#114 ラヴェル「ボロディン風に」①

ラヴェルがロシア作曲家ボロディンのスタイルで描いた作品。 オペラ「イーゴリ公」から有名な「韃靼人の踊り」に似たフレーズが出てきます。 2回に分けて今回は前半2ページをレッスンします。 リズム、揺れの感じ方、長いレガートやタッチまで学べる要素の豊富な曲です。 まず2小節の小さいフレーズ中で強弱<>を作りループ練習すると良いでしょう。 ループ練習の中でテンポや強弱、タイミングや音色など変化させてみて しっくり来る所を探します。 和音は鍵盤にぶつけないで、揉む・こねるように弾きましょう。 2ページ目も基本的に同様に、和音の違いを音色で表します。 中間部手前の変化は左手が決め手。良く聴いてスライドさせるようにレガートで。 中間部のメロディーのリズムは正確さよりもフィーリングで伸縮させます。 指先はしっかりと、でも音楽が硬くならないように手の動きは柔軟に保ちます。

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10 5度のコード進行

5度のコード進行を見ましょう。次は、バッハやヘンデルやシューベルトやシューマンの曲の中に出て来る5度のコード進行を弾きます。

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#113 モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

モーツァルトが亡くなる前に書いた賛美歌のリストによるピアノ編曲版です。 祈りや慈悲といった温かい感情に溢れスピリチュアルな雰囲気の曲。 教会の響きの様なクリアなソプラノは指先の鋭いタッチで 「十字架」の歌詞部分は溜めてドラマティックに表しましょう。 中間部は始まりに比べて深みのあるトーンでイエスの死を悲しみ悼んで 同情が祈りに変わって行く様子は幻想的な音色で表しましょう。 最後の2段は伴奏部と捉え少し厚みを持たせ、アルペジオは美しく膨らませて ゆっくり終わります。

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#112 シューマン「アラベスク」③

今日はA-B-A-C-A 型 のCの部分とコーダのレッスンです。 C部はB部同様、Aに比べて少しテンポは緩めます。 「フロレスタン」の活発で激しい性格が付点のリズム表れています。 付点を長めに、短い音は更に短く、鋭いリズムを引っ張るタッチで弾きます。 繰り返されるリズムは、レガート/スタッカートや強弱などの変化を 指だけでなく身体全体で掴めると良いでしょう。 コーダの内面的な「オイゼビウス」の性格は「子供の情景」最後の「詩人の話」に似ています。テノールを強調したり、残す音も考えながら段々ゆっくりと静かに語るように終わります。

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#111 シューマン「アラベスク」②

2回目はA-B-A-C-A 型 のBの部を前半後半に分けて見ていきます。 Aの終わりから一息ついて切り替えるようにB部はテンポを落として弾き始めます。 レガートの為の指使いを工夫してアルペジオの強弱とタイミングやペダルを踏む/離す箇所も よく聴きながら、止まらない「ループ練習」でよい音楽を探しましょう。 盛り上がりも力を入れすぎず、スタッカートも空気が入ったように常に旋律的に。 繰り返されるフレーズは別の声部を強調して響きを変化させると良いです。 長いクレッシェンドは一度音量を下げてffまで効果的に盛り上げます。 後半は内省的(オイゼビウス的)なフレーズです。対照的なもうひとつの性格(フロレスタン) とのコントラストでゆっくりと静かな世界を表現します。ペダルもできる限り長く使いましょう

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