レッスンビデオ
#244 シューマン 森の情景「寂しい花」(1)
シンプルに見えて複雑な声部、和音を表現するのが難しい曲です。 短く技術的には易しいですが4回に分けてゆっくり丁寧に学んで行きます。 右手は2声:まずテーマがアルトに登場し2小節目でソプラノが加わります。 同時に2声を聴きましょう。3-4小節は逆転してソプラノがテーマです。 そのテーマの終わりの4小節にまたアルトでテーマが入ってきます。 縦に取ると不協和音が目立つのでなるべく声部=横のライン考えましょう。 音楽を理解することが大切です。アルトとソプラノ掛け合いをよく聴いて。 例えばアルト60%,ソプラノ40%など音量バランスをコントロールします。 ソプラノを強調したい時は手を右に傾け、アルトを出したい時は左に回して。 音量コントロールは少し大袈裟に練習します。まず50%づつからずらして。 縦で考えるのは不協和音が強すぎて音楽が分かりにくくなるので注意します。 左手の伴奏は始めはシンプルですが4段目に動きが出て複雑になります。 強弱は、よく歌うところ(S)、デクレッシェンド、クレッシェンドを 3段目はソプラノのファ-ミ-レ-ラ-ド-シを出して。主張したいなら少し溜めて。 表現するにはタイミングと強弱によるコントラストが大切です。 自分の好みで声部のコントロールを楽しみながら弾けると良いでしょう。
続きを見る »#243 ショパン ノクターン第8番 (4)
今月はショパンのノクターン8番を学ぶ最終回です。 クライマックスの後から最後までを見て行きます。 f→ppへコントラストを作り長い装飾的なパッセージは自由に。 練習ではまずはゆっくり左右を合わせて慣れたら自由に動かします。 左右の合わせやすい音を楽譜上に線で繋いでいます。 合わせ方は均等に4づつで合わせるより3-4-4-4-4-5だと弾き易いです。 付点の練習はLsss(長短短短)、sssL(短短短長)など変化させましょう。 手を脱力して手首から柔らかく回して弾きます。 旋律はソプラノですが3度下のアルトの声部の変化をよく聞きます。 con forzaの3:2は情熱的に。速くならないようテンポはコントロール。 始めにも出てきた嘆きの音型の後、また感情が盛り上がります。 ppのコーダのショパンらしい溜息はマジカルな美しさです。 幻想的な半音階は左1指のテノールを強調させて。強弱は<>で。 「雨だれ」や涙がこぼれる情景を思って。 ソプラノとアルトの絡みは2人の会話のように。最後は2声仲良く。 6度の上昇のタイミングはまず2-3-2 2-3-2で取り、その内自由に。 消えていくように。6度のフレーズ後ペダルは一度切って休符を意識。 バッハの影響でもある多声的な濃さを味わって弾いてみましょう。
続きを見る »#242 ショパン ノクターン第8番 (3)
今月はショパンのノクターンの3ページ目のクライマックス部を見ます。 同じ長調でも暗いdesから明るいAへの変化を意識しましょう。 音楽が盛り上がる前にまず明るく晴れたムードに変わります。 クライマックスは急に盛り上げずに少しづつ頂上へ向かうように。 fになったら少しブレーキをかけて冷静さを保ちコントロールして。 技術的に難しい箇所ですが音楽と一緒に盛り上がらず聴く事に集中します。 装飾音付きの6度の重音はまず下からバラすように弾くと簡単かつ素敵です。 マズルカ風の民族舞曲の香りを感じましょう。6度の1指は右回しで脱力。 手首は常に柔らかくして優しい音色。バスの響きで長いcrescを描いて。 左は1pで学んだ重み+回す奏法と同じ様に。左手だけ弾く事も大切です。 ソプラノを大事に→途中からアルトに意識を向けバランスいいデュエット。 次のページはブレーキを掛けて急がず時間をたっぷり取れるdownを意識。 ペダルなしの練習も重要。3:4やタイで繋がった複雑なリズムを確認して。 ピッタリ弾く事を目指す訳ではありませんが左右のリズムを分かるのが大切。 5連符は2と3、または3と2に分けて。左手の入るのは3と4の間です。 1段目の最後からテンポを落として、先へを何度も繰り返します。 大袈裟に溜めて練習すると本番で速くなっても音楽が丁度良くおさまります。 強弱も盛り上がり過ぎて天井にぶつからないよう毎回mfに戻って又cresc。 この箇所は左はバスとテノールもの旋律も良く聞いて。 3連符は3つでなく2つの音を1つの動きで回して取りましょう。 半音階の下降はレガートで手をスライドさせて。 テーマに戻る所の強弱表示は出版社によってもfff、p等様々です。 盛り上がりからffへ移行するのがスムーズですがpならdimします。 44はヘミオラで3拍子から2拍子また3拍子とリズムが変わります。 このリズムを利用して意識してブレーキをかけましょう。 曲中で最も難しい箇所ですが冷静に良く聴きながらアプローチしましょう。
