この記事にはバロックの室内楽をみてみましょう。 前回にはオペラ(🔗音楽史16 バロック オペラ)とオーケストラ曲(🔗音楽史17 オーケストラ曲)の誕生について書きました。今回はバロックソナタ(トリオ・ソナタ)の誕生を見てみましょう。 ルネサンスまで楽器の演奏は歌やバレエの伴奏でしたが、バロック時代から楽器の演奏は歌とバレエから独立して、踊りや歌なしの「器楽の音楽」が段々流行します。しかし、器楽の音楽には歌やダンスの影響がまだ聞こえます: ★ 歌からもらったポリフォニーと前奏や即興の演奏スタイル ★ 踊りから色々のダンスリズムや舞曲 トリオ・ソナタ(trio sonata) バロック時代には歌や踊り無し、楽器のみの「器楽の音楽」が段々流行します。器楽の音楽の中にトリオ・ソナタは大事な音楽形式です。 「ソナータ(イタリア語: sonata)」は、「鳴り響く」という意味です。 「ソナーレ(イタリア語: sonare)」に由来する語で「演奏されるもの」の意味です。 トリオ・ソナタ(trio sonata)は、17世紀末から18世紀初めにかけて特に人気のあった音楽形式です。バロックソナタの呼び方もあります。トリオ・ソナタはイタリアに生まれたが17世紀にドイツやフランスやイギリスに広がりました。 3つの声部を形成するところから、「トリオ・ソナタ」 の名前が来ています。 2つの旋律楽器と通奏低音のために作曲されています。 ★ 2つの旋律楽器は:ヴァイオリン、リコーダー、フルート、オーボエ、ヴィオラ・ダ・ガンバ(チェロ)などの組み合わせです。 ★ 通奏低音は複数の奏者によって演奏される場合もあるので奏者の数が3人であるとは限らないです。 低音部の旋律:チェロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ファゴット 、ヴィオローネ 低音部の旋律と和声:チェンバロ 、オルガン 、リュート、テオルボ(リュート族の撥弦楽器) トリオ・ソナタには2つの分類があります:教会ソナタと室内ソナタです。 トリオ・ソナタは家の中や宮殿や教会で演奏されていました。教会ソナタは家の中でも演奏されていました 教会ソナタ は少し真面目なスタイルを持ちます。 前奏 ー 急(フーガ風) ー 緩 ー 急の4楽章、舞曲風の楽章を含まない構成です。 イタリア語:"Sonata da chiesa" 室内ソナタ は明るくて踊りのスタイルを持ちます。 前奏 ー 速い踊り ー 遅い踊り ー 速い踊りの3楽章が多いです。 舞曲風の楽章(アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ)を含みます。 イタリア語:"Sonata da camera" この記事の最初のところに書いたように、トリオ・ソナタには歌と踊りの影響をよく聞こえます。 ★ 歌の影響からポリフォニーと前奏の部分です。⇒教会ソナタ ★ 踊りの影響からの舞曲の色々のリズムのところです。⇒室内ソナタ アルカンジェロ・コレッリ(Arcangelo Corelli, 1653年 - 1713年) コレッリは多くのトリオ・ソナタを作曲しました。 コレッリの作品1~作品4の48曲のトリオソナタは、ほとんどが2つのヴァイオリンと通奏低音のために書かれています。コレッリのソナタはトリオソナタの教科書的な存在で、ヨーロッパ各国の作曲家に多大な影響を与えた。 教会ソナタ コレッリの「12のトリオソナタ 作品3」(教会ソナタ)からの演奏を聴きましょう。 室内ソナタ この記事の最後にコレッリの「12のトリオソナタ(室内ソナタ)からの演奏も聴きましょう。