レッスンビデオ

#270 シベリウス「樅の木」(3)

シベリウス「樅の木」の3回目は2ページ目を見ていきましょう。 深い暗い音→前のdolceと同じ旋律→即興的な部分が出てきます。 下3段の速い動きは少し技巧的。上の2段は表現を意識します。 前のワルツ部分からの繋がりを感じ、暗い深い音は手首下げて。 前のdolceで明るく弾いた旋律を、今度は落ち着いた悲しい音色で。 暗い音を出すためには鍵盤を下へ下げるように柔らかいアクセント。 内声の旋律シ-ラ/ソ−ファを意識して。休符でペダルをup。 右手波型は2つの動きを合わせて。まず左から右回し→左へ戻る。 もう1つは手前へ引っ張って→奥へ戻す動きで。指も活発に。 指を振り下すように2回タップしてから弾く練習しましょう。 鍵盤を離すことや指を動かす事を意識しながら。軽やかに。 左手は強く出します。右の32分8つの音は入口は遅く、出口は速く。 上の音は少し強調します。どの位の力が必要か考えながら練習します。 ペダルはよく踏み替えて等、盛り沢山ですが段々弾き易くなるはず。 ペダルを離す時に手前へ指を引っ張り、ペダルを指の動きに合わせて。 risolutoは断定的な強さでリード。テンポはバスで1、2と取ります。 4段目は盛り上がりを一度pに戻し一瞬待って改めてクレッシェンド。 波を2つ作るイメージです。指を上げて手首を柔らかく左右に回して。 内声シーラーレードの部分が聴こえるバランスを作りましょう。

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#269 シベリウス「樅の木」(2)

全体の雰囲気〜細かい所も学びました。豊かな表現に満ちた小曲です。 冒頭の即興的なパッセージが悲しいワルツに変わるのをよく聞いて。 3段目のダークな色調から明るい方向へ音色が変化して行きます。 暗い色は脱力して腕の重さを鍵盤に乗せて、深く下へ入るように。 そこから少し上へ意識して、dolceでは下から上に立ち上がるタッチ。 ドビュッシーの月の光のような明るい音色を作ることができます。 ここはルバートのリズムの中で少し先に行くようにテンポupして。 フレーズの終わりでまたテンポを戻すのを2回繰り返します。 次の部分ワルツのリズムになっても同様に。テーマはアダージョです。 dolceは左手の親指を出して。和音を時計の2時の方向押します。 小さいニュアンス程度で十分な立体感が生まれます。 休符を聴かせるためにペダルを離すとテンポが少し変化して素敵です。 最後の段、右手は親指のメロディーと外側の指の伴奏は自然に回して。 右伴奏を一つずつ下げて弾くと音が重く大きく鳴り過ぎます。 左の和音は右の旋律を迂回する動きでバランス聴きながらテンポup。 下の段の強弱は< >で。この曲は自由に感じるのが最も大切です。 音色を変化させルバートを気持ちよく感じながら弾いてみましょう。

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#268 シベリウス「樅の木」(1)

先月に引き続きフィンランドの作曲家の作品を学びます。 「樅(もみ)の木」はシベリウス作曲のこの季節に相応しい素敵な曲です。 「感傷的なワルツ」とも表すことができ、即興的にゆったり流れます。 冒頭から雰囲気を掴む事が大切。右はワルツ、左は2拍子です。 strettoはバロック音楽の言葉で、フーガのテーマが次々現れます。 アラルガンドは段々遅くなりながらクレッシェンド、の意味。 練習ではテンポと強弱を別々に。6カウントが5拍に変わるのを意識。 ソプラノを出してレガートで弾いてみましょう。2つの音を繋いで。 音が多い時はその中から主要な音を選んで出しましょう。 ペダルは表示通り2回だけでは濁るので和音が変わる毎に踏み替えて。 このオープニングの部分は即興のイメージで自由に弾きましょう。 プレリュード風または即興曲にタイミングにこだわってみます。 3拍子の右手は親指がメロディーラインです。他の音は伴奏で軽く。 メロディーになれるためあまり強弱を気にせずfで出すことに集中します。 右手は片手で重いメロディーと軽い伴奏に差をつけながら練習しましょう。 ニュアンスをつけるにはアクセント、クレッシェンド等用いてみます。 1と2と3と…と実際にリズムを口に出して数えながら。 ペダル離してブレスを入れて。アルペジオは急がずに勢いを付けずに。 ルバートをコントロールしてイメージ通りにテンポを伸び縮みさせて。 自由過ぎにならないよう、リズムを刻む方向で。 2段目の5小節めの旋律ファ♯は左であとは右で引き継ぎます。 強弱を大きなグループで+と−で考えてコントラストを作りましょう。 +の部分は手にかかる重みを増やすイメージで、逆に−は軽いタッチで。 色々な表現を味わいながら哀しい雰囲気を作って弾いてみましょう。

