のグリッサンドはゆっくりritで弾くときれいです。 重力のない全音階は宇宙の中で浮遊しているように感じられます。 音を層で考え絵を描くように響きを作ることを心がけましょう。
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#254 ドビュッシー 「帆」(3)
今回は少し動きの出る3ページ目を見て行きます。 バスの船、左手の水、右手の風(空)が合わさって五音階の部分へ進みます。 1段目serrez テンポ早め→遅→ 動きを持って→急いで→遅く→ゆっくり。 急ぐ時コントロールしながら転ばないように。部分的に見てきます。 前の段は3つの層、全音階の風のテーマは浮かんで重力のないのが特徴です。 クレッシェンドはその度にpに戻って。左手の水を強調しましょう。 練習はペダルなしで音を離してリズムを意識しながら練習しましょう。 五音階=全黒鍵=ペンタトニックスケールは中国、アジアンな香りです。 音階の弾き方は右→左→右。右を弾いている間に左を準備、左も同様に。 準備をすることでリレーのバトンのように滑らかに繋ぎましょう。 手は回して左右の受け渡しをスムーズにできるよう手の角度も工夫します。 Cedezで時間を使って手首を柔らかくしテンポも意識。次の部分も同様に。 音階の難所は周辺の音を減らし確実に弾き後から1音づつ音の数を増やして。 先に弾く鍵盤をよく見て身体は音階と一緒に動きfで勢いをつけて練習。 オクターブはアジアの打楽器ガムランをイメージして上から叩くように。 4段目tres retenuは遅く神秘的に。冒頭のフランスの響きから船はアジアへ移りました。
続きを見る »#253 ドビュッシー 「帆」(2)
ドビュッシーの「帆」の2回目は2ページ目を見ていきましょう。 真ん中の層は水、風が上に乗って、下は同じタイミングで船の汽笛。 3つの層を全て合わせて弾く事は絵を描く事に似ています。 真ん中の層=水の音がレミファ♯ソ♯ラ♭シ♭ドレミ…と全音階を描いています。 次は上の層=空を強調してみます。空と水の船のバランスをよく聴いて。 3つの層を単独で弾いたり合わせたりしながらそれぞれを聴き分けるます。 まずペダル無しでリズムを細かく数えますが最終的には柔軟に弾きます。 慣れたらペダル入れて大きな4拍でリズムを取りましょう。 2段目からテンポをupしながら特に「水」の中間層に集中して追って行きます。 テンポと動きに勢いを加えて3層のキャラクターの区別を更に大きくつけて。 ドビュッシーの楽譜は時々3段に分かれて各々の層が分かりやすくなっています。 右の伴奏、次は下の声部を加えて。3声全てを弾かずとも美しく聴こえるように。 右手は上の旋律の出し方はテヌートに注意しながら聴きましょう。
続きを見る »#252 ドビュッシー 「帆」(1)
今日からドビュッシーの作品を4回に渡って見ていきます。 響きの作り方、音の考え方、音の層を作ることなど学んでいきましょう。 ドビュッシーの前奏曲には全てタイトルが曲の終わりについています。 イメージを限定しない為ですが今回はあえて「帆」を考えながら学びます。 船、水、空(鳥)と3つの層で音楽を考えます。例えば2段目のバスは船。 故郷アムステルダムの霧の運河に響く神秘的な汽笛の音のイメージです。 真ん中の層のスムーズなオクターブや和音は水。この2つの層を聞きます。 一番上の層は空、鴎、風。空間に音で絵を描くようなイメージで弾きます。 平面ではなく3層から成る音楽をオーケストラの様に立体的な響きを作って。 奏法的には下の層は重く、真中は回して、上の層は下から上に勢いをつけて。 下から上は鍵盤から立ち上がる、鍵盤から跳ねる感覚でクリアな音なります。 表示通りにテンポは中くらい、リズムを硬く感じないで、優しいタッチで。 全音階はI、IV、V等和音の機能がないので音楽の重力のない浮遊音階です。 練習ではまずペダルなしで8分音符を感じてリズムを感覚で掴みます。 次の段階はタッチに集中して急がずに風、船、水、鴎と層を意識します。 美しく弾こうとせず雰囲気を作る、音で絵を描く、響きを作る事に集中して。 重音の指使いは35-35-24-13-12 25-13。8部音符でリズムを刻みます。 テンポは始めはゆっくり、余裕が出てきたら流れを感じられる速さで弾いてみましょう。
