今までグレゴリオ聖歌やオルガヌムスタイルを見ましたね。この時期は「中世前期」と言います。 これから、この記事に「中世中期」を見てみましょう。 最初の大事なことは、ヨーロッパの文化の中心が移ります。今まで、文化の中心は田舎にあるたくさんの修道院でした。学者たちが修道士になって静かに毎日にたくさん勉強していました。勉強のことは修道院の中にしか出来ませんでした。しかし、これは中世中期から変わります。勉強ができる場所はこれから町の教会に変わります。これは意外に大きな出来事でした! この時にヨーロッパのあちこちに大都会も生まれました:パリやロンドンやケルンなど。ヨーロッパの治安が段々良くなって、農業の発達や貿易のお陰で経済も段々成長します。それぞれの町が豊かになって、お互いに誰が一番大きな教会を作れる争いもします。 音楽の中心はパリのノートルダム大聖堂(1163年)です。 この中に名を残した2人の作曲家がいました。西洋音楽の初の作曲家です!この時期に特にリズムが大きく変わります。 アルス・アンティカ (1100年ー1300年) この中世中期を音楽史では「アルス・アンティカ」と呼びます。アルスはアーツ(芸術)のこと、アンティカは古いの意味です。古い芸術という意味ですね。後の時代の人が考えた名前ですが、当時の人が古いではなく、新しい音楽を作っていました。 私は時々想像します・・12世紀のパリ・・どんどん新しい町が出来て・・色んな国から人が集まって・・作っている最中のノートルダムは毎日毎日少しずつ大きくなって・・段々新しい芸術を作っている学者・・新しい風が吹いている町中のエネルギーは凄かったと思います。行ってみたいですね!! 先に書いたように12世紀に学問の中心は修道院から町へ移ります。ヨーロッパ中から学者たちが特にパリのノートルダムに集まります。現在のパリ大学のもとになりました。この大聖堂では日々、グレゴリオ聖歌やオルガヌムなどが歌われていました。パリは芸術の都です。 作曲家 レオニヌス&ペロティヌス 今までのグレゴリオ聖歌やオルガヌムの作曲家たちの名前が不明です。 なぜなら、人間より神様は大事です。音楽は神様の声でした!作曲家が作品の下に自分の名前を書くのはあり得ませんでした。音楽は神様の音楽でした。 しかし、時代が変わります。町が中心になって、作曲家の注目は神様より人間に変わります。もちろんのこと、深い信者だったが、少しづつ音楽は人間の心を表すことが大事になってきます。(愛のことや社会の話など)ノートルダム大聖堂にいた音楽家が作った音楽は段々一般の話を語るようになりました。注目やフォーカスは神様ではなく人間になります。 レオニヌス (Leoninus 1150-1201 、1160-1180にかけて活躍) レオニヌスはノートルダム大聖堂の作曲家でした。彼は2声オルガヌムの達人でした。彼の作品に ★テノールがグレゴリオ聖歌(Cantus Firmus)を長い音で歌います。 ★上の声部(Duplum)が自由に豊かに動いています。 ★自由に動く旋律は「メリスマ」と言います。歌詞の1音節に対して、いくつかの音を歌います。 レオニヌスはミサや聖務日課のためのオルガヌムの曲集「Magnus Liber」を作曲したことで一番知られています。 ペロティヌス (Perotinus 、1180-1230にかけて活躍) ペロティヌスはレオニヌスの一番才能がある生徒でした。 彼は先生のように作品を続けて書きますが、2声より3声や4声多くの声部のために書きました。 (3声:Organum Triplum , 4声:Organum Quadruplum) 一番大きな違いはリズムです。リズムが大きく変ります!音楽のインパクトや効果は凄いです。 当時のパリの人々にどんなように聞こえたでしょうか?ショックでしたかな? ノートルダム楽派 このふたりは「ノートルダム楽派」といいます。 レオニヌス先生の作品はもっと即興や自由なキャラクターを持つ作品でしたが、ペロティヌスの作品に声部の数が多くなったので、リズムを決めないと演奏がバラバラになります。 リズム・モード グレゴリオ聖歌のリズムは元々かなり自由だったが、1200年から作曲家が6種類のリズムのパターンを作って使います。 この新しい音楽スタイルの代表作曲家はペロティヌスでした。リズムのパターンは「リズム・モード」と言います。 全てのモードは3拍子です。アルス・アンティカには3拍子の作品しかないです。数字3のは宗教的な意味があります。(聖三位一体) 演奏ですが、曲の冒頭で指定されたリズム・モードのリズムを繰り返して歌います。 ★13世紀中頃からリズム・モードではなく、音の長さを音符で示す方法が考案されました。 モテット(Motet) アルス・アンティカに一番人気がある曲の様式のはモテットでした。 先ずは、モテットには一般音楽(世俗的な音楽)の強い影響があります。先に話したことです・・作曲家たちが田舎の修道院から都会に移りましたね。ここでは彼らが世俗的な音楽(広場のダンスや歌など)から影響を受けています。やっぱり修道士と別の生活をしていました。 モテットには宗教的な音楽と世俗的な音楽がミックスしています。 ★テノールがグレゴリオ聖歌を歌うか・・作曲家が完全に新しい旋律と歌詞を作ります。 (テノールの代わりに楽器を使うこともあります) ★上の声部が聖書のテキストではなく作曲家が作った歌詞を歌います。 言葉はラテン語か、その国の言葉(フランス語など) ★皆が同じ歌詞を歌わないで、同時に色々な歌詞が聞こえます。ちょっとしたチャンポンの曲です。 ★様々なリズム・モードが使われています キリスト教の音楽と世俗的な音楽のミックスだったので、このスタイルは多くの修道院で演奏することが禁じられました。作曲家のゴールは神様の声・話を広げることより、新しくて楽しい音楽を作るこになりましたね。 中世の人が一歩一歩人間が中心になるルネサンスの時代に向かって歩んでいます。 以下に2つのモテットを聴きましょう。1つ目のビデオは初期のモテット、2つ目のビデオはもう少しそのあとのモテットです。違いを聞こえますか? もう少し勉強したい パリのノートル・ダム大聖堂のように天まで届く大きな教会のスタイルはゴシック様式と呼ばれています。 新しい建築法で大きな建物をもっと薄い壁で作れるようになりました。(壁の支柱が外側に・・丸いアーチ) そうしますと壁に大きな窓を付けることも出来ました!色鮮やかな美しいステンドグラスが多く付けられました。 ステンドグラスに聖書の色々の話が見えます。字を読めない人が多かったので、聖書の説明は古い漫画ような物ですね!私も子供時に教会中に退屈してステンドグラスの漫画をよく見ていました。