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#267 カスキ「夜の海辺にて」 (4)

フィンランドの美しい作品の最後の2ページを見て行きましょう。 難しさを忘れて美しく弾くことに集中できると良いです。 左手の伴奏の指は521321 521421と波を意識しながら静かに。 右の旋律を想像しながら強弱とタイミングもまずは左手だけ弾きます。 右は3-125-2-125-3-125-3-124…和音の真ん中の音3と2よく聴いて。 メロディは上の音です。内声も理解して指でも覚える事が大切です。 指でパターンを掴むと弾き易くなります。トリルは遠慮せずritとdim。 次は左最初の6つの音を聴いて。初めの和音はアルペジオでもOK。 クレッシェンドで勢いがつかないようにテンポをキープしながら。 1,2拍目mf→3,4拍目pp→次の2拍は+→次の2拍はー→crescで。 前と違う和音の色を意識。右手は歌い1回目と2回目は表情を変えて。 4段目の左の指使いは1pと同様521125が最適。ペダル踏み替えて。 テーマが戻って来る所ソドは思い出すように幻想的に風に乗って。 遠くからの所はpで弾きます。pでも右旋律は歌うトーンで。 1pはプラスだった3小節目と異なりそのままpをキープします。 強弱を変えずにタイミングだけ自由にすると薄い色彩感で効果的に。 ソラソファミファソも時間を取ってゆっくり弾きます。 pの後の最後の方の和音は深い響きを出して印象的に表現します。 ピアノの鍵盤に深く沈み込んで上と下の和音を響かせてみましょう。

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#266 カスキ「夜の海辺にて」 (3)

夜の海辺にての2ページ後半〜3ページ目を見てみましょう。 2段目は表現が強い所、3段目は盛り上がり前で抑えます。 そこからcresc→一度収まり→音楽はクライマックスへ向かいます。 左手は初めて波の動きから解放され和音になり逆に右手に波の動き。 波らしく聴かせるには<>またはタイミングを考え少しritを取り入れて。 2段目盛り上がりの後、3段目最初の2小節は少し落ち着いて。 左は531-421 531-421 521-531 521-321 と3つづつ区切り解り易く。 この2小節の4つの波のフレーズの中で<>を作りましょう。 右のメロディは左に比べて80%の音のバランス。ファ♯は強く。 装飾音は短前打音なので拍の前に弾き、アルペジオもゆったり。 クレッシェンドの時は少しテンポアップしましょう。 右手の伴奏はリラックスしながら自然な響きで音量は抑えます。 1回目の波の音量は+、2回目は減らし3、4回目で盛り上げて。 指使いを決めて両手でまずペダルなしでゆっくり併せましょう。 左波型はファ♯とミの違いを意識。右手重音はノンレガートで脱力。 技術的な所なので色々なアーティキュレーションやリズムで練習。 力が入らないようにタッチの練習も重要です。 特に2小節目の後半は難しいので少し時間を取っても良いです。 繰返し弾き続けると段々聴こえなくなりテンポが速くなるので注意。 トリルはfから入りdim+ritで左も同様。左ソに右ファソを併せて。 音楽のクライマックスも落ち着いてコントロールして表しましょう。

