Louis

#258 シャベルザシビリ 「ノクターン」(3)

前回の続きで後半の始めの方をみていきましょう。 右手オクターブの続きから、手を軽く回しながら上の音を残し下を離します 上の音はなるべくレガートです。左に合わせながらも溜めてレガートで。 関節を柔らかくするため内側の第一指は連打にして練習すると良いです。 強弱は大きくなり過ぎないように注意してmp位で十分です。 強弱は、構成を頭で考えて計算してコントロールします。 フルーツ、スポンジなどケーキの層を思い出して声部の個性を味わって。 左のシドレを右手のレに繋げて。左の下がる旋律はため息のように悲しく。 上がる方は自然なクレッシェンドを感じて。繋がり易い指づかいで。 テノールとソプラノの2つの声部が心に響く瞬間を聴きましょう。 左手の頂点で毎回待つように付点八分音符を長めにリズムは自由に感じて。 クライマックスはたっぷり溜めて。和音はバラして劇的なffの響きを作って。 16分音符の下降音階はrit+dimで。静かな世界に自然に戻れるタイミングで。 遠くを思い出すようにテーマは始めよりさらにpになるのでスムーズに繋がるように作りましょう。

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#257 シャベルザシビリ 「ノクターン」(2)

無名の作曲家による素晴らしい作品を取り上げています。 今回は技術的にも難しい前半のクライマックスの部分を見て行きます。 4段目の続きから、左の和音をフレーズの膨らみを感じながら弾いてみます。 左は常に右手のメロディーに自由に合わせられるよう片手で練習しておきます。 右手はクレッシェンドの大きさが波のように段々盛り上がりに近づくのを意識。 右旋律は前のめりにならないよういつもリズミカルに余裕あるタイミングで。 オクターブのメロディーの所は三和音が大きくなり過ぎないよう注意します。 左はバスのラインは繋ぎ、和音は小さく弾きますが一番上の音は少し出して。 バス、和音、メロディーの三声を三層のケーキに見立てて其々の役割も意識。 オクターブバスはまず手を鍵盤に置いてから弾きます。溜めるタイミングで。 メロディーの歌い回し、バスのタイミング、和音のバランスをコントロール。 オクターブの旋律はレガートできる指使いを工夫します。 大きなボリュームになり過ぎないよう客観的に聴きコントロールしましょう。

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#256 シャベルザシビリ 「ノクターン」(1)

美しい和声と旋律を持ち、中間部は情熱的なほぼ無名な曲を学びます。 ロシアとトルコの間に位置するジョージアは多くの音楽家を輩出しています。 音楽や芸術全般に於いても情熱的なジョージアの国民性が感じられます。 いつもと同様和声、旋律、リズムの3つの柱をよく意識しましょう。 冒頭から和音の連打で進行する左をソロで右手の旋律を感じながら弾きます。 音の出し方は東欧風に伴奏を前に表に出して、深く厚みのある民族調を意識。 エレガントで貴族的な西欧の薄い伴奏と対照的に鍵盤に沈む重い伴奏です。 テンポは「先へ」と「遅く」を繰り返しながら自由にうねって進みます。 和声の美しい変化を聴いて。美しい左を弾くと右も弾きたい気分になります。 情熱的な東欧風と軽く上品な西欧風のバランスの差を実際に弾いて試して。 伴奏の連打はメトロノームの縦割にならないで右手をイメージして合わせて。 旋律は音程をよく聴きメロディーを輪郭や形として考えて強弱で表します。 大きな音も上から叩くのではなく、身体をしならせ引っ張る、こねるように。 腕から回してスムーズに音を繋ぎながら個性的に歌えると良いです。 タイミングも大切です。少し遅くとった後は停滞しないよう先へ動かして。 ペダルは無しの練習も音楽的に。身体の動きも利用して音を出します。 音楽を通して未知のジョージアへの旅を体験しましょう。

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#255 ドビュッシー 「帆」(4)

今回は「帆」の最終回、4ページ目を見て行きます。 このページは船の音→グリッサンドのような動きで始まります。 船は重く、グリッサンドは手を回し始めの音長め。その上に全音階の風。 風の元のテーマ、カモメ、水(波)が同時に出てきます。グリッサンドの上で ドミだけ残しペダルを一度離し、再度踏んで響きを残します。 神秘的かつリズミカルを意識して。アジアンな五音階は異国の香りです。 リズムに集中し1234と8分音符で数えながらペダルなしの練習も効果的。 曲の冒頭と同様、硬いリズムにならないで横の動きを滑らかに意識。 余裕があればリズムに動きや抑揚を感じられると更に良いでしょう。 4ページ目グリッサンド風以降は中華風からフランスの雰囲気に戻ります。 波の動きのように左から右→左から右とスムーズなバトンタッチの要領で。 波の始めと最後の音を少し強調しましょう。 左手はバスの船は重い腕でdown、交差した上部の風はupと弾きわけて。 頭でタッチを考えずに空の音を出したい時に自然にupなるのが理想です。 ペダルが濁らないような工夫された難解な指使いの表示は従わなくても可。 上のメロディーは左右の手でやさしく丁寧に出しましょう。 和音はキラキラとした響きを下から上のタッチを使ってはじくように。 最後はテーマを少し思い出すように柔らかく強すぎずに主張して。 一番最後のグリッサンドはゆっくりritで弾くときれいです。 重力のない全音階は宇宙の中で浮遊しているように感じられます。 音を層で考え絵を描くように響きを作ることを心がけましょう。

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#254 ドビュッシー 「帆」(3)

今回は少し動きの出る3ページ目を見て行きます。 バスの船、左手の水、右手の風(空)が合わさって五音階の部分へ進みます。 1段目serrez テンポ早め→遅→ 動きを持って→急いで→遅く→ゆっくり。 急ぐ時コントロールしながら転ばないように。部分的に見てきます。 前の段は3つの層、全音階の風のテーマは浮かんで重力のないのが特徴です。 クレッシェンドはその度にpに戻って。左手の水を強調しましょう。 練習はペダルなしで音を離してリズムを意識しながら練習しましょう。 五音階=全黒鍵=ペンタトニックスケールは中国、アジアンな香りです。 音階の弾き方は右→左→右。右を弾いている間に左を準備、左も同様に。 準備をすることでリレーのバトンのように滑らかに繋ぎましょう。 手は回して左右の受け渡しをスムーズにできるよう手の角度も工夫します。 Cedezで時間を使って手首を柔らかくしテンポも意識。次の部分も同様に。 音階の難所は周辺の音を減らし確実に弾き後から1音づつ音の数を増やして。 先に弾く鍵盤をよく見て身体は音階と一緒に動きfで勢いをつけて練習。 オクターブはアジアの打楽器ガムランをイメージして上から叩くように。 4段目tres retenuは遅く神秘的に。冒頭のフランスの響きから船はアジアへ移りました。

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