続きを見る »#251 アルベニス 「グラナダ」(4)
グラナダの最終回は曲の後半から終わりまで見てみましょう。 前回のマルカートはDes -dur。F→As→F→f→Des(3度↓)と進行しました。 次は始めの明るいFのテーマがDes-durで戻りますがダークな色調を意識して。 3段目の最後は重く歌い、元のテーマが出てきたら思い出すような雰囲気で。 新しいフレーズは和音を味わって、左手のスペイン風はペダルに気をつけて。 和音はアルペジオで弾くと1pに比べ柔らかさと幻想的な感じが表現できます。 右ファソは親指で取ります。テーマに戻る前はたっぷりritします。 ジャスミンの香りが漂う窓辺で若者がセレナーデを歌う情景を思い浮かべて。 雰囲気をイメージして無理せず自然にスペインの音楽を感じることが大切です。 アルペジオは自由につけますが、特に短調に戻る手前の2つの和音は必須。 最後上の音を少し出してファ-ミを繋げて。その後のソプラノ旋律は明るい音。 3p下から2段目以降は少し自由に。左手のギターのような動機はリズミカルに。 右の和音は打楽器のように強調して。テーマに戻る前は3回繰り返しのフレーズ。 最後はritして元のテーマに戻ります。曲の最後は大きなアルペジオです。 指使いは弾きやすいように決めます。例えば左52142421→ラファは右手14で。 2音を弾く瞬間は少し待つと自然です。手首を柔かく保って自由なタイミングで。 F durの明るいイメージで終わりたい時は最後の音だけ鍵盤をはじいて下から上に。 暗く落ち着きたければそれも良いです。曲の終わりもこだわりを持ちましょう。 悲しさや強さ、荒っぽさや明るさなど表情の豊かなスペインの音楽です。 タイミングやルバートはギターの演奏からも学んでみて下さい。
続きを見る »#250 アルベニス 「グラナダ」(3)
続きで2ページ目の歌い方、音のバランス、装飾音など細かく見てみます。 右手は70%、左手30%のバランスを耳を使ってよく聴きながら作ります。 右の装飾音ラシラソ等は焦らずゆっくり入口前で止めると丁寧です。 テンポは加速→待つ、を繰り返し自由に。右が2声の場所は指使いを工夫。 マルカートは手首から。歌う時には力が入らないよう脱力しましょう。 前回身体の動きでルバートを感じ取ったのを思い出してリズムに乗ります。 肩や上半身を柔らかく動かして装飾音のリズムを作ると良いでしょう。 短調から長調への変わり目をよく聴いて。晴れてきたことを表します。 短調か長調だけでなくキーが変わると雰囲気が変わるのを意識して。 重さを載せると暗いトーン、逆に鍵盤から立ち上がると明るいトーンに。 求められた響きによってタッチを変えて。右の2声はどちらを出すか意識。 手の傾きによってソプラノ又はアルトのどちらかを強調しましょう。 マルカートは心持ち叩くような大きな動きで。自由にルバートをかけて。 中音部の旋律のペダルは細かく踏み替えたり、離す瞬間を長く保って。 イタリアに比べ粗野なスペインの音楽はアフリカやイスラム教の影響です。 他にないパンチの強さ、鋭く尖った表現を試してみましょう。
続きを見る »#249 アルベニス 「グラナダ」(2)
前回の続きで3段目から見て行きます。明るいF durから神秘的なAs -durへ。 現実からロマンチックで夢のような雰囲気に変わるのを聴きましょう。 2ページ目ではやはり3度の関係で少しダークな香りのDes-durが出てきます。 Asの大きな和音はタイミングこだわり急なppが楽器の特性が出て美しいです。 Fに戻る時はボリュームをアップして。ルバートで音を長く又はアルペジオ等。 右は真面目に捉えず雰囲気重視。左旋律レミファは2-1-1 、レミレド1-123で。 123456と6拍子で数えて2回目のみrit。mfからペダルは細かく踏替え注意。 下の段強弱は+ → − → + →− → +で。最後ritの時はデクレッシェンドします。 最後の小節の6拍目はフェルマータで少し待ってから次へ進みましょう。 次ページはmeno mosso表示のある楽譜もあり、ゆっくり弾くのも可能。 実際にテンポを落とした方が自然です。小フレーズもルバートで緩急つけて。 始めは左が旋律を弾きましたが中間部は右手が主役。単旋律を良く歌わせて。 左右で良い音量バランスを作りましょう。
