Louis

#253 ドビュッシー 「帆」(2)

ドビュッシーの「帆」の2回目は2ページ目を見ていきましょう。 真ん中の層は水、風が上に乗って、下は同じタイミングで船の汽笛。 3つの層を全て合わせて弾く事は絵を描く事に似ています。 真ん中の層=水の音がレミファ♯ソ♯ラ♭シ♭ドレミ…と全音階を描いています。 次は上の層=空を強調してみます。空と水の船のバランスをよく聴いて。 3つの層を単独で弾いたり合わせたりしながらそれぞれを聴き分けるます。 まずペダル無しでリズムを細かく数えますが最終的には柔軟に弾きます。 慣れたらペダル入れて大きな4拍でリズムを取りましょう。 2段目からテンポをupしながら特に「水」の中間層に集中して追って行きます。 テンポと動きに勢いを加えて3層のキャラクターの区別を更に大きくつけて。 ドビュッシーの楽譜は時々3段に分かれて各々の層が分かりやすくなっています。 右の伴奏、次は下の声部を加えて。3声全てを弾かずとも美しく聴こえるように。 右手は上の旋律の出し方はテヌートに注意しながら聴きましょう。

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#252 ドビュッシー 「帆」(1)

今日からドビュッシーの作品を4回に渡って見ていきます。 響きの作り方、音の考え方、音の層を作ることなど学んでいきましょう。 ドビュッシーの前奏曲には全てタイトルが曲の終わりについています。 イメージを限定しない為ですが今回はあえて「帆」を考えながら学びます。 船、水、空(鳥)と3つの層で音楽を考えます。例えば2段目のバスは船。 故郷アムステルダムの霧の運河に響く神秘的な汽笛の音のイメージです。 真ん中の層のスムーズなオクターブや和音は水。この2つの層を聞きます。 一番上の層は空、鴎、風。空間に音で絵を描くようなイメージで弾きます。 平面ではなく3層から成る音楽をオーケストラの様に立体的な響きを作って。 奏法的には下の層は重く、真中は回して、上の層は下から上に勢いをつけて。 下から上は鍵盤から立ち上がる、鍵盤から跳ねる感覚でクリアな音なります。 表示通りにテンポは中くらい、リズムを硬く感じないで、優しいタッチで。 全音階はI、IV、V等和音の機能がないので音楽の重力のない浮遊音階です。 練習ではまずペダルなしで8分音符を感じてリズムを感覚で掴みます。 次の段階はタッチに集中して急がずに風、船、水、鴎と層を意識します。 美しく弾こうとせず雰囲気を作る、音で絵を描く、響きを作る事に集中して。 重音の指使いは35-35-24-13-12 25-13。8部音符でリズムを刻みます。 テンポは始めはゆっくり、余裕が出てきたら流れを感じられる速さで弾いてみましょう。

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#251 アルベニス 「グラナダ」(4)

グラナダの最終回は曲の後半から終わりまで見てみましょう。 前回のマルカートはDes -dur。F→As→F→f→Des(3度↓)と進行しました。 次は始めの明るいFのテーマがDes-durで戻りますがダークな色調を意識して。 3段目の最後は重く歌い、元のテーマが出てきたら思い出すような雰囲気で。 新しいフレーズは和音を味わって、左手のスペイン風はペダルに気をつけて。 和音はアルペジオで弾くと1pに比べ柔らかさと幻想的な感じが表現できます。 右ファソは親指で取ります。テーマに戻る前はたっぷりritします。 ジャスミンの香りが漂う窓辺で若者がセレナーデを歌う情景を思い浮かべて。 雰囲気をイメージして無理せず自然にスペインの音楽を感じることが大切です。 アルペジオは自由につけますが、特に短調に戻る手前の2つの和音は必須。 最後上の音を少し出してファ-ミを繋げて。その後のソプラノ旋律は明るい音。 3p下から2段目以降は少し自由に。左手のギターのような動機はリズミカルに。 右の和音は打楽器のように強調して。テーマに戻る前は3回繰り返しのフレーズ。 最後はritして元のテーマに戻ります。曲の最後は大きなアルペジオです。 指使いは弾きやすいように決めます。例えば左52142421→ラファは右手14で。 2音を弾く瞬間は少し待つと自然です。手首を柔かく保って自由なタイミングで。 F durの明るいイメージで終わりたい時は最後の音だけ鍵盤をはじいて下から上に。 暗く落ち着きたければそれも良いです。曲の終わりもこだわりを持ちましょう。 悲しさや強さ、荒っぽさや明るさなど表情の豊かなスペインの音楽です。 タイミングやルバートはギターの演奏からも学んでみて下さい。

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#250 アルベニス 「グラナダ」(3)

続きで2ページ目の歌い方、音のバランス、装飾音など細かく見てみます。 右手は70%、左手30%のバランスを耳を使ってよく聴きながら作ります。 右の装飾音ラシラソ等は焦らずゆっくり入口前で止めると丁寧です。 テンポは加速→待つ、を繰り返し自由に。右が2声の場所は指使いを工夫。 マルカートは手首から。歌う時には力が入らないよう脱力しましょう。 前回身体の動きでルバートを感じ取ったのを思い出してリズムに乗ります。 肩や上半身を柔らかく動かして装飾音のリズムを作ると良いでしょう。 短調から長調への変わり目をよく聴いて。晴れてきたことを表します。 短調か長調だけでなくキーが変わると雰囲気が変わるのを意識して。 重さを載せると暗いトーン、逆に鍵盤から立ち上がると明るいトーンに。 求められた響きによってタッチを変えて。右の2声はどちらを出すか意識。 手の傾きによってソプラノ又はアルトのどちらかを強調しましょう。 マルカートは心持ち叩くような大きな動きで。自由にルバートをかけて。 中音部の旋律のペダルは細かく踏み替えたり、離す瞬間を長く保って。 イタリアに比べ粗野なスペインの音楽はアフリカやイスラム教の影響です。 他にないパンチの強さ、鋭く尖った表現を試してみましょう。

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