#217 ショパン ポロネーズ第1番(1)

今4回に分けてショパンのポロネーズ第1番を見ていく1回目は1ページ目を学びます。 力強さと優しさのコントラスト、舞曲の要素などショパンらしさに溢れています。 個性のある表現を目指して技術的なことから見ていきましょう。 冒頭付点リズムの2音はfーpで、長いフレーズを6拍子で感じfからffに向かいます。 自然なタイミングで方向を感じることを大切に。3小節目の頭の減七和音はf fで強調。 冒頭テンションをつくった後→リラックス→アルペジオで再びテンションを作って。 ペダルも踏む/離す瞬間と長さを意識します。テーマは強弱とタイミングを分けます。 テーマの強弱は色々な解釈がありますがここではf→dec→cresc2つの山を作って。 まず強弱を掴む練習します。バスのオクターブはバラして響きを作りましょう。 タタタンタンのポロネーズのリズムはdec気味に左片手で練習、バスを強調して。 右はdecとcrescで伸び縮みさせたり、強弱は自由に感じて色々試しましょう。 次はタイミングです。ritとacclをバランスよく、徐々に強弱と組み合わせます。 スタッカートとレガートを左右それぞれ自由自在なアーティキュレーションで。 強弱は上下、タイミングは前後の動きと捉えて飛行機を操縦するように立体的に。 連打は同じ指、付点の3つの音は234を繰り返し最後は345で次フレーズに繋げて。 左の音程の広い和音はアルペジオです。右手の強弱は音量より+と−で考えます。 タイミングはルバートを経てテンポに戻るショパンらしさを意識しましょう。 ppの2:3は右のトリルを緩やかに自由に感じてritして幻想的な美しさを表します。 強弱、タイミング、ペダルとアーティキュレーション、まずは一つずつ集中してから→始めは強弱とタイミングの2つから組み合わせ→次はペダルを加えて練習します。 ペダルは特に離すタイミングを大切に。完璧を目指さずフィーリングで弾いてみましょう。

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#216 マスカーニ 「間奏曲」(3)

今日はマスカーニ間奏曲の最終回、3ページ目のレッスンです。 コーダで出てくる連打を弾くコツなども見てみましょう。 たっぷり溜めたクライマックスはうるさくならないように丸みのある音色で。 左右のタイミングは合わせずに、アルペジオやオクターブもバラして自由に。 特に1回目盛り上がりのインパクトは一番大切なのでタイミングに凝ります。 アルペジオで弾く左の和音の最後の音は右手で取っても良いでしょう。 そのまま同時に弾く所とアルペジオで弾く場所を耳でよく聴いて分けて。 右のオクターブの連打のメロディーは柔軟なタイミングでクレッシェンド。 左の跳躍に集中するが故に右のメロディーの表現が硬くならないよう注意。 3段目のffと4段目のppの差を大きく感じて最後の感動に結びつけます。 マスカーニ自身が「祈り」と題名をつけていた間奏曲の最後は祈るように。 曲の始まりも教会の中の讃美歌のようなイメージで。原曲は弦楽器、ハープ、オーボエ、オルガンの豊かな響きです。オペラ中では命を掛けた戦いの前の祈りを意味。 最後は天に昇って行くように…と曲の中にも物語があるのを意識しましょう。 オクターブの連打は1、2回目はcresc→dec、3回目は大きなクレッシェンドで。 左のジャンプは難しいのでバスと和音の進行で頭で理解することも大切です。 バスのF-E-D-C-B-A-Gのラインから特にFDBを意識すると余裕に繋がります。 タイミングもバスから和音に飛び込むよりも少し待ってコントロールします。 左手に集中して練習します。最後はritとdecですが弱々しくなりすぎずに。 pの中で最後の3つの節も少し膨らまし、下から立ち上がる光のある音色で。 F -durの平和な世界で幸せに終わります。弦楽器やオーボエ、オーケストラの響きから学びながらピアノで祈りを表してみましょう。

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#215 マスカーニ 「間奏曲」(2)

今日はゆったりときれいなテーマで始まる2ページ目からのレッスンです。 オーケストラのように壮大に美しく歌うことをピアノでも再現しましょう。 アルペジオはハープのイメージを持ち左右の手で工夫して分担して弾きます。 アルペジオは音の分離を耳で確かめながらゆっくりペダルなしで練習します。 和音を耳で覚えて指で掴む為に同時に和音だけで弾いて指に記憶させます。 音を残しながら和音を繋げてレガート練習すると手が和音の位置を覚えます。 アルペジオは指より柔らかく手首をしならせるように使って弾きましょう。 クレッシェンドとデクレッシェンドを+と-で表し前の部分との関係を考えて。 メロディー=大、伴奏=小というバランスもとても大切です。 上向きの大きなクレッシェンドはたっぷり溜めて頂点のフォルテからピアノへ。 イタリアのオペラらしく表現は強くドラマチックに強弱を幅広く表しましょう。 旋律とともに伴奏も大きくなるとかなりのボリュームになるバランスを聞いて。 特に歌うように弾きたい時はタイミング=ルバートを意識しましょう。 ある所でたっぷり待ったらその後でその分を取り戻す様に音楽を先へ動かして。 きっかり拍子に合わせずに、毎回一拍目の前は少し待って=ルバート気味に。 アルペジオ強弱そしてルバートとはじめはそれぞれポイントを分けて練習も可。 最後に強弱、タイミング、バランス、アルペジオ全て組み合わせてペダルを使ってオーケストラのイメージを持って、少しハードルの高い豊かな音楽を気持ちよく弾きましょう。

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#214 マスカーニ 「間奏曲」(1)

イタリア人作曲家マスカーニのオペラ「カバレリア・ルスティカーナ」からお馴染みのメロディー「間奏曲(インテルメッツォ)」をピアノ編曲版で学びます。 オーケストラ曲のピアノ版ゆえ弾きにくく難しい箇所もゆっくり見て行きます。 ピアノには真似できない美しい弦楽合奏やオーボエ、オルガンが特徴的です。 カバレリア・ルスティカーナ=「田園風な騎士道」という意味を持ち、テーマが貴族社会から庶民へと移った頃の文芸作品に基づいて書かれました。 イタリア歌劇によくある恋のもつれの物語ですが音楽は素晴らしいです。 弦楽器らしい始まりのフレーズは止まらないよう16分音符で刻んで流れを意識。 音と音の間の繋がりを感じ、リズムをコントロールして良いタイミングで。 16分音符でリズムを刻む事で進んだり溜めたりも自然なタイミングを掴みます。 溜めて弾く2小節の1拍目は指のアタックだと美しくないので柔らかく押します。 手の動きの為には指使いを変えて。音の繋がりをよくしましょう。 左手の大きな和音はバスを前打音風に、あとの音はハーモニーの扱いに分けて。 5連符は一拍の中入るように練習してから→ルバート気味にゆっくり弾きます。 タイミングは意外に複雑です。溜めたらテンポを戻して、を繰り返します。 最後はテンポを緩めて丁寧に。和音は右で取れば左手の移動がスムーズです。 a-mollの13小節目フレーズは楽譜のアレンジではなく原曲のオーボエの旋律で。 曲を通して3拍目が美しく大切な拍になることが多いことを意識しましょう。 C-durに戻る瞬間からcresc.で歌って和音を割って弾く時は焦らずゆったり。 バランス、タイミング、強弱等余裕を持って自由に音楽を表現してみましょう。

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