続きを見る »#241 ショパン ノクターン第8番 (2)
今月はショパンのノクターン2p3段目から次のページを見て行きます。 前回はタッチや指先に集中しリズムを取る事を学びました。 今回は強弱とその変化が重要なポイント。手首を回す奏法学びます。 con forzaで強く→一気にpへ、を繰り返して、フレーズ末はsfで。 またpからアクセントを繰り返し、テーマはppに戻ります。 勇気を持って強弱を少し大袈裟に表し客観的に自分の音楽を聴きます。 響きを聴くために繰り返し何度も弾いて耳で確かめましょう。 身体はfでは前に圧をかけ、逆にp-ppは椅子に寄りかかるように後へ。 この時身体の動きも少しオーバーに。強弱は頭より身体の動きに任せて。 右オクターブは短め軽くタッチすれば余計な力が入らず脱力できます。 脱力のために手を外側へ回しラソラソ…のところはたっぷり時間とって。 ほとんど1pと同じですが、テーマの中の内声の旋律を強調しましょう。 6連符は542121で左手との3:2のリズムを感じながら弾きます。 次の部分は3つの音を1つの動きで最初の低い音を大切に柔軟な動き。 下から上へまた下へ戻り螺旋を描く要領で。難しい25は脱力で軽く。 1指だけ聴こえる感覚です。左手は2指に合わせますがルバートで。 4段目の前打音は拍に合わせましょう。この後音楽は明るく展開します。
続きを見る »#240 ショパン ノクターン第8番 (1)
今月はショパンの美しいけれど難しいノクターンを学んで行きます。 1pの前半でバランスと呼吸、後半で指先でリズムを取る事を学びます。 まずバランスは左バス=重く、他は柔らかく、右は引張ってよく歌って。 右手の引っ張るタッチは自分の方向へ掴む、握るような感覚です。 歌う旋律は連打でリラックスタイミングと音量をコントロールします。 連打は音の長さを意識するのに効果的です。指より響きに集中します。 それぞれ違ったタッチによるバランスを聴いて最高の響きを作ります。 左手バスは↓で重く、ハーモニーの部分は柔らかく回しましょう。 第一音目のレ♭は右手で弾いて、2段目のバスも場所により右手交差で。 これにより身体が自由になり楽になり見た目も曲に合うイメージです。 右の1音目ファは3指だと響きを作りやすく、あとで5に変えても可。 緑の矢印は手の動きを表します。ファは拍子通りより呼吸を感じてから。 4小節目のシ♭や5小節目のラも同じように溜めて。タイミングが命です。 少し大袈裟位に勇気を持ってルバートを弾いてみて後から調整します。 タイミングの練習はペダルを使わずに打鍵の瞬間を細かくチェック。 ペダルを使うと音の響きに集中が行ってしまうのであえて外します。 ペダルを入れる際は踏み替えに注意して濁らないように耳を使って。 moll部分はまず指先をリズムに集中させタッチが甘くならないように。 細かく鋭くリズムを刻む感覚です。指使いは自由。3:2のリズムも鋭く。 ミタカとチョウフを組合わせたミータフカでリズムを取ると簡単です。 斜線の入った「短前打音」は拍の前又は拍の上と変化させましょう。 ペダルを踏み替える場所で響きが変わるので離す回数は多めに。 ここもタイミング練習はペダルを外してリズムに集中します。 4:5のポイントは簡単にするために細かく分解しましょう。 慣れたらペダルを入れて、落ち着いたテンポの中でリズムに集中。 mollの後半はすぐ盛り上がらずpから段々時間をかけて山へ向います。 前半の穏やかなトーンが後半で嘆きに変わるのを表現してみましょう。
続きを見る »#239 マスネ タイスの瞑想曲 (4)
マスネ作の美しい名曲を4回に分けて学ぶ最終回です。 中間部の最後、幻想的になってテーマが戻る所から見てみましょう。 テーマが戻る時2回目は最初に比べて少しあっさりした表現で思い出す様に。 新しいバスの進行に導かれ新しい和音がコーダを予感させます。 波を作り火山が噴火する様に盛り上げて。強弱よりタイミングで表します。 4段目のfの次はdim。引っ張ってクライマックスはmfで1回目と差をつけて。 左オクターブは5指より1指を強く。最後はバイオリンの高音をイメージして。 和音は緊張感と開放感を感じながら。右手は最後までよく歌ってビブラート風。 明暗を繰り返す独特の和声進行は印象に残る最後は音楽的にも重要な部分です。 crescとdimを繰り返し濁らないようにペダルを使いながら終わりに近づいて。 明るさから最後の和音はダークな響きへ。右手は6度の開いた音程が美しいです。 3連符は段々穏やかに、全体を通して小さくなって行きます。 弦楽器をお手本に美しく歌って伸びやかに表現しましょう。
