レッスンビデオ

#269 シベリウス「樅の木」(2)

全体の雰囲気〜細かい所も学びました。豊かな表現に満ちた小曲です。 冒頭の即興的なパッセージが悲しいワルツに変わるのをよく聞いて。 3段目のダークな色調から明るい方向へ音色が変化して行きます。 暗い色は脱力して腕の重さを鍵盤に乗せて、深く下へ入るように。 そこから少し上へ意識して、dolceでは下から上に立ち上がるタッチ。 ドビュッシーの月の光のような明るい音色を作ることができます。 ここはルバートのリズムの中で少し先に行くようにテンポupして。 フレーズの終わりでまたテンポを戻すのを2回繰り返します。 次の部分ワルツのリズムになっても同様に。テーマはアダージョです。 dolceは左手の親指を出して。和音を時計の2時の方向押します。 小さいニュアンス程度で十分な立体感が生まれます。 休符を聴かせるためにペダルを離すとテンポが少し変化して素敵です。 最後の段、右手は親指のメロディーと外側の指の伴奏は自然に回して。 右伴奏を一つずつ下げて弾くと音が重く大きく鳴り過ぎます。 左の和音は右の旋律を迂回する動きでバランス聴きながらテンポup。 下の段の強弱は< >で。この曲は自由に感じるのが最も大切です。 音色を変化させルバートを気持ちよく感じながら弾いてみましょう。

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#268 シベリウス「樅の木」(1)

先月に引き続きフィンランドの作曲家の作品を学びます。 「樅(もみ)の木」はシベリウス作曲のこの季節に相応しい素敵な曲です。 「感傷的なワルツ」とも表すことができ、即興的にゆったり流れます。 冒頭から雰囲気を掴む事が大切。右はワルツ、左は2拍子です。 strettoはバロック音楽の言葉で、フーガのテーマが次々現れます。 アラルガンドは段々遅くなりながらクレッシェンド、の意味。 練習ではテンポと強弱を別々に。6カウントが5拍に変わるのを意識。 ソプラノを出してレガートで弾いてみましょう。2つの音を繋いで。 音が多い時はその中から主要な音を選んで出しましょう。 ペダルは表示通り2回だけでは濁るので和音が変わる毎に踏み替えて。 このオープニングの部分は即興のイメージで自由に弾きましょう。 プレリュード風または即興曲にタイミングにこだわってみます。 3拍子の右手は親指がメロディーラインです。他の音は伴奏で軽く。 メロディーになれるためあまり強弱を気にせずfで出すことに集中します。 右手は片手で重いメロディーと軽い伴奏に差をつけながら練習しましょう。 ニュアンスをつけるにはアクセント、クレッシェンド等用いてみます。 1と2と3と…と実際にリズムを口に出して数えながら。 ペダル離してブレスを入れて。アルペジオは急がずに勢いを付けずに。 ルバートをコントロールしてイメージ通りにテンポを伸び縮みさせて。 自由過ぎにならないよう、リズムを刻む方向で。 2段目の5小節めの旋律ファ♯は左であとは右で引き継ぎます。 強弱を大きなグループで+と−で考えてコントラストを作りましょう。 +の部分は手にかかる重みを増やすイメージで、逆に−は軽いタッチで。 色々な表現を味わいながら哀しい雰囲気を作って弾いてみましょう。

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#267 カスキ「夜の海辺にて」 (4)

フィンランドの美しい作品の最後の2ページを見て行きましょう。 難しさを忘れて美しく弾くことに集中できると良いです。 左手の伴奏の指は521321 521421と波を意識しながら静かに。 右の旋律を想像しながら強弱とタイミングもまずは左手だけ弾きます。 右は3-125-2-125-3-125-3-124…和音の真ん中の音3と2よく聴いて。 メロディは上の音です。内声も理解して指でも覚える事が大切です。 指でパターンを掴むと弾き易くなります。トリルは遠慮せずritとdim。 次は左最初の6つの音を聴いて。初めの和音はアルペジオでもOK。 クレッシェンドで勢いがつかないようにテンポをキープしながら。 1,2拍目mf→3,4拍目pp→次の2拍は+→次の2拍はー→crescで。 前と違う和音の色を意識。右手は歌い1回目と2回目は表情を変えて。 4段目の左の指使いは1pと同様521125が最適。ペダル踏み替えて。 テーマが戻って来る所ソドは思い出すように幻想的に風に乗って。 遠くからの所はpで弾きます。pでも右旋律は歌うトーンで。 1pはプラスだった3小節目と異なりそのままpをキープします。 強弱を変えずにタイミングだけ自由にすると薄い色彩感で効果的に。 ソラソファミファソも時間を取ってゆっくり弾きます。 pの後の最後の方の和音は深い響きを出して印象的に表現します。 ピアノの鍵盤に深く沈み込んで上と下の和音を響かせてみましょう。