続きを見る »#248 アルベニス 「グラナダ」(1)
今月はスペインの香りたっぷりのアルベニスの作品を見て行きます。 響きの作り方、歌い方、ルバートのリズムをスペインらしく表現します。 「スペイン組曲」はそれぞれの地方の独特の舞踊やリズムが描かれています。 1曲目のグラナダはセレナーデ。窓辺でギターを鳴らし愛を告白する情景です。 冒頭のギターのイメージのアルペジオは手首を柔らかく自由に。 左手のメロディーもルバートで民族的な特徴のリズムを理解します。 レミレドはバスのファと同時に弾くよりも少しずらして。 第一音目は左手ファドラファを脱力して楽に。合わせるより感覚的に。 繰り返し弾いて音楽を掴むのが大切せす。リピートは2回目p-ppで。 強調する音を探しながらセレナーデ風を味わいます。 ペダルも細かく踏み替えて濁らない様に。まずゆっくり→流れを意識。 頭で理解するより身体で自由なリズムを感じながら2段を繰り返します。 スペインの香りを表す事、ルバートを感じる事と歌う事に集中しましょう。
続きを見る »#247 シューマン 森の情景「寂しい花」(4)
今回は2ページ目の3段目から最後の部分を見ていきます。 思い切りテンポを落として幻想的なエンディングへ向かいます。 まるで魔法のような瞬間を休符のテンションを使って表しましょう。 フェルマータで予測不可能な緊張感を作り出します。 1回目2-3段目のフレーズはテンポをキープしてシンプルに。 比べて、2回目3-4段目は更に美しくテンポ落として違いを味わって。 左手ミ-ミ♭、高いソプラノとテノールのレシドミを絶妙なバランスで。 耳を使い理想の声部のバランスを、押す/重み等奏法を使って探します。 一度テンポ上げて軽快さを取り戻し、ソプラノは目立ち過ぎずに。 単に旋律を出すよりアルト/テノールとの絡みやバランスを繊細に聴いて。 タイミングやペダルの使い方もこだわりましょう。 エンディングはアルペジオのファとソのタイミングに小さなアクセント。 不協和音シミ♭ラは少し際立たせて寂しさを表してから解決に導きます。 ペダルもよく考えて2度音程が濁らないようなタイミングで離します。 最後は下のバスからワンペダルで。簡単に聴こえて奥の深い曲です。 時にはこうして時間を掛けて小品を細かく学んでみましょう。
続きを見る »#246 シューマン 森の情景「寂しい花」(3)
今日は2ページ目の前半見ていきます。 前回の最後、感動する場所でテンポを落としました。 今回はそこからcrescしながら元のテンポに戻していきます。 声部バランスを考えながらペダルも使いテンポは少し押し引き。 ペダルは濁らないように音符ごとによく踏み替えましょう。 高いラ音は少し溜めてルバート。タイミングで大切さを表して。 2段目は新しい部分です。テンポを上げてmfでよく歌います。 アルトがソプラノの形を真似る間、ソプラノは独立した旋律です。 ソ-ドと大きな音程を持つテノールの旋律にも注目しましょう。 右手はソプラノを出すためにアルペジオで弾きます。 3段目はシンプルな曲想。右手は声部を分けず一つの和音として。 Cresc は小さくフレーズを膨らますイメージです。 crescと共に落ちてきたテンポを少し戻し、美しさをppで表して。 自然なエンディングに向かうようなテンポと強弱で。 ゆっくり時間を掛けてこだわっていい演奏を目指しましょう。
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