Louis

#210 ドビュッシー ゴリウォーグのケークウォーク(2)

今回は2ページ目を見てみましょう。 ピアノの中のクレッシェンドや、最後のffなど様々な強弱が出てきます。 左手の伴奏は54(3)-12、又は2の代わりに1の指で2音を取る事もできます。 cresc.して上の音は短く、ペダルも効果的に使いましょう。 左手はバスのみ+右手で和音を取ることで左の負担を軽減できます。 冒頭のテーマが出てきたら今回はアーティキュレーションを変えて。 下の段の変ト長調Un peu moins viteは「少し速さを減らして」という意味です。 少しテンポを落とし、左はテノールの旋律を出して右の単前打音は噛むようにとても短く弾きましょう。

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#209 ドビュッシー ゴリウォーグのケークウォーク(1)

面白いタイトルの曲は子供の情景を彷彿とさせる子供の世界を表した曲集です。 ゴリウォーグは1895年作のF.Uptonによる絵本に登場する男の子の名前です。 ケークウォークはアフリカの民族舞踊発祥、アメリカで生まれたダンスです。 当時フランスではジャズ等の影響を受けた音楽が流行っていました。 軽快でシンプルなこの曲は凝った表現より小気味いいテンポをキープします。 スタッカートとアクセントを組合わせたマルカートは鋭く短く切りましょう。 1拍目の休符も意識的に鋭く感じ、1段目は出来るだけ大きな音で弾きます。 2段目の指使いは右手でファソをミシと一緒に弾けばずっと楽になります。 ただ3段目以降の跳躍に慣らしておきたい場合は楽譜通り左手で取ります。 とてもクリアに、とてもドライに、の表示に従いペダルは使わずに。 メロディーはppで音は切れても旋律的に。右手の重音は軽くルーズに叩いて。 強弱やアーティキュレーションを守って、わかりやすく少し大袈裟に表して。 fの音量の為には短くペダルを使って。テンポは急がずリズムをキープ。 コントラストを作って硬くならずダンスのリズムに乗って楽しく弾きましょう。

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#208 グリーグ 抒情小品集「春に寄す」(4)

今日は3pページ目の下の段から曲の最後まで見てみましょう。 fのアクセントからdecしてpへ、そのあとcrescと細かい強弱を意識します。 左手の裏拍のアクセントとcresc、decなど強弱やタイミングなど3小節の中の細かい豊かな指示を曲の気分を感じながら、こだわりをもって表現しましょう。 無意識に弾くのではなく左の伴奏も和声を感じながら旋律的にレガートで。 ffとcrescの後盛り上がるかと思えば急にpになり曲は幻想的に終わります。 2段目2小節から和声はh→G→E D→fisと3度の関係で変化しています。 リストなどロマン派に見られる3度変化の和声進行は幻想的な味わいです。 ハリーポッターの不思議な感じの音楽でも同じような進行が聴こえます。 エンディングのジャズ風な面白い和音を経由して最後の和音に着きます。 少し戻り4拍目フェルマータは休むように時間を取って急がず、ffでは大きくcrescした後たっぷり待って期待させ→意外な展開の和音は絶妙なタイミングで。 雰囲気を感じること、クライマックスを作る事が大切です。 最後近くの左アルペジオは5321指で時間かけて登りペダルはゆっくり離して。 次の和音はラレを25に変えレだけ残しドに繋ぎやすいポジションへ移って。 レ♯レドをレガートにするためペダル踏み替えるタイミングにも注意します。 少し戻って長いアルペジオはワンペダルでdimとritしながら消えて行きます。 次のffの和音はトッカータのように急に荒々しく→とても優しくなります。 曲の最後の部分はグリーグがテンポ感がない世界を描いています。 色々な演奏を聴いてこだわって自分の曲のイメージを磨いていきましょう。

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#207 グリーグ 抒情小品集「春に寄す」(3)

前回からの続きで2ページ目の下の段から見てみましょう。 fffの部分から始めのテーマに戻る所はたっぷり待って落ち着いてから。 大きな音量からpへの切り替わりはに心身脱力できる時間を取ります。 寒いノルウェーに春がやってきた喜びを感じましょう。 オクターブはインパクトを和らげるために軽く手首を回してバラします。 右手伴奏の重音連打は控えめな音量で鍵盤を上まで離さず半分の位置から。 左手アルペジオはゆっくり→速く→ゆっくりのルバートで膨らまします。 強弱よりルバートを優先すれば弾き易く、音楽も柔らかく流れ出します。 オクターブで遅くなったらそのあと少し速くしてテンポを戻しましょう。 音楽が重くならないようルバートは遅く→速くを組合せて波を作ります。 手の向きは時計に見立てて上の音を出すには2時、下の音は10時の方向に向かえば 気持ちよく脱力できて立体的な音のバランスが得られます。ワンフレーズ繰り返し止まらないで弾く「ループ練習」でタッチ、テンポ、強弱、タイミング、脱力、まず一つに集中し、次の段階で2つ以上の要素を組み合わせていきます。 繰り返しながら情景や香り、ストーリーなど曲のイメージにも触れましょう。 溜めて弾くタイミング、音色の変化も意識してグリーグの世界を描きましょう。

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