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#266 カスキ「夜の海辺にて」 (3)

夜の海辺にての2ページ後半〜3ページ目を見てみましょう。 2段目は表現が強い所、3段目は盛り上がり前で抑えます。 そこからcresc→一度収まり→音楽はクライマックスへ向かいます。 左手は初めて波の動きから解放され和音になり逆に右手に波の動き。 波らしく聴かせるには<>またはタイミングを考え少しritを取り入れて。 2段目盛り上がりの後、3段目最初の2小節は少し落ち着いて。 左は531-421 531-421 521-531 521-321 と3つづつ区切り解り易く。 この2小節の4つの波のフレーズの中で<>を作りましょう。 右のメロディは左に比べて80%の音のバランス。ファ♯は強く。 装飾音は短前打音なので拍の前に弾き、アルペジオもゆったり。 クレッシェンドの時は少しテンポアップしましょう。 右手の伴奏はリラックスしながら自然な響きで音量は抑えます。 1回目の波の音量は+、2回目は減らし3、4回目で盛り上げて。 指使いを決めて両手でまずペダルなしでゆっくり併せましょう。 左波型はファ♯とミの違いを意識。右手重音はノンレガートで脱力。 技術的な所なので色々なアーティキュレーションやリズムで練習。 力が入らないようにタッチの練習も重要です。 特に2小節目の後半は難しいので少し時間を取っても良いです。 繰返し弾き続けると段々聴こえなくなりテンポが速くなるので注意。 トリルはfから入りdim+ritで左も同様。左ソに右ファソを併せて。 音楽のクライマックスも落ち着いてコントロールして表しましょう。

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#265 カスキ「夜の海辺にて」 (2)

自然の美しいフィンランドの作曲家カスキの作品の2回目です。 波を意識しながら1ページ下段から2ページを見て行きましょう。 前回の波はモーツァルトの幻想曲の冒頭部を思い出す大きな波です。 暗い夜の海辺にベートーヴェン月光を想い右手は光るトーンで。 上下に細かく動く今回の波は音の濁りに気をつけ親指の音を強調。 左のファ♯♯と右のラの不協和音が導く神秘的な緊張感を表して。 右和音の上の音=旋律は時計を思い浮かべて手を2時方向に押して。 上の音を残して下の和音をすぐ離し脱力しましょう。 和音中一つの音を強調し後の2ー3音は加減すると均整が取れます。 和音を何度も弾いて自分の理想とするバランスを求めましょう。 2段目は歌って。伴奏:旋律の音数が3:1を意識して良いバランスで。 右は表現強く70%〜80%位出すつもりでfの気持で弾きましょう。 左3つの音の中に小さな< >の波の様な強弱でフレーズを作って。 20%のpの音量内で強弱をつけます。f♯ーf♯♯ーg♯のバス音を意識。 バスの旋律を聴きましょう。旋律はルバート気味に時間を掛けて。 波型伴奏の上りは532-1421が自然な指使いでしょう。 右は離しながら弾くとレガートと違う音色のルバートになります。 このような曲は堅苦しく考えず自由なルバートで表現してみましょう。

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#264 カスキ「夜の海辺にて」 (1)

フィンランドの作曲家カスキの「夜の海辺にて」を学びます。 初めの3段をみます。左手の伴奏は水の音、波を意識して。 自然の響きを作りその上に旋律をバランスよく乗せます。 左手の指遣いは音符の上下に2通り(314と215)記してあります。 5321-42124-1235と上ったのと同じ指で戻ります。 4音と3音、2つのグループを意識して。 手が小さければ521-5421245-125と3音と4音のグループも可。 レガートのフレーズは指くぐりより2ポジションをペダルで繋いで。 音が飛び出さずになめらかに繋げられるように練習します。 タイミングは入口と出口、頂点で時間を取って波を作って。 強弱は< >を音量調節しながら波を作ります。 右手はたっぷり歌って自由に。柔らかさを保ちましょう。 全体の響きを聴きながら夜の海辺の雰囲気に合う暗いトーン。 左右が2:8、3:7位の音量バランスも大切です。 強弱は2段目を+で。その後はまた元の音量に戻ります。 ソラソファミファソのソラソはテヌート気味に強調します。 オクターブの5小節目のテンポは少し進み、7小節で戻します。 最後の小節も< >で小さな波を作って。 オクターブのメロディーは深く鍵盤に沈みこむ感覚です。 小さな波の動きは長いフレーズ比べて海が荒れて聴こえます。 3段目2つ目の右の和音はアクセントを感じて大切に。 オクターブの旋律はレガートを感じながら深く。 このように始めの3段から夜の海辺雰囲気を掴めるといいです。 左右の音のバランス、右のルバート、タイミング、強弱など考えて夜の海辺を表現してみましょう。