続きを見る »#238 マスネ タイスの瞑想曲 (3)
マスネ作の美しい名曲を4回に分けて学ぶ3回目です。 3段目は段々情熱的に→一旦穏やかになり→4段目は更に情熱的に表現。 →興奮して速くなり→強い和音→また静かになり→テーマが戻ります。 ドルチェはタイトルやオペラの瞑想のシーンをイメージしながら。 強い和音の後で音楽が段々消え行き、美しいテーマが戻ってきます。 テヌート初めの音は長く少し重めに感じ左は右のタイミングに合わせて。 pでもメロディーは歌うのをやめず、音が細くなっても主張する音色で。 2段目は1-2小節の情熱的なテヌート、3小節はpで歌い、4小節は幻想的。 3つの異なる表現を意識しましょう。その後の強弱は+ →++→急にp。 dolceはppで。ペダルを踏み替えダークな響き→薄い色の変化を表して。 テンポはゆったり。大事な音をどの位の強弱で弾くか考えながら。 左伴奏はバスを強調して右のメロディーをイメージしながら併せましょう。 アジタートで波のように動き、安定したテンポにならないように注意。 美しい和音は音色を変えて瞑想する中で突然晴れ間が見えたのを表して。 宗教的なテーマのオペラの一番大切なシーンでもあります。 テーマ戻る前の右手ソロのブリッジはpで時間をたっぷりとりましょう。 バイオリン曲として有名ですがピアノ版も素晴らしい作品です。 音楽に浸って気持ちよく弾いてみましょう。
続きを見る »#237 マスネ タイスの瞑想曲 (2)
マスネ作の美しい名曲を4回に分けて学んで行きます。今回は2回目。 前回に引き続きバイオリンと同じくらい豊かに歌う練習をして行きます。 3段目で戻ってくるテーマはpppです。冒頭のppより一層小さな音量で。 初めに比べてクレッシェンドなどの表現は抑え気味にフラットな感じで。 4段目の頂上で盛り上がるためにセーブしておきます。 タイミングも使ってまず急いで→ためてを繰り返しテンポを変化させます。 2pの3小節目の長いフレーズの終わりはたっぷりritで。 中間部の始まりはテンポを戻し、ルバートで揺らしましょう。 calmatoは穏やかに。dolceを経てまたテンポが速く強弱も激しくなります。 3連符は均等に弾くよりルバート気味にロマンティックに感じて表します。 右手のタッチは引張ってタイミングを意識。指は1235-2等スムーズに。 5-5421、5-5321なども一つの動きでレガートに。2声が歌える指使いで。 ピアノアレンジの曲は音楽が自然に流れるように指使いを工夫します。 左手は右の旋律を頭でイメージしながら自然なタイミングを練習します。 左右併せて音楽を自由に大きく表現できる様に腕も柔軟な動きを意識。 旋律が伴奏部と近い位置にある所は少しソプラノを強め際立たせて。 曲を通して右の旋律と左の伴奏の形があまり変化しないシンプルな形です。 曲の抑揚は細かい強弱とタイミングで表現します。強弱はレベルで考えて。 伴奏もアルペジオ形は下から上に一つにまとめる動きと指使いで弾きます。 強弱や響きのバランスを決めて曲を完成に近づけて行きましょう。
続きを見る »#236 マスネ タイスの瞑想曲 (1)
マスネ作のオペラ「タイス」からお馴染みの名曲のピアノ編曲版です。 オリジナル版のバイオリンのようにピアノを旋律的に歌わせて弾きましょう。 テンポ速めの昔とゆっくりの現代のバイオリンの演奏を参考に学びましょう。 まずは2段を学びます。タイミングと引っ張るタッチ、伴奏とのバランスに注意。 強弱の付け方を意識してラレファシと上へ向かってクレッシェンドします。 自然な強弱で上向きのフレーズはcresc、下降やフレーズの終わりはdimで。 メロディーは強弱よりタイミングを意識。バイオリンのルバート感を参考に。 タイミングは強弱と同等以上に大切に考えます。正確さより自由なリズムで。 旋律は硬くならずにバイオリンに負けずに自由に豊かに美しく歌いましょう。 伴奏を弾きながら実際にメロディーを歌ってタイミングを確認するのも可。 注意すべきことは長い音を前の音と比較して強弱を確認しましょう。 長い音をビブラートできる弦楽器の特徴をうまく表現できると良いです。 左手がフラットにならないよう強弱を大切に。 実際にバイオリンの音色や弾き方をイメージして真似てみましょう。 弦楽器のようなスムーズなレガートを心がけて弾いてみましょう。
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