#219 ショパン ポロネーズ第1番(3)

今回は中間部の前半にあたる4ページ目を見て行きましょう。 cis-mollから旋律的なDes-durに転調するのは雨だれの前奏曲と同じです。 Des-dur又はCis-durショパンの得意な幻想的な雰囲気の調です。 ソプラノ、バスと伴奏はそれぞれ音量に差をつけてバランスを作ります。 伴奏は膨らみを感じながらも基本的にpで、ソプラノはよく歌います。 タイミングはテンポをゆっくり→速く押し引きしながら進みましょう。 比べてアルトはpで弾いてバランス良く。片手でももう片方を想像しながら。 テンポはルバートでタイミングを大切に、自由に押し引きできると良いです。 時にはバスや内声を引き立たせて音楽を立体的に表現しましょう。 細かい音もタイミングにこだわりセンス溢れるショパン独特の和声を大切に。 和音をよく聴けば音色の変化の必要性が分かります。 フェルマータ付きの休符は長めに取って繊細な瞬間をわかりやすく表現して。 3拍子を2拍子で考えるヘミオラの3回のフレーズは頭にアクセントを感じて。 音楽の色々な可能性、アイディアを遠慮なく思い切って表して曲の雰囲気を伝えてみましょう。

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#218 ショパン ポロネーズ第1番(2)

前回の続きから3ページ目を見て行きましょう。 なるべくリズミカルに3回の上昇アルペジオのフレーズを技術的に捉えます。 各フレーズ=グループで和音が2つ、3つと考えてポジションの移動を意識。 和音を分散させて→段々ポジション移行の時間を減らして行きます。 指くぐりは手が傾くので避けて鍵盤に垂直に保てるポジション移動の奏法で。 軽く回すアクションを入れて、移動の抵抗を減らすため手は丸く小さく。 左の低いバス音は右のどの音符と合わせるかしっかり確認しましょう。 左右の合わせたい音でストップする練習が指の記憶のために効果的です。 技術的な練習はストレスにならないよう明るい気分を意識して。 ポジション移動のコントロールは鍵盤上のグループを落ち着いてよく見て。 アルペジオは流れてしまわないようリズム感を忘れずに拍を感じながら。 3回目の長いアルペジオは時間を取って。ペダルは踏み替えタイミング注意。 疲れた時には親指にアクセントをつけて弾きやすさを意識しましょう。 アルペジオは勢いで速く弾かずにゆっくり落着いて捉えると掴みやすいです。 3ページ目はポロネーズのリズムの後ペダルでH durのショパンの世界に移行。 始めは+から段々と−へ、装飾音は引っ張る奏法で美しく弾きましょう。 交差の部分の表現はfで力強くまたは優しく、異なる可能性を試し選びます。 トリルを<>でテーマに戻るときは自由にルバートを意識して。 中間部の前はritでゆっくり、たっぷり時間をかけて次への準備をします。

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#217 ショパン ポロネーズ第1番(1)

今4回に分けてショパンのポロネーズ第1番を見ていく1回目は1ページ目を学びます。 力強さと優しさのコントラスト、舞曲の要素などショパンらしさに溢れています。 個性のある表現を目指して技術的なことから見ていきましょう。 冒頭付点リズムの2音はfーpで、長いフレーズを6拍子で感じfからffに向かいます。 自然なタイミングで方向を感じることを大切に。3小節目の頭の減七和音はf fで強調。 冒頭テンションをつくった後→リラックス→アルペジオで再びテンションを作って。 ペダルも踏む/離す瞬間と長さを意識します。テーマは強弱とタイミングを分けます。 テーマの強弱は色々な解釈がありますがここではf→dec→cresc2つの山を作って。 まず強弱を掴む練習します。バスのオクターブはバラして響きを作りましょう。 タタタンタンのポロネーズのリズムはdec気味に左片手で練習、バスを強調して。 右はdecとcrescで伸び縮みさせたり、強弱は自由に感じて色々試しましょう。 次はタイミングです。ritとacclをバランスよく、徐々に強弱と組み合わせます。 スタッカートとレガートを左右それぞれ自由自在なアーティキュレーションで。 強弱は上下、タイミングは前後の動きと捉えて飛行機を操縦するように立体的に。 連打は同じ指、付点の3つの音は234を繰り返し最後は345で次フレーズに繋げて。 左の音程の広い和音はアルペジオです。右手の強弱は音量より+と−で考えます。 タイミングはルバートを経てテンポに戻るショパンらしさを意識しましょう。 ppの2:3は右のトリルを緩やかに自由に感じてritして幻想的な美しさを表します。 強弱、タイミング、ペダルとアーティキュレーション、まずは一つずつ集中してから→始めは強弱とタイミングの2つから組み合わせ→次はペダルを加えて練習します。 ペダルは特に離すタイミングを大切に。完璧を目指さずフィーリングで弾いてみましょう。

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#216 マスカーニ 「間奏曲」(3)

今日はマスカーニ間奏曲の最終回、3ページ目のレッスンです。 コーダで出てくる連打を弾くコツなども見てみましょう。 たっぷり溜めたクライマックスはうるさくならないように丸みのある音色で。 左右のタイミングは合わせずに、アルペジオやオクターブもバラして自由に。 特に1回目盛り上がりのインパクトは一番大切なのでタイミングに凝ります。 アルペジオで弾く左の和音の最後の音は右手で取っても良いでしょう。 そのまま同時に弾く所とアルペジオで弾く場所を耳でよく聴いて分けて。 右のオクターブの連打のメロディーは柔軟なタイミングでクレッシェンド。 左の跳躍に集中するが故に右のメロディーの表現が硬くならないよう注意。 3段目のffと4段目のppの差を大きく感じて最後の感動に結びつけます。 マスカーニ自身が「祈り」と題名をつけていた間奏曲の最後は祈るように。 曲の始まりも教会の中の讃美歌のようなイメージで。原曲は弦楽器、ハープ、オーボエ、オルガンの豊かな響きです。オペラ中では命を掛けた戦いの前の祈りを意味。 最後は天に昇って行くように…と曲の中にも物語があるのを意識しましょう。 オクターブの連打は1、2回目はcresc→dec、3回目は大きなクレッシェンドで。 左のジャンプは難しいのでバスと和音の進行で頭で理解することも大切です。 バスのF-E-D-C-B-A-Gのラインから特にFDBを意識すると余裕に繋がります。 タイミングもバスから和音に飛び込むよりも少し待ってコントロールします。 左手に集中して練習します。最後はritとdecですが弱々しくなりすぎずに。 pの中で最後の3つの節も少し膨らまし、下から立ち上がる光のある音色で。 F -durの平和な世界で幸せに終わります。弦楽器やオーボエ、オーケストラの響きから学びながらピアノで祈りを表してみましょう。

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