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#263 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (4)

今回はラフマニノフの前奏曲作品23の4の最後の部分です。 4つの層を良く聞きます。右手のテーマは歌いましょう。 上の伴奏は軽く鳴らします。左手伴奏はバスとテノールの2声です。 激しいクライマックスのあと優しい雰囲気が戻ってくるところです。 練習方法の1つはソプラノの伴奏なしでテーマに集中すること。 2拍づつ、1→2拍目と3→1拍目を練習するとスムーズに繋がります。 声部のバランスをよく考えながら。最後はアルペジオの順番です。 最後の音を左に合わせて左、右、右、左右といった具合です。 2段目の大きなアルペジオは左-左-右-右-右-右-左右の順番で。 同じように1段目の1小節目は左-右-右-右-左右と合わせます。 右手だけテーマとソプラノの伴奏をバランスを聴く練習も大事。 左もバスとテノールの伴奏を聴き分けペダルのタイミングを確認。 練習は旋律を美しく弾くことは考えずに脱力と声部に集中します。 慣れたらペダルを入れてテーマと他の声部を客観的に聴きながら。 左手は難しいので指遣いを工夫しましょう。 テノールが入る前に待つか又は最初の音を長めにとって弾き易く。 大きなクライマックスの後、最後のクレッシェンドが出てきます。 その前から強弱を調整し綺麗な音を引き立たせ終わりに向かって。 低音が多いのでペダルはよく踏み替えて濁らないよう注意。 エンディングは長すぎないよう流れを作りritしたらテンポ戻して。 最後は少し加速してcrescで階段を登り→ppで優しく終わります。 声部の層とルバートを感じながらラフマニノフを弾いてみて下さい。

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#262 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (3)

ラフマニノフのプレリュードは2p目下の段から3p目を見てみます。 音楽はフレーズを波と感じフレーズの合間はリラックスしながら進んで。 ペダルなしできれいに弾くよりも脱力を意識して左の三連符を練習。 左右の3:2を硬く感じないでフレーズの終わりはゆっくりします。 アルペジオは最後の(4つ目)の音を左に合わせて弾きましょう。 mfでテヌートを出し強弱は+−で。船のイメージで揺れを感じ取って。 左ミーシの大きなアルペジオはまず左ミ→右ソシミ→左右同時にミシ。 アルペジオはゆっくり考え、突っ込んで行ったり速く弾こうとしないで。 クライマックスは一気に盛り上がらずにff向かってpーmfから徐々に。 バスのラインを耳で追うことで音楽を理解し記憶を安定させます。 右のテヌートでクレッシェンドを重ねて行く所も作曲家の意図を見て。 和音もフレーズも急がず脱力を心がけることが大切です。 クライマックスは2つの音をdownーupで力の抜きやすい奏法を意識します。 重さを感じて鍵盤の中に沈み込んで休む、と考えると脱力を意識できます。 力を入れようとするのではなく重さを使ったボリュームを柔らかい音で。 上から落とすと大きなインパクトのある音を出すことができます。 右手は和音の形を手で覚えて間違っても縮こまらず上から落とし脱力で。 練習はまず和音の形を作った手を鍵盤に置いて上から落として。 波型の左手をスムーズに弾くことも右手の旋律が乗れるのに大切です。 左のミミ♭レは濁らないようにペダル外して右手は指で押さえて音を繋げて。 音楽的には前の2ページ目が一番難しく最も盛り上がるのが3ページです。 来週はこのページ下の段から最後のページを見て行きます。

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#261 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (2)

