#169 ベートーヴェン ソナタ「悲愴」 第1楽章 (2)

今回は提示部の第1テーマのレッスンです。 左のトレモロなど技術的に難易度の高い部分を脱力の観点から見てみましょう。 表面だけでなく手に重さを掛けて鍵盤の深くに入るようにゆっくり練習します。 機械的にならないようテンポを少し伸縮させ自然なタイミングで固まらない様に。 ペダルも繋ぐ程度に最小限に使います。テンポはM=92~慣れたら120~140で。 リズムは右手でリードし、左は頑固にならず右手に沿って行きます。 下降するパッセージは右と左を交互に使うとテンポを上げた時も弾きやすいです。 ドライになり過ぎないようペダルも少し入れましょう。主題の後半は特に全音符のタイミングに拘って。cresc.は左も盛り上げ最後に向かってdim.とrit.して第2テーマへの心地よい入口を作りましょう。

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#168 ベートーヴェン ソナタ「悲愴」 第1楽章 (1)

4回に分けて「悲愴ソナタ」第1楽章を見ていく一回目は1ページ目のレッスンです。 さすがベートーヴェン、ドラマティックな前奏部もインパクトのある入口です。 Graveは濃く重たく、確かな存在感で始まります。 リズムを失わないよう16分音符でカウントしてタイミングに気をつけて。 3拍目に向うクレッシェンドは背中から前屈して圧力を鍵盤に伝えます。 フォルテの和音の減衰するのをよく聴いて、同音量で次のフレーズを始めます。 sfは強めに。sfも1回目から3回目に掛けてクレッシェンドさせ曲を盛り上げます。 4小節目の下降音階は4拍に分けますが、4拍目に入る音符が多いので美しくritで。 ペダルは基本細かく踏み替え音を繋ぐ為に使い前の響き持ち越さないように。 現代の楽器は当時の物に比べて響きが長く残るので特にペダルには注意します。 休符やスタッカートはノーペダルで強調させましょう。 3段目は悲しみを語るようにため息の音型も意識して。ffは強さより、弾むように。これを繰り返しながらクレッシェンドして行きます。5段目もカウントに注意して。 最後の長い下降音階は指使いに工夫し、数えながら小さなグループに区切ります。 仕上げはペダルを入れて、最終的には拍を数えることから自由になりますが、流れてしまわないようにまずはリズムを意識して練習しましょう。

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モーツァルト ソナタ第5番 KV283 (2)

モーツァルトの全ソナタ第1番~第18番の遅い楽章のピアノ奏法を勉強しましょう。 1つのソナタの遅い楽章を2つのビデオ(前半-後半)に分けます。 毎月の第1週と第3週の火曜日にビデオを公開します。

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#167 チャイコフスキー ノクターン (3)

3ページ目は技術的に難しくなります。 左手は歌う様にテーマを奏で、その上で右手の16部音符が美しく自由に動きます。 練習は右の3連符のリズムを感じながら左だけ弾いて同時にペダルを考えてみます。 右手は押しながら手首を柔軟にどこで回転すれば自然に流れるか確認しましょう。 技術的な箇所ほど長めに弾く音などリズム、タイミングや強弱を意識して。 3段目は大きなrit.を作るには一音ごとに手首を上下させてブレーキを掛けます。 片手に2声がある時は両手で弾いて音の方向を確認しながら耳でも慣れましょう。 コーダの音は少し変わっています。音程の低い伴奏が半音階で上昇、高いソプラノは下降してきてお互い段々近づいて行きます。最後の左右の2:3のリズムは段々勢いがついて速くならないようテンポをキープしながら終りのritに近づいて行きます。 曲は静かな切ないトーンで始まり→中間は激しく→後半はヴィルトゥオーゾ的な動きを経て→最後はダークで美しく、オリジナルなエンディングに導きましょう。

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#166 チャイコフスキー ノクターン (2)

2ページ目は拍子、テンポが変わりドラマティックな雰囲気になります。 3拍子が6拍子のカウントになるヘミオラのリズムと3連符が音楽が揺れながら盛り上がって行くのを伝えるのでこのテンポ感を大切に弾きましょう。 cresc.とdecr.を組み合わせて小波を作りながら大きく盛り上がります。 左手に旋律のある箇所は回すタッチでペダルは細かく、右手はルバート気味に。 ロマン派の作品は個性的な表現が許されているので強弱やタイミングは自由に。 cis-durの部分、1回目は明るく、2回目は遠くからエコーのように。 この部の最後のアクセントのついたフェルマータはペダルを途中で離して劇的に。

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