#259 シャベルザシビリ 「ノクターン」(4)

今回はシャベルザシュヴィリの曲の最終回、3ページ目を見て行きます。 ABA形式です。2回目にテーマが戻る時は思い出すようにテンポを少し遅く。 1ページ目の強さのある表現に比べて音量も抑え、平面的で幻想的な雰囲気で。 左手はアルペジオ伴奏と旋律の2役。右手の和音伴奏は小さく< >しましょう。 アルペジオは厚みのある音で、特にメロディー部を練習では大袈裟に出して。 左手は練習ではしっかり大きな音で、脱力も忘れずに。慣れてきたらきれいに。 次に右手の和音の音量バランスをよく聴いて→タイミングも意識しましょう。 右手の6拍目の辺り左手のアルペジオを始めて。段々山の高さを減らしdimで。 最後は小節ごとに小さな< >で膨らませて伸び縮みしつつ終わりに近づきます。 ロシア作品によくあるため息の様な手に入らない何かを求める様な情緒を意識。 曲の最後は大切です。アルペジオもなるべくゆっくり取ってロマンティックな表現を目指しましょう。

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#258 シャベルザシビリ 「ノクターン」(3)

前回の続きで後半の始めの方をみていきましょう。 右手オクターブの続きから、手を軽く回しながら上の音を残し下を離します 上の音はなるべくレガートです。左に合わせながらも溜めてレガートで。 関節を柔らかくするため内側の第一指は連打にして練習すると良いです。 強弱は大きくなり過ぎないように注意してmp位で十分です。 強弱は、構成を頭で考えて計算してコントロールします。 フルーツ、スポンジなどケーキの層を思い出して声部の個性を味わって。 左のシドレを右手のレに繋げて。左の下がる旋律はため息のように悲しく。 上がる方は自然なクレッシェンドを感じて。繋がり易い指づかいで。 テノールとソプラノの2つの声部が心に響く瞬間を聴きましょう。 左手の頂点で毎回待つように付点八分音符を長めにリズムは自由に感じて。 クライマックスはたっぷり溜めて。和音はバラして劇的なffの響きを作って。 16分音符の下降音階はrit+dimで。静かな世界に自然に戻れるタイミングで。 遠くを思い出すようにテーマは始めよりさらにpになるのでスムーズに繋がるように作りましょう。

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#257 シャベルザシビリ 「ノクターン」(2)

無名の作曲家による素晴らしい作品を取り上げています。 今回は技術的にも難しい前半のクライマックスの部分を見て行きます。 4段目の続きから、左の和音をフレーズの膨らみを感じながら弾いてみます。 左は常に右手のメロディーに自由に合わせられるよう片手で練習しておきます。 右手はクレッシェンドの大きさが波のように段々盛り上がりに近づくのを意識。 右旋律は前のめりにならないよういつもリズミカルに余裕あるタイミングで。 オクターブのメロディーの所は三和音が大きくなり過ぎないよう注意します。 左はバスのラインは繋ぎ、和音は小さく弾きますが一番上の音は少し出して。 バス、和音、メロディーの三声を三層のケーキに見立てて其々の役割も意識。 オクターブバスはまず手を鍵盤に置いてから弾きます。溜めるタイミングで。 メロディーの歌い回し、バスのタイミング、和音のバランスをコントロール。 オクターブの旋律はレガートできる指使いを工夫します。 大きなボリュームになり過ぎないよう客観的に聴きコントロールしましょう。

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#256 シャベルザシビリ 「ノクターン」(1)

美しい和声と旋律を持ち、中間部は情熱的なほぼ無名な曲を学びます。 ロシアとトルコの間に位置するジョージアは多くの音楽家を輩出しています。 音楽や芸術全般に於いても情熱的なジョージアの国民性が感じられます。 いつもと同様和声、旋律、リズムの3つの柱をよく意識しましょう。 冒頭から和音の連打で進行する左をソロで右手の旋律を感じながら弾きます。 音の出し方は東欧風に伴奏を前に表に出して、深く厚みのある民族調を意識。 エレガントで貴族的な西欧の薄い伴奏と対照的に鍵盤に沈む重い伴奏です。 テンポは「先へ」と「遅く」を繰り返しながら自由にうねって進みます。 和声の美しい変化を聴いて。美しい左を弾くと右も弾きたい気分になります。 情熱的な東欧風と軽く上品な西欧風のバランスの差を実際に弾いて試して。 伴奏の連打はメトロノームの縦割にならないで右手をイメージして合わせて。 旋律は音程をよく聴きメロディーを輪郭や形として考えて強弱で表します。 大きな音も上から叩くのではなく、身体をしならせ引っ張る、こねるように。 腕から回してスムーズに音を繋ぎながら個性的に歌えると良いです。 タイミングも大切です。少し遅くとった後は停滞しないよう先へ動かして。 ペダルは無しの練習も音楽的に。身体の動きも利用して音を出します。 音楽を通して未知のジョージアへの旅を体験しましょう。

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