ラフマニノフのプレリュードの2p目は音楽を3つの層で考えます。 下の層は左手のp伴奏、右手は2つの層=伴奏と旋律をうけもちます。 まず左手と右の伴奏部が2(チョーフ):3(ミタカ)になるのを確認します。 ロシアの音楽は伴奏の響きを豊かに。右手は旋律を伴奏から独立させて。 止まらずに繰り返す「ループ練習」でバランスを掴みましょう。 旋律のテーマをレガートで歌えるように伴奏は軽くpで。4:3:2意識。 ペダルなしで3声の入るタイミングをよく聞き確かめながら弾きます。 旋律が伴奏に埋もれないようにまずは声に出して歌いながら弾いて。 fでテンポをupした後はバランスを取って思い切りゆっくりpで。 テンポはルバートで自由に速い→遅いを繰り返し伸び縮みさせます。 上の伴奏はあまり遠慮しすぎずにcresc.したり溜めたり自由に。 2っ段目はリズミカルに感じ盛り上がる部分は伴奏も厚い響きで。 3段目の最後のpは重く深い響きを求めてから一気にクライマックスへ。 dimで段々軽くなりritして→次の動きのあるパートへつながります。

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#260 ラフマニノフ 前奏曲 No.4 (1)

美しく少し難しいラフマニノフの作品を1pずつ見て行きましょう。 伴奏は左手だけで弾いても、両手を使ってもいいでしょう。 一小節目から右手で伴奏を取り、旋律が出て来ても右手内側の指は伴奏。 高めの音域伴奏音を基本的に右手で取ることに徐々に慣れましょう。 この曲に関してはこのように始めから指を決める方向です。 響きを作ることが大事です。脱力しながら身体の動きを考えて。 リラックスしながら響きをよく聴いてルバートを意識します。 右手を独立させる=旋律部と伴奏部の音のバランスだけではありません。 メロディーのラインを繋げる為に伴奏は短く軽く違った弾き方で練習。 旋律は音を一つずつ歌うトーンで繋げて伴奏と完全に分離させます。 メロディーの繋がりがよく聴こえてくるとタイミングを自由に選べます。 伴奏に押されずに旋律の前の音が次の音のタイミングを決める感覚です。 慣れたらペダルを入れて、伴奏より旋律に集中が行くように。 ロシアの音楽は伴奏を小さく弾くより響きをうまくブレンドさせて。 ラフマニノフは強弱の指示が多いですが自分からもコントラスト作って。 4:3のタイミングは工夫しますがピッタリ入る事が目標ではありません。 美しく和音の変わるソーファ♯の付点のリズムは大きくdimで強調。 大きなクレッシェンドはritが長過ぎて重くならないように注意します。 たっぷり溜めたあとは先へ動いてバランスを保ちましょう。 旋律の独立と強弱、表現のほか雰囲気を掴んで即興的に感じる事が大切。 響きを作って奏でてみましょう。

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#259 シャベルザシビリ 「ノクターン」(4)

今回はシャベルザシュヴィリの曲の最終回、3ページ目を見て行きます。 ABA形式です。2回目にテーマが戻る時は思い出すようにテンポを少し遅く。 1ページ目の強さのある表現に比べて音量も抑え、平面的で幻想的な雰囲気で。 左手はアルペジオ伴奏と旋律の2役。右手の和音伴奏は小さく< >しましょう。 アルペジオは厚みのある音で、特にメロディー部を練習では大袈裟に出して。 左手は練習ではしっかり大きな音で、脱力も忘れずに。慣れてきたらきれいに。 次に右手の和音の音量バランスをよく聴いて→タイミングも意識しましょう。 右手の6拍目の辺り左手のアルペジオを始めて。段々山の高さを減らしdimで。 最後は小節ごとに小さな< >で膨らませて伸び縮みしつつ終わりに近づきます。 ロシア作品によくあるため息の様な手に入らない何かを求める様な情緒を意識。 曲の最後は大切です。アルペジオもなるべくゆっくり取ってロマンティックな表現を目指しましょう。

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#258 シャベルザシビリ 「ノクターン」(3)

前回の続きで後半の始めの方をみていきましょう。 右手オクターブの続きから、手を軽く回しながら上の音を残し下を離します 上の音はなるべくレガートです。左に合わせながらも溜めてレガートで。 関節を柔らかくするため内側の第一指は連打にして練習すると良いです。 強弱は大きくなり過ぎないように注意してmp位で十分です。 強弱は、構成を頭で考えて計算してコントロールします。 フルーツ、スポンジなどケーキの層を思い出して声部の個性を味わって。 左のシドレを右手のレに繋げて。左の下がる旋律はため息のように悲しく。 上がる方は自然なクレッシェンドを感じて。繋がり易い指づかいで。 テノールとソプラノの2つの声部が心に響く瞬間を聴きましょう。 左手の頂点で毎回待つように付点八分音符を長めにリズムは自由に感じて。 クライマックスはたっぷり溜めて。和音はバラして劇的なffの響きを作って。 16分音符の下降音階はrit+dimで。静かな世界に自然に戻れるタイミングで。 遠くを思い出すようにテーマは始めよりさらにpになるのでスムーズに繋がるように作りましょう。

