Louis
#213 スクリャービン 前奏曲 op.11-4(2)
前回クレッシェンドからpに戻って又クレッシェンドする所を学びました。 2段目の最後の小節はアッチェレランドで速く→ゆっくりに戻ります。 1、2回目の短いスラーは波のように、3回目の長いフレーズは加速→遅く。 西欧では1拍目にアクセントが来るのに対しロシアは終わりの拍に向かいます。 スクリャービンもフレーズの最後、4拍目/6拍目に行き先を感じて弾きます。 4段目の途中、2段目と違うのは特徴的な突然の2拍分の休符です。 少しフェルマータ気味に長めに取ります。最後は裏にあった伴奏を表に出して。 クラシック音楽では連打は終わりが近い、死や運命など恐ろしさを表します。 よく聴くと連打は死神がドアをノックして最期を告げるような怖い音です。 左手の下降フレーズは嘆き。暗さの中に一瞬光が見えるがまたすぐ戻ります。 長い音が短くなって終わりに向けて段々落ち着きが無くならないように数えて。 左の最後のミは小さくても聴こえるように。最後はペダルをゆっくり上げます。 たくさんの事を学べるスクリャービンの名曲です。
続きを見る »01 バッハ「前奏曲 第1巻」 2024-10-01
#212 スクリャービン 前奏曲 op.11-4(1)
シンプルな小曲を美しく演奏する為にリズム/音色/バランスに集中します。 香り高いスクリャービンの独特な世界の表現を2回に分けレッスンします。 ゆっくり→加速→ゆっくり…と始めから、又一小節内でテンポが波打ます。 性格の異なる24曲のプレリュードの中でも第4番は暗い嘆き、悲しみに満ちたメロディーの中に光が差す曲です。この表現は簡単なようで難しいです。 テンポはレント、ゆっくり始まり加速しますが波のように柔らかいリズムで。 123456と数え方も伸び縮みするように自分のフィーリングを大切にします。 右和音、左旋律とも重さを乗せ、右の音色を添える和音のみ下から上に。 鋭い音色で違った響きを作ります。他の部分は全て重さを使いましょう。 歌いたい時には引っ張るタッチを使うと旋律的なショパン風になります。 深いダークな雰囲気の響きのためには重たいタッチを意識します。 sは歌って。右手のソプラノ、連打の和音、左手の3声の音楽と捉えます。 左バスの嘆きと寂しさの暗い旋律と右ソプラノの明るい光をバランスして。 左の旋律は歌うだけでなく強弱を考えて自由なルバートでタイミングよく。 2段目の1小節目は大きく(+)4小節目は弱く(−)強弱をコントロールします。 左フレーズの長いファ♯やド♯は保持して響かせ豊かな和音を導きましょう。 2回のクレッシェンドのあと、急にミ♯で一旦pに戻り再度クレッシェンド。 シンプルな曲ですが表現にこだわってより良い演奏へと磨きを掛けましょう。
続きを見る »モーツァルト ソナタ第15番 KV533 (2)
#211 ドビュッシー ゴリウォーグのケークウォーク(3)
レガートとスタッカートが交互に出てくる中間部から見てみましょう。 Cedezはゆっくり、avec une grande emotionは気持ちを込めての意味。 スタッカートが多い曲の中、急に豊かなレガートの登場にびっくりします。 ワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」から取ったテーマです。 解決しない和音の連結はトリスタンの和音と呼ばれ有名な和声進行です。 ドビュッシーはフレーズを拝借しユーモアを加えてアレンジしています。 軽いアメリカのジャズ風と、真面目なドイツ音楽の面白いミックスです。 ワーグナーは豊かにレガート、対するアチャカトゥーラ(短前打音)は鋭く。 内声のラーシ♭ーシの半音は悲し気なブルースから取ったフレーズです。 ユニゾンの最後の音は右手で取ると左手のバスの準備が楽になります。 音をおさえつつ鍵盤上で指を変えて右手上の動機を弾きやすいポジションで。 音楽は始めとほぼ同様でも工夫を凝らした和音の部分は大きく強弱変化させて。 ド♭シラソファ14321のあとミ♭は右手でオクターブを取って響きよく。 色々なスタイルが入った楽しい曲です。リズミカルに弾きましょう。
続きを見る »42 (2) シューマン 「子供のためのアルバム」 2024-09-16
#210 ドビュッシー ゴリウォーグのケークウォーク(2)
今回は2ページ目を見てみましょう。 ピアノの中のクレッシェンドや、最後のffなど様々な強弱が出てきます。 左手の伴奏は54(3)-12、又は2の代わりに1の指で2音を取る事もできます。 cresc.して上の音は短く、ペダルも効果的に使いましょう。 左手はバスのみ+右手で和音を取ることで左の負担を軽減できます。 冒頭のテーマが出てきたら今回はアーティキュレーションを変えて。 下の段の変ト長調Un peu moins viteは「少し速さを減らして」という意味です。 少しテンポを落とし、左はテノールの旋律を出して右の単前打音は噛むようにとても短く弾きましょう。
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