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#265 カスキ「夜の海辺にて」 (2)

自然の美しいフィンランドの作曲家カスキの作品の2回目です。 波を意識しながら1ページ下段から2ページを見て行きましょう。 前回の波はモーツァルトの幻想曲の冒頭部を思い出す大きな波です。 暗い夜の海辺にベートーヴェン月光を想い右手は光るトーンで。 上下に細かく動く今回の波は音の濁りに気をつけ親指の音を強調。 左のファ♯♯と右のラの不協和音が導く神秘的な緊張感を表して。 右和音の上の音=旋律は時計を思い浮かべて手を2時方向に押して。 上の音を残して下の和音をすぐ離し脱力しましょう。 和音中一つの音を強調し後の2ー3音は加減すると均整が取れます。 和音を何度も弾いて自分の理想とするバランスを求めましょう。 2段目は歌って。伴奏:旋律の音数が3:1を意識して良いバランスで。 右は表現強く70%〜80%位出すつもりでfの気持で弾きましょう。 左3つの音の中に小さな< >の波の様な強弱でフレーズを作って。 20%のpの音量内で強弱をつけます。f♯ーf♯♯ーg♯のバス音を意識。 バスの旋律を聴きましょう。旋律はルバート気味に時間を掛けて。 波型伴奏の上りは532-1421が自然な指使いでしょう。 右は離しながら弾くとレガートと違う音色のルバートになります。 このような曲は堅苦しく考えず自由なルバートで表現してみましょう。

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#264 カスキ「夜の海辺にて」 (1)

フィンランドの作曲家カスキの「夜の海辺にて」を学びます。 初めの3段をみます。左手の伴奏は水の音、波を意識して。 自然の響きを作りその上に旋律をバランスよく乗せます。 左手の指遣いは音符の上下に2通り(314と215)記してあります。 5321-42124-1235と上ったのと同じ指で戻ります。 4音と3音、2つのグループを意識して。 手が小さければ521-5421245-125と3音と4音のグループも可。 レガートのフレーズは指くぐりより2ポジションをペダルで繋いで。 音が飛び出さずになめらかに繋げられるように練習します。 タイミングは入口と出口、頂点で時間を取って波を作って。 強弱は< >を音量調節しながら波を作ります。 右手はたっぷり歌って自由に。柔らかさを保ちましょう。 全体の響きを聴きながら夜の海辺の雰囲気に合う暗いトーン。 左右が2:8、3:7位の音量バランスも大切です。 強弱は2段目を+で。その後はまた元の音量に戻ります。 ソラソファミファソのソラソはテヌート気味に強調します。 オクターブの5小節目のテンポは少し進み、7小節で戻します。 最後の小節も< >で小さな波を作って。 オクターブのメロディーは深く鍵盤に沈みこむ感覚です。 小さな波の動きは長いフレーズ比べて海が荒れて聴こえます。 3段目2つ目の右の和音はアクセントを感じて大切に。 オクターブの旋律はレガートを感じながら深く。 このように始めの3段から夜の海辺雰囲気を掴めるといいです。 左右の音のバランス、右のルバート、タイミング、強弱など考えて夜の海辺を表現してみましょう。

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#263 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (4)

今回はラフマニノフの前奏曲作品23の4の最後の部分です。 4つの層を良く聞きます。右手のテーマは歌いましょう。 上の伴奏は軽く鳴らします。左手伴奏はバスとテノールの2声です。 激しいクライマックスのあと優しい雰囲気が戻ってくるところです。 練習方法の1つはソプラノの伴奏なしでテーマに集中すること。 2拍づつ、1→2拍目と3→1拍目を練習するとスムーズに繋がります。 声部のバランスをよく考えながら。最後はアルペジオの順番です。 最後の音を左に合わせて左、右、右、左右といった具合です。 2段目の大きなアルペジオは左-左-右-右-右-右-左右の順番で。 同じように1段目の1小節目は左-右-右-右-左右と合わせます。 右手だけテーマとソプラノの伴奏をバランスを聴く練習も大事。 左もバスとテノールの伴奏を聴き分けペダルのタイミングを確認。 練習は旋律を美しく弾くことは考えずに脱力と声部に集中します。 慣れたらペダルを入れてテーマと他の声部を客観的に聴きながら。 左手は難しいので指遣いを工夫しましょう。 テノールが入る前に待つか又は最初の音を長めにとって弾き易く。 大きなクライマックスの後、最後のクレッシェンドが出てきます。 その前から強弱を調整し綺麗な音を引き立たせ終わりに向かって。 低音が多いのでペダルはよく踏み替えて濁らないよう注意。 エンディングは長すぎないよう流れを作りritしたらテンポ戻して。 最後は少し加速してcrescで階段を登り→ppで優しく終わります。 声部の層とルバートを感じながらラフマニノフを弾いてみて下さい。

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#262 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (3)

ラフマニノフのプレリュードは2p目下の段から3p目を見てみます。 音楽はフレーズを波と感じフレーズの合間はリラックスしながら進んで。 ペダルなしできれいに弾くよりも脱力を意識して左の三連符を練習。 左右の3:2を硬く感じないでフレーズの終わりはゆっくりします。 アルペジオは最後の(4つ目)の音を左に合わせて弾きましょう。 mfでテヌートを出し強弱は+−で。船のイメージで揺れを感じ取って。 左ミーシの大きなアルペジオはまず左ミ→右ソシミ→左右同時にミシ。 アルペジオはゆっくり考え、突っ込んで行ったり速く弾こうとしないで。 クライマックスは一気に盛り上がらずにff向かってpーmfから徐々に。 バスのラインを耳で追うことで音楽を理解し記憶を安定させます。 右のテヌートでクレッシェンドを重ねて行く所も作曲家の意図を見て。 和音もフレーズも急がず脱力を心がけることが大切です。 クライマックスは2つの音をdownーupで力の抜きやすい奏法を意識します。 重さを感じて鍵盤の中に沈み込んで休む、と考えると脱力を意識できます。 力を入れようとするのではなく重さを使ったボリュームを柔らかい音で。 上から落とすと大きなインパクトのある音を出すことができます。 右手は和音の形を手で覚えて間違っても縮こまらず上から落とし脱力で。 練習はまず和音の形を作った手を鍵盤に置いて上から落として。 波型の左手をスムーズに弾くことも右手の旋律が乗れるのに大切です。 左のミミ♭レは濁らないようにペダル外して右手は指で押さえて音を繋げて。 音楽的には前の2ページ目が一番難しく最も盛り上がるのが3ページです。 来週はこのページ下の段から最後のページを見て行きます。

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#261 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (2)

ラフマニノフのプレリュードの2p目は音楽を3つの層で考えます。 下の層は左手のp伴奏、右手は2つの層=伴奏と旋律をうけもちます。 まず左手と右の伴奏部が2(チョーフ):3(ミタカ)になるのを確認します。 ロシアの音楽は伴奏の響きを豊かに。右手は旋律を伴奏から独立させて。 止まらずに繰り返す「ループ練習」でバランスを掴みましょう。 旋律のテーマをレガートで歌えるように伴奏は軽くpで。4:3:2意識。 ペダルなしで3声の入るタイミングをよく聞き確かめながら弾きます。 旋律が伴奏に埋もれないようにまずは声に出して歌いながら弾いて。 fでテンポをupした後はバランスを取って思い切りゆっくりpで。 テンポはルバートで自由に速い→遅いを繰り返し伸び縮みさせます。 上の伴奏はあまり遠慮しすぎずにcresc.したり溜めたり自由に。 2っ段目はリズミカルに感じ盛り上がる部分は伴奏も厚い響きで。 3段目の最後のpは重く深い響きを求めてから一気にクライマックスへ。 dimで段々軽くなりritして→次の動きのあるパートへつながります。

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