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#257 シャベルザシビリ 「ノクターン」(2)

無名の作曲家による素晴らしい作品を取り上げています。 今回は技術的にも難しい前半のクライマックスの部分を見て行きます。 4段目の続きから、左の和音をフレーズの膨らみを感じながら弾いてみます。 左は常に右手のメロディーに自由に合わせられるよう片手で練習しておきます。 右手はクレッシェンドの大きさが波のように段々盛り上がりに近づくのを意識。 右旋律は前のめりにならないよういつもリズミカルに余裕あるタイミングで。 オクターブのメロディーの所は三和音が大きくなり過ぎないよう注意します。 左はバスのラインは繋ぎ、和音は小さく弾きますが一番上の音は少し出して。 バス、和音、メロディーの三声を三層のケーキに見立てて其々の役割も意識。 オクターブバスはまず手を鍵盤に置いてから弾きます。溜めるタイミングで。 メロディーの歌い回し、バスのタイミング、和音のバランスをコントロール。 オクターブの旋律はレガートできる指使いを工夫します。 大きなボリュームになり過ぎないよう客観的に聴きコントロールしましょう。

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#256 シャベルザシビリ 「ノクターン」(1)

美しい和声と旋律を持ち、中間部は情熱的なほぼ無名な曲を学びます。 ロシアとトルコの間に位置するジョージアは多くの音楽家を輩出しています。 音楽や芸術全般に於いても情熱的なジョージアの国民性が感じられます。 いつもと同様和声、旋律、リズムの3つの柱をよく意識しましょう。 冒頭から和音の連打で進行する左をソロで右手の旋律を感じながら弾きます。 音の出し方は東欧風に伴奏を前に表に出して、深く厚みのある民族調を意識。 エレガントで貴族的な西欧の薄い伴奏と対照的に鍵盤に沈む重い伴奏です。 テンポは「先へ」と「遅く」を繰り返しながら自由にうねって進みます。 和声の美しい変化を聴いて。美しい左を弾くと右も弾きたい気分になります。 情熱的な東欧風と軽く上品な西欧風のバランスの差を実際に弾いて試して。 伴奏の連打はメトロノームの縦割にならないで右手をイメージして合わせて。 旋律は音程をよく聴きメロディーを輪郭や形として考えて強弱で表します。 大きな音も上から叩くのではなく、身体をしならせ引っ張る、こねるように。 腕から回してスムーズに音を繋ぎながら個性的に歌えると良いです。 タイミングも大切です。少し遅くとった後は停滞しないよう先へ動かして。 ペダルは無しの練習も音楽的に。身体の動きも利用して音を出します。 音楽を通して未知のジョージアへの旅を体験しましょう。

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#255 ドビュッシー 「帆」(4)

今回は「帆」の最終回、4ページ目を見て行きます。 このページは船の音→グリッサンドのような動きで始まります。 船は重く、グリッサンドは手を回し始めの音長め。その上に全音階の風。 風の元のテーマ、カモメ、水(波)が同時に出てきます。グリッサンドの上で ドミだけ残しペダルを一度離し、再度踏んで響きを残します。 神秘的かつリズミカルを意識して。アジアンな五音階は異国の香りです。 リズムに集中し1234と8分音符で数えながらペダルなしの練習も効果的。 曲の冒頭と同様、硬いリズムにならないで横の動きを滑らかに意識。 余裕があればリズムに動きや抑揚を感じられると更に良いでしょう。 4ページ目グリッサンド風以降は中華風からフランスの雰囲気に戻ります。 波の動きのように左から右→左から右とスムーズなバトンタッチの要領で。 波の始めと最後の音を少し強調しましょう。 左手はバスの船は重い腕でdown、交差した上部の風はupと弾きわけて。 頭でタッチを考えずに空の音を出したい時に自然にupなるのが理想です。 ペダルが濁らないような工夫された難解な指使いの表示は従わなくても可。 上のメロディーは左右の手でやさしく丁寧に出しましょう。 和音はキラキラとした響きを下から上のタッチを使ってはじくように。 最後はテーマを少し思い出すように柔らかく強すぎずに主張して。 一番最後のグリッサンドはゆっくりritで弾くときれいです。 重力のない全音階は宇宙の中で浮遊しているように感じられます。 音を層で考え絵を描くように響きを作ることを心がけましょう。

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