以前の記事「音楽史1 グレゴリオ聖歌」にグレゴリオ聖歌をみました。静かや穏やかな雰囲気と癒すやスピリチュアルな効果がある音楽です。約1500年前から現在まで修道院や教会で歌われている音楽です。これはすごいですね!グレゴリオ聖歌の魅が今でも多くの人に感動を与え続くています。以下のビデオの美しいグレゴリオ聖歌を楽しんでください。 楽譜の発明 800年「ネウマ」の楽譜 グレゴリオ聖歌は元々口で伝える音楽でしたが、ヨーロッパ中にすぐに色々の音符や旋律の書き方が発明されました。音楽をちゃんと正確に書けないと内容が少しずつ変わります。伝言ゲームと同じですね。ちょっと音痴の修道士もいましたと思います。旋律を伝えるために、色々の「暗号」が作られました。これはネウマと呼びます。ネウマが歌詞の上に搭載されて、音の高さや旋律やアクセントなどをアバウトに表しています。 1020年 グイード・ダレッツォ 1020年にグイード・ダレッツォ(イタリア)Guido d'Arezzo (992-1050) が私たちが今でも使っている楽譜を発明しました。この方が以前のネウマより正確です。最初は5線ではなくまだ4本でした。音符の形も今と少しっ違いますが基本的に今の楽譜と変わりません。彼が「ソルミゼーション」(ドーレーミ)も考えました。左の写真に見えます。讃美歌の「Ut queant laxis」の歌詞を見ますとそれぞれの文がUt-re-mi-fa-sol-la-Siから始まります。 オルガヌム 700年~900年 グレゴリオ聖歌の音楽はモノフォニ(単旋律)です。 しかし、700年から音楽は段々ポリフォニー(多声音楽)に変化します。 これは、音楽史の中でとても重要なことです! 「オルガヌム」スタイル 「オルガヌム」スタイルには元のメロディ(グレゴリオ聖歌)にもうひとつの声部を加えます。 ★上の声部:第一声 (vox principalis)です。グレゴリオ聖歌を歌います。(メロディ) ★下の声部:第二声 (vox organum)です。メロディより4・5度下に平行に歌います。(伴奏) ★両声部が同じ歌詞やほぼ同じリズムで歌います。(1100年から声部のリズムも段々自由になります) ★一般的な構成:両声が同じ音から始まる・上の声部が段々上がる・4度か5度になったら2声が平行に・上の声部が同じように戻る・最後にユニソンで終わります。(写真) 「オルガヌム」スタイルに平行に歌いますので、平行オルガヌム(parallel organum)とも呼ばれます。 声部がまだお互いに独立していないので、これはヘテロフォニーと呼ぶます。 ★モノフォニー(1声) ★ヘテロフォニー(2声ですが同じ旋律・平行) ★ポリフォニー(多声、声部が独立) Cantus Firmus(定旋律) 今は、上の声部と下の声部の話がありましたね。 上の声部はグレゴリオ聖歌(メロディ)、下の声部は4・5度下に歌います。(伴奏) しかし、1100年からこれが逆になります: 伴奏の旋律が段々豊で美しくて芸術的になりますので、この新しい美しい旋律を下に付けるのは不自然に聞こえます。その為に、作曲家たちがこの旋律を上に歌うことにします。 元々のメロディ(グレゴリオ聖歌)が下に行って、これからCantus Firmus(定旋律)と呼びます。 つまり:聖書(神様)の声が下に、新しい自由な声部が上になります。 テノルが(下に)この定旋律を歌います。これは元々グレゴリオ聖歌の旋律でしたね。 教会の人にとって、この声部は一番大事な声部です:神様が語る声部ですから。 この定旋律のメロディが変わらないですが、伴奏の方が段々より美しく作曲されます。 「神様の声」より上の声部が美しくなったことに関して、教会の人が少し困っていました! キリスト教の中に、伴奏が神様の声部より美しくなると「神様に失礼・・神様の話が聞こえなくなる」っと困って反対の人もいました。 もう少し勉強したい 建築や芸術: この時期の建築や芸術スタイルは「ロマネスク」と言います。 今でもヨーロッパ中にロマネスク建物や教会・修道院の建築がたくさん見つけられます。 スタイルは分厚い壁、小さな窓、半円アーチな扉など。 ゴシック建築(パリのノートルダム大聖堂:1163年)の